トピックス(H22)/ササニシキタイプの良食味米「東北194号」

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ササニシキタイプの良食味米「東北194号」（古川農業試験場）

「東北194号」は古川農業試験場（農林水産省指定試験地）において（独）農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所との共同研究により,「ササニシキ」と「ひとめぼれ」の交配後代から,特に,炊飯米特性を重点に選抜し,育成した水稲新品種で,平成22年度内に品種登録出願し,品種名が決まる予定です。

特長は別表のとおりで,栽培特性は「ひとめぼれ」に似て,熟期は中生の晩,「ササニシキ」より冷害や倒伏に強く,穂発芽しにくい一方,米の形・ご飯の食感は「ササニシキ」に似て,ふっくら,やわらかで飽きのこないおいしさが味わえます。

実需者からは,主食用米飯の中でも,寿司,おにぎり,弁当など和食系やカレー等の洋食系にも向いていると評価されています。

宮城県では,「東北194号」を農商工連携「米」商品開発プロジェクトの対象にして,生産から流通・販売までの戦略を策定中です。県内6カ所で現地試験栽培が行われており,早期の一般作付けに向けた準備が進んでいます。

（作物育種部）
（平成22年10月12日掲載）

表　水稲新品種「東北194号」の特長

品種・系統名	東北194号	ササニシキ	ひとめぼれ
草型	穂数型	穂数型	偏穂数型
早晩性	中生の晩	中生の晩	中生の晩
出穂期(月日)	8.08	8.08	8.10
稈長(cm)	81	84	84
穂数(本/平方メートル)	485	504	465
穂発芽性	難	やや易	難
耐倒伏性	やや弱	弱	やや弱
耐冷性	極強	やや弱	極強
玄米収量(kg/a)	57.6	58.9	55.2
玄米千粒重(g)	21.1	21.2	21.9
玄米品質	上下	上下	上中
白米アミロース含有率(%)	19.0	19.1	19.4
白米タンパク含有率(%)	5.8	6.1	5.7

2005～2009年古川農業試験場作物育種部標肥区

【左:東北194号,右:ササニシキ】
（古川農試作物育種部ほ場　平成21年9月）