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大豆栽培における苗立ちや土壌処理剤の効果を安定させるための砕土率の把握(PDF:363KB)
作土の砕土率は、大豆の苗立ちや除草剤の効果に関わる重要な要素で、播種前の砕土率は70%以上にする必要があるとされていますが、作業効率が優先され、充分な砕土率が確保できないほ場が多く見られます。そこで、土壌表面の土塊程度から砕土率を把握する方法について検討しました。
灰色低地土及び黒泥土における土壌表面の土塊程度(算出方法は「利活用の留意点」を参照)と砕土率には相関関係があり、土壌表面の土塊程度から播種に最適な砕土率70%が把握できます(図1、2)。砕土率診断シートを活用し、耕起・整地後の砕土率が70%以上になるように作業機の速度を調整して整地作業を行い、砕土率が70%以上であれば播種作業を行います。
図1 砕土率と土壌表面の土塊程度の関係(令和4年~令和5年)
注1)耕起はチゼルプラウを用い、整地はパワーハローを用いた。
(実測)砕土率:70.6% (推定)砕土率:73.6%
土壌表面の土塊程度:12.6(A土塊:21個/m2、B土塊:2個/m2)
図2 砕土率70%程度の土壌表面の土塊程度
注1)a:元画像。b:a画像の土塊を大きさごとに分類したもの
注2)b画像の黒線で囲った土塊:A土塊(長径5cm以上10cm未満の土塊)。赤線で囲った土塊:B土塊(長径10cm以上の土塊)。
土壌表面の土塊程度は1m×1m内の土壌表面の土塊を対象とし、次の式で求めます。土壌表面の土塊程度=0.5×A土塊(長径5cm以上10cm未満の土塊の個数/m2)+1.03×B土塊(長径10cm以上の土塊の個数/m2)ほ場によっては砕土率を高くしすぎると降雨による土壌クラストが発生し、出芽を阻害することがあります。大豆の苗立ちには適切な播種作業も重要で、安定した播種が行えるよう播種機の設定や作業速度を調整してください。
宮城県古川農業試験場
作物栽培部大豆・麦チーム
TEL:0229-26-5108
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