ここから本文です。
コムギ赤かび病は,コムギの収量や品質に大きな影響を及ぼす重要病害です。
本病に関しては,近年,病原菌が人畜に有害なかび毒を産生することが問題となり,かび毒の一種,デオキシニバレノール(以下,DON)に関する暫定的な基準値(1.1ppm)が設定されるとともに,農産物検査規格も厳しく改正され,流通上の規制が強化されました。そのため,早急な防除体系の確立が求められています。
本病の防除には,薬剤散布が不可欠ですが,DON基準値や農産物検査規格をクリアするためには,赤かび病に罹病した粒(赤かび粒)を除去することが必要であり,その方法の一つに,収穫後の選別があげられます。
これは,赤かび粒は健全粒に比べて軽く,粒厚の小さいものが多い性質を利用したものです。カントリーエレベーター等で行われている粒厚選別と比重選別の併用の効果を調査したところ,品質に影響を与える未熟粒の除去のみならず,赤かび粒の除去や,DONの低減に対しても有効であることを明らかにしました。
(作物保護部)
(平成23年1月21日掲載)
(1ppm=1000ppb)
図2 健全粒(左)と赤かび粒(右)
お問い合わせ先
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください
重要なお知らせ
こちらのページも読まれています
同じカテゴリから探す