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長期残効性の箱施用剤は,1回の処理で多くの水稲主要病害虫を防除できる省力的技術であり,宮城県では近年広く普及しています。しかし,いもち病のように予防防除と広域防除の意義が大きい病気と比べ,水稲初期害虫ではその年の発生量を確認し,要防除水準に基づいて防除判断が可能な害虫が多く,毎年殺虫剤を含む箱施用剤を使用することは過剰防除となっている可能性が考えられました。
そこで,長期残効性殺虫剤を長年連用してきた地域で,殺虫剤を使い続けた水田と,使用を中止した水田でのイネミズゾウムシとイネドロオイムシの発生状況を2年間調査しました。
その結果,イネミズゾウムシでは中止2年目まで少~中発生で,被害についても宮城県の定める要防除水準には達しませんでした。イネドロオイムシでは試験を行った水田での産卵が常に少なく,幼虫による被害も少なく推移し中止2年目でも要防除水準には達しませんでした。
以上から,少発生状況が続く近年では長期残効性殺虫剤を毎年使用しなくても,これらの水稲初期害虫密度の急激な増加はみられず,少なくとも2年間は殺虫剤の使用を中止できると考えられました。
(作物保護部)
(平成22年8月5日掲載)
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