掲載日:2025年4月8日

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第990回教育委員会会議録(令和7年2月分)

1 招集日時 令和7年2月7日(金曜日)午後1時30分

2 招集場所 教育委員会会議室

3 出 席 者 佐藤教育長、小川委員、小室委員、佐浦委員、鳩原委員、福與委員

4 説明のため出席した者

佐藤副教育長、千葉副教育長、遠藤副教育長、鎌田総務課長、熊谷教育企画室長、片岡福利課長、工藤教職員課長、本田義務教育課長、菊田高校教育課長、高橋高校教育課教育改革担当課長、菊田高校財務・就学支援室長、山内特別支援教育課長、安倍施設整備課長、山田副参事兼保健体育安全課総括課長補佐、三浦生涯学習課総括課長補佐、高橋文化財課長 外

5 開会 午後1時30分

6 第989回教育委員会会議録の承認について

佐藤教育長

(委員全員に諮って)承認する。


7 第990回宮城県教育委員会定例会会議録署名委員の指名、議事日程について

佐藤教育長

 小川委員及び福與委員を指名する。

 本日の議事日程は、配布資料のとおり。


8 秘密会の決定
 7 議事
 第1号議案 職員の人事について

佐藤教育長

 「7 議事」の第1号議案については、不開示情報等が含まれているため、その審議等については秘密会としてよろしいか。

(委員全員に諮って)この審議等については、秘密会とする。

 秘密会とする第1号議案は、本日速やかに処理する必要があるため、先に第1号議案を審議することとしてよろしいか。

(委員全員異議なし)

会議録は別紙のとおり(秘密会のため非公開)

9 教育長報告
 宮城丸の物損事故に係る和解について

(説明者:遠藤副教育長)

 「宮城丸の物損事故に係る和解について」御説明申し上げる。

 事故の概要であるが、令和6年6月11日に沖縄県の那覇新港において、宮城丸が第1次航海実習の着岸作業をしていた際、職員が船上から陸上の作業員に向けて放出した係船ロープが、付近に駐車していた車両の天井に接触し、同車両を損傷させたものである。

 なお、事故による人的被害はなかった。

 この事故は、職員の公務中に発生した事故であり、相手方に過失がないことから、県が相手方に損害賠償を行うことが妥当であると判断し、相手方に損害額の全額である88,000円を支払うこととして、和解が成立したところである。

 この和解については、地方自治法第180条第1項の規定により、令和6年12月23日に知事による専決処分が行われ、2月議会において当該専決処分の報告をすることとしている。

 今回の事故を受け、同様の事故を未然に防止するため、職員の安全意識を高め、適切に作業を行うことを徹底し、安全管理に努めていく。

 本件については、以上である。

(質疑)

(質疑なし)

 

10 専決処分事項

 第395回宮城県議会議案に対する意見について

(説明者:佐藤副教育長)

 「第395回宮城県議会議案に対する意見について」御説明申し上げる。

 資料右側を御覧願いたい。

 地方教育行政の組織及び運営に関する法律第29条の規定により、令和7年1月29日付けで令和7年度当初予算などの2月議会当初提案について、知事から意見を求められたので、当初提案のうち予算議案を御説明申し上げる。

 令和7年度当初予算の全体概要であるが、予算額としては教育庁全体で

 1,626億6,444万9千円を見込んでおり、令和6年度当初予算額と比較して、

 29億8,545万7千円の増額となっている。

 その増額の主な要因としては、義務教育段階における公立学校の1人1台端末について、多くの市町村が令和2年度に端末の整備を行っており、それらの端末の耐用年数が5年程度のため一斉に更新時期を迎えることから、所管する義務教育課における公立学校情報機器整備事業費の予算が増額となることなどによるものである。

 なお、各課の歳出内訳については(3)歳出課別一覧に記載のとおりとなる。

 次に、主な事業についてであるが、第2期宮城県教育振興基本計画(改訂版)の目標、基本方向ごとに、とりまとめているので、このうち、新規事業・拡充事業を中心に御説明申し上げる。

 はじめに、「目標2」の「基本方向3」の「(2)みやぎの算数教育改善プラン事業」については、基礎的・基本的な知識・技能の定着と活用する力を育成するため、1人1台端末を活用し、学習の定着度や児童一人一人の学習の伸びを把握するとともに、算数学習への意欲向上と家庭学習の連携を図るものであり、事業費は400万7千円である。

 次に、「(5)実践的英語教育充実支援事業」については、ALTの配置の継続と共に、英検IBAの実施をとおして、生徒の英語力向上や教員の指導改善・指導力向上を図るものであり、事業費は1億789万9千円である。

 次に、「(7)Ⅾ10.ハイスクール」については、ICTによる学びの充実と情報活用能力の育成を図るため、デジタルものづくりなど、生徒の興味関心を高めるICT機器等の整備を進め、デジタル人材育成の取組を強化するものであり、事業費は1億9,350万円である。

次 に、「目標3」の「基本方向6」の「(5)マイスターハイスクール普及促進事業」については、宮城の将来を担う人づくりに取り組むため、加美農業高等学校において地域産学官のコンソーシアムの構築とその連携・協働をとおした取組を行い、産業界をリードする人材の育成を図るものであり、事業費は746万1千円である。

 次に、「(7)多賀城政庁復元検討事業」については、多賀城の歴史的価値の発信や観光振興の強化に向けた政庁復元の在り方等の検討を行うものであり、事業費は100万円である。

 次に、「目標4」の「基本方向8」の「(4)校内教育支援センター支援事業」については、社会全体で子供を支援する体制の充実を図り、教室で過ごすことに不安を抱える児童生徒の学習支援や自立支援を実施するため、小・中学校への学び支援教室専任教員の配置や教育事務所に別室支援員を配置し、要請のあった学校へ派遣を行うほか、市町村独自で配置する支援員の経費の一部を補助するものであり、事業費は4,405万円である。

 次に、「(12)体験活動等を通じた青少年自立支援事業」については、学校に登校していない、または、行きづらさを感じている児童生徒の社会的自立に向けた取組として、自己肯定感やコミュニケーション能力等の向上を目的にした、自然体験活動や集団での宿泊活動等を行うものであり、事業費は320万9千円である。

 次に、「基本方向9」の「(1)教職員確保対策事業」については、転職希望者や移住希望者を対象に、教職への就職に向けた広報活動を実施するほか、県外大学から学校インターンシップに参加する学生に対する旅費の補助等により優れた資質能力を有する教職員の確保を図るものであり、事業費は560万円である。

 次に、「(14)副校長・教頭マネジメント支援員配置支援事業」については、学校における働き方改革を推進するため、副校長・教頭の学校マネジメント等に係る業務を専門的に支援する人材を配置し、教員のさらなる負担軽減を図るものであり、事業費は1,012万2千円である。

 次に、「(17)入学者選抜出願システム構築事業」については、インターネットを活用した出願やクレジットカード、コンビニ決済等の複数の決済方法の導入等により、出願時の利便性向上や出願者、教員等の作業の効率化及び負担軽減を図るものであり、事業費は7,900万円である。

 なお、その他、基本方向ごとの主要事業については、「宮城県教育委員会令和7年度主要事業概要」を御覧願う。

 次に、「(2)債務負担行為」であるが、仙台第二高等学校仮設校舎賃借など18件について、必要な期間及び限度額の債務負担を設定するものである。

 次に、予算外議案について御説明申し上げる。

 「3 予算外議案」の「(1)条例議案」であるが、議第23号議案「証紙条例を廃止する等の条例」については、証紙条例の廃止に伴い、県立学校条例において所要の改正を行うものである。

 次に、「(2)条例外議案」であるが、議第35号議案「学校給食に関する事務の委託の変更について」については、平成30年度から仙台市へ委託している県立小松島支援学校松陵校の学校給食に関する事務について、令和7年4月の同校の独立・本校化に伴い、学校名等の委託内容を変更するものである。

 最初の資料に戻られたい。

 以上が、知事から意見を求められた議案の内容であるが、この照会に対しては、教育長に対する事務の委任等に関する規則第3条第1項の規定により、1月31日付けで専決処分し、異議のない旨回答しているので、同条第2項の規定により報告する。

 本件については、以上である。

(質疑)

福與委員

 

 

 

 

 

 

 

教育企画室長

 

 

 

 

       福與委員

 

 

 

特別支援教育課長

 

 

 

 

佐浦委員

 

       高校教育課長

 

 

 

 

 

 

 

鳩原委員

 

 

 

 

 

特別支援教育課長

 

 

       鳩原委員

 

 

 

 

 

 

教育企画室長

 

 基本方向3(「確かな学力の育成」)で様々な新規事業が掲載されており、学力のボトムアップを図りたいとの趣旨はよく理解できた。一方、この基本方向3と基本方向5(「多様なニーズに対応し誰一人取り残さない教育の推進」)は相互に関連する部分もあるのだと感じた。例えば、基本方向5には「医療的ケア推進事業」が掲載されているが、「誰一人取り残さない教育」という点では、医療的ケアが必要な子どもに対してだけではなく、同時に発達障害やADHDなどの子どもに対しても、対応が必要である。今回、基本方向3の事業には新規事業や拡充事業がある一方、基本方向5ではそれらの事業がないが、今後基本方向5の事業費を増額する予定はあるか。

 

 委員の仰るとおり、基本方向3と5は相互に関連しているものである。第二期宮城県教育振興基本計画(改訂版)の内容とリンクさせるため、このような区分けで表記しているが、それぞれの事業は相互に関連している。

 基本方向5については、来年度新規事業や拡充事業はないが、事業成果等を毎年精査した上で必要額を積算している。

 

 昨年度、特別支援学校を障害者の避難場所として開設するといった方針が国から示されたと思われる。今回の議案では様々な学校の改修費が組み込まれているが、特別支援学校の改修費については、議会で議論とはならなかったのか。

 

 委員の仰るとおり、市町村が福祉避難所を開設する上で特別支援学校に協力要請があった場合には、都道府県は協力するよう、国から通知が発出されたところである。当該通知を受け、当課としては各県立特別支援学校に対し、校長会議等を通じた周知を行ってきたところである。今までも、複数の学校で市町村からの要請に応じ、福祉避難所として開放した実績はあるが、今後更に市町村と連携を深めてまいりたい。

 

 基本方向3(7)の「DXハイスクール事業」の説明の中で「デジタルものづくり」といった言葉があったが、どのような内容か。

 

 本事業は、国の「高等学校DX加速化推進事業」の活用を見据えて予算要求したものである。大学教育段階でデジタル・理数分野への学部転換の取組が進む中、その政策効果を最大限発揮するために、高校段階でのデジタル等成長分野を支える人材育成の強化が必要として、文科省が設置した事業である。事業スキームとしては文科省から県への補助となるが、国の補助事業にエントリーするかは、各県立高校において検討段階の状況にある。各校の申請内容が出揃っていないため、申請内容を具体的にお答えすることは難しいが、デジタル機器を活用したスマート農業などが、「デジタルものづくり」に該当すると考えている。

 

 「3(2)条例外議案 学校給食に関する事務の委託の変更について」、伺いたい。県立小松島支援学校松陵校が独立化することに伴い、仙台市から初めて高等部の生徒の給食提供を受けることとなるが、仙台市としても高校生への給食提供の事例はそう多くないものと思われる。義務教育段階の子どもと高校生ではそれぞれ必要とされる栄養カロリー等は異なるが、うまく対応してもらえる内容となっているか。

 

 今回の変更契約は、小中学部と高等学部では給食提供に係る根拠法令が異なるため、その内容を契約書に反映させることが趣旨である。給食の内容等については、仙台市教育委員会と協議をしながら丁寧に対応したい。

 

 もう1点、常々思っていたことだが、予算の枠の都合上、どうしても○○課の事業といった説明になるのだと思うが、予算要求を行った課だけではなく、複数の課の担当を跨ぐ事業も当然に存在する。この予算の仕組みを理解している人からすれば当然なのかもしれないが、一般の方々がこれらの資料を見たときに、予算担当課で全ての事業が行われているようなイメージを持たれてしまう可能性があるため、見せ方の部分で、広く一般の方々が見て理解しやすいよう、十分にかみ砕いて示すことが必要なのではないかと思っている。

 

 御指摘の視点は非常に大切だと考えている。例えば複数の事業をパッケージ化して見せるなど、県民の方々にも御理解いただけるよう工夫しているところであるが、引き続き分かりやすい内容となるよう努めてまいりたい。

 

11 議事

 第2号議案 第2期宮城県特別支援教育将来構想(案)について

(説明者:遠藤副教育長)

 第2号議案について、御説明申し上げる。

 第2期宮城県特別支援教育将来構想の策定については、令和5年11月に県教育委員会から宮城県特別支援教育将来構想審議会に諮問を行っており、その後、審議会において議論が重ねられ、1月10日に審議会から答申を受けたところである。

 本日は、この答申を踏まえて作成した「第2期宮城県特別支援教育将来構想(案)」について、議案として提案するものである。

 資料右側を御覧願いたい。

 「1策定の背景」については、平成27年2月に策定した「宮城県特別支援教育将来構想」により、各種施策を展開し、特別支援教育への理解は進んでいるものの、一方で、特別な支援を必要とする幼児児童生徒が増加している中での多様な教育的ニーズに応じた切れ目ない支援体制の確立、県立特別支援学校の狭隘化の解消等が引き続き求められているとともに、現構想が令和6年度で終期を迎えることから、特別支援教育の方向性を示すものとして策定するものである。

 「2基本的な考え方」については、資料のとおり、現構想から継承している。

 「3計画の期間」については、令和7年度から令和16年度までの10年間としている。

 なお、構想を推進するために実施する具体的な施策及び取組については、別途実施計画を作成する。

 資料左側を御覧願いたい。

 「4構想のポイント」については、「(1)構想の基本的な考え方」の「1.」として、現構想の「児童生徒」の文言を「幼児児童生徒」に変更している。現構想でも幼児に対する支援等は行ってきているが、今回明確化したものである。

 「2.基本的な考え方」を現構想から継承するとした理由の部分について、「障害のある全ての児童生徒」を「特別な配慮や支援を必要とする全ての幼児児童生徒」としている。特別支援教育については、一人一人の障害等に応じた学習環境への対応などの配慮の面と困り感のあるところなどへの支援の面の視点が必要なことから、このように整理した。

 資料右側を御覧願いたい。

 「(2)今後の特別支援教育の進め方」については、「1.3つの目標」を設定するに当たり、幼児児童生徒が主体的に社会参加できる取組と共生社会の実現に向けた関係者の理解を強調している。

資料左側を御覧願いたい。

 「2.」として、3つの目標について、基本的なところは現構想から継承しているが、「学校づくり」については、「誰一人取り残さない」を加え、通常学級、特別支援学級等の多様な学びの場における特別支援教育の充実、また、「地域づくり」については、「誰もが認め合う」を加え、人々の多様な在り方を相互に認め合える社会である共生社会の実現に向けた、関係者の理解促進に取り組むこととしている。

 資料右側を御覧願いたい。

 「5主な経過と今後の予定」については、これまで、審議会を3回開催し、パブリックコメントへの意見等を踏まえながら審議会で議論が行われ、答申がまとめられたところである。

 今後については、実施計画について、3月の教育委員会において、お示ししたいと考えている。

 また、5月に市町村教育委員会等の特別支援教育担当者を対象とした、第2期構想に係る説明会を開催することとしている。

 なお、構想の詳細については、特別支援教育課長より御説明申し上げる。

(説明者:特別支援教育課長)

 それでは、引き続き、第2期将来構想について、別紙「構想(案)の概要」により御説明申し上げる。

 はじめに、「1. 第2期将来構想の策定について」については、「1策定の背景」、「2計画期間」、「3特別支援教育を取り巻く状況」について記載している。策定の背景及び計画期間については、先ほど御説明したとおりである。本県の特別支援教育を取り巻く状況については、特別支援教育に係る児童生徒数や県立特別支援学校の狭隘化の状況、課題を含む各学校等の状況について記載している。

 「2. 現構想における取組の成果と課題」については、3つの目標ごとに成果と課題を整理し、記載している。

 資料左側を御覧願いたい。

 構想(案)の全体像となっている「3. 将来構想の基本的な考え方」、「4. 今後の特別支援教育の進め方」、「3つの目標」については、先ほど御説明したとおりである。

 資料右側を御覧願いたい。

 「4. 今後の特別支援教育の進め方」の詳細について、御説明申し上げる。

 「目標1 自立と社会参加」では、成長段階における一貫した支援体制の必要性から、「1関係機関の連携による切れ目ない支援の充実」として、現構想では乳幼児期から学校在学中までをひとつの項目としていたものを「(1)」から「(4)」の各段階に分けて記載している。

 取組としては、就学前から就学中における個別の教育支援計画等の作成、活用及び次の段階への引継ぎや、卒業後の進路に伴う生活を安定したものとするため教育支援計画等を活用した必要な配慮等の関係機関への引継ぎなどに取り組む。

 就学中における合理的配慮等の検討に当たっては、児童生徒の参画を促し、自ら選択する力と自ら意思を表明する力の育成について、「(3)就学中の連携」に新たに記載している。

 また、自立と社会参加においては、学校卒業後の生活が重要であることから、「2卒業後の心豊かな生活への円滑な移行を支援する体制の充実」として、「(1)」から「(3)」に記載のとおり、生涯にわたって文化芸術活動やスポーツ活動等の生涯学習を行えるよう、それらに接する機会の教育課程への取り入れ、社会的・職業的自立に向けた資質・能力の育成などに取り組むほか、高等教育への進学支援について、「(3)卒業後の可能性を広げるための支援」に新たに記載している。

 次に、「目標2 誰一人取り残さない学校づくり」では、幼児児童生徒の多様な教育的ニーズに対応するため「1多様な教育的ニーズに応じた学びの場の実現」として、「(1)」から「(6)」に記載のとおり、県立特別支援学校の狭隘化への対策、特別支援学級や通級による指導における一人一人の教育的ニーズに応じた学びの充実、校長のリーダーシップによる合理的配慮の提供、高度化・複雑化している医療的ケアへの対応などに取り組む。

 「(5)高等学校等における特別な配慮や支援を必要とする生徒の学びの充実」では、インクルーシブ教育の充実への検討について、新たに記載している。

 また、特別支援教育に係る専門性は全ての教員に求められることから、「2学習の質を高めるための教員の専門性向上」として、「(1)」から、資料右側の「(4)」では、研修機会や内容の充実、専門性向上に向けた校内研修体制の整備などに取り組む。

 なお、「(4)専門性向上を支える校内体制の整備」では、教員が研修に参加しやすい環境づくりについて、新たに記載している。

 「目標3 誰もが認め合う地域づくり」では、「今後の特別支援教育の進め方」で御説明した共生社会の実現に係る取組となるが、「1共生社会の実現を目指した理解促進」として、「(1)」から「(3)」に記載のとおり、居住地校との交流・共同学習の更なる推進、コミュニティ・スクールの設置などに取り組む。

 新たな取組としては、副籍制度のモデル的な導入、特別支援学校が地域において果たす役割の強化を加えている。

 「2市町村教育委員会へのサポート」では、「(1)」から「(3)」として、市町村教育委員会が行う研修事業等への特別支援学校のセンター的機能による支援、就学手続きに係る手引きの内容充実などに取り組む。

 また、「(3)医療的ケアの実施等に関する支援」については、新たに記載している。

 構想(案)の概要は以上であるが、構想の推進に当たっては、様々な関係者の意見を取り入れることを大切にしながら、取り組んでいきたいと考えている。

 以上、よろしく御審議のほどをお願い申し上げる。 

(質疑)

佐浦委員

特別支援教育課長

 

 

       福與委員

 

 

 

 

 

 

 

       特別支援教育課長

 

 

 

 

 

 

       福與委員

 

 

       鳩原委員

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特別支援教育課長

 

 

 

       小川委員

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       特別支援教育課長

 

       鳩原委員

 

 

 

 

 

 

       特別支援教育課長

 

       福與委員

 

 

 

 

 

 

特別支援教育課長

 

 

 

       佐藤教育長

 

 目標3に記載されている「副籍制度」とはどのような制度か。

 現在、小中学校の児童生徒については、特別支援学校以外の学校か特別支援学校かのいずれかに在籍することとなっているが、副籍制度を導入することにより、特別支援学校を主籍としながら、一般の小中学校にも在籍することが可能となる。他県でも導入事例があり、子どもの状態に応じ適切な教育が提供できるよう、市町村と連携しながら取り入れたいと考えている。

 新たな計画では、「幼児」が明記されており、素晴らしいと感じた。

 もう1点コメントとなるが、特別支援教育については、その子に特別支援教育が必要かどうか判断されるまでが、最もハードルが高いと感じている。学校の先生から医療機関の受診を進められても医療機関で診断を受けられるのは、早くて3か月、場合によっては1年待ちのケースもある。その問題に関しては、医療機関側でもどうにかならないかとは感じており、例えば診断書が無くても、学校や福祉事務所等が特別支援教育が必要であると判断したならば、特別支援教育を受けられるような、そのような枠組みを検討することはできないか。教育庁ではなく、福祉部局が担当なのかもしれないが、検討されていることがあれば教えていただきたい。

 特別支援教育が必要かの判断については、市町村教育委員会の就学支援委員会で決定されるところであるが、その判断材料として多くの市町村教育委員会では医療機関の診断書を必要としており、御指摘の件については課題意識を持っている。今回の将来構想策定にあたり、ポイントとしたのが、目標2にも記載したとおり、「教員の専門性向上」についてである。全ての教員が特別支援教育に関する基礎的な知識や合理的配慮等に関する知識を備え、適切に対応できるよう、研修の充実等により市町村の体制整備を支援してまいりたい。市町村教育委員会からは、そのような判断を市町村で行うことは難しいとの御意見もいただいているところであるが、県全体の特別支援連携協議会等を通じ、県立特別支援学校の知見を提供するなど、市町村のサポートを行ってまいりたい。

 学校現場の働き方改革を推進している中で、このような研修会を増やすと教員の負担が増すのではないかと懸念するところだが、保護者としてはやはりより良い環境で子どもに教育を受けさせたいと考えるはずである。この構想で描いていることが実現されることを期待している。

 今回の将来構想がこれまでと大きく異なるのは、特別支援は特別支援学校に通っている子どもだけに必要なものではなく、全ての子どもに対し必要なものであり、それを明確に打ち出した点にあると感じた。共生社会を目指すということは、支援が必要な子がでてきた時に特別支援について考えるのではなく、子ども達を見守る全ての大人達がそのような意識を持ち合わせている社会となることが重要である。そのような意味では、この将来構想を打ち出すタイミングは、県教委として幼稚園、小中学校等に携わる全ての方々に対し、そのようなメッセージを発信する良い機会であると感じている。特別支援教育による支援が必要な子どもがいて、初めて共生社会に関する意識を持つのは大きな間違いで、対象は全ての幼児、児童生徒であり、学級にいる全ての子ども達に対し、誰一人取り残さない教育を提供することが特別支援教育だということを発信する上でも今回の将来構想は重要な意味を持つものであると感じている。そういった構想の「読み方」の部分についても、ぜひ発信していただきたい。

 また、具体的な実施計画については、別途作成されるとのことだが、特別支援教育が全ての幼児、児童生徒を対象とするものなのであれば、予算を組む段階から保健福祉部など、教育庁以外の部局とも連携した上で、事業を組み立てていただきたいと思うし、別途作成する県立高校将来構想の中でも、特別支援教育の必要性について、明記されたい。今回の構想期間は10年間であり、今回が10年に1度のチャンスとして、前向きに捉えていただきたい。

 委員御指摘のとおり、インクルーシブ教育の推進がこの構想の1つ大きなポイントになるだろうと捉えている。発達段階に応じた子ども達への支援をどのように提供していくのか、そして、「児童生徒」の表記を「幼児児童生徒」に改めたことが、今回の構想の大きなポイントである。計画の策定、取りまとめ自体は当課で担当しているが、教育庁内の各課や他部局とも連携しながら、具体的な実施計画を策定したいと考えている。

 先日、全国の教育長・教育委員の会議に出席してきたが、その会議のテーマもインクルーシブ教育であった。いわゆる普通学校にも生活上の困難さを感じる子どもが増加すると見込まれている中で、教育の質や学びの環境といったところにフォーカスが当てられがちだが、私自身は卒業後の進路、学校の出口の部分が重要だと感じている。

 教育委員会の現場視察でも、特別支援学校を視察させていただいたことがあるが、図工の作品を見ると、色使いやデザインが素晴らしいなと思うことがあり、その子達の感性や感覚といった長所を伸ばすことができれば、専門的な力が必要な職場に就職できるのではないか、と思うことがある。小学校から中学校、高校とそれぞれの先生がその子の専門性に早く気づき、それを引き継ぐことができれば、子ども達の専門性をどんどん広げてあげることができるのではないか。今回の資料に記述はないが、キャリア支援に重点を置かなければ、インクルーシブの概念が企業に広がらず、社会全体としての共生社会の形成に繋がらないのではないか。インクルーシブ教育を推進するためには、そういった切れ目のないキャリア発達支援を普通の県立高校でも提供することができ、本人の専門性に合った就職先を本人や保護者に示すことができないと、なかなかインクルーシブ教育の推進も進まないのではないかと感じる。

 そのような意味で、先生方には学びの環境を整えるだけではなく、キャリア発達支援の力も身につけていただきたい。

 御指摘の点については、審議会でも様々な御意見をいただいたところである。キャリアパスポートには教材的な側面もあるが、特別支援教育で作成する個別支援計画と併せて活用することができないか等の御意見もいただいており、子ども達の自立に向けた支援について、更に検討してまいりたい。

 今回、第二期の将来構想が策定されるわけだが、ぜひ第三期を目指していただきたい。次の将来構想を具体的なものとして描くためには、第二期をどれだけ充実させるかが重要であり、学校や教育に携わる方々の理解や意識も大幅に変える必要がある。

 インクルーシブ教育で力を付けた子ども達が社会に出て、輝いてこそのインクルージョンの世界であり、そのような社会を実現させるためには、教育庁単独のレベルではなく、県全体として各部局が連携しながら、県民一人一人が光り輝く宮城県を描かくことが重要であると感じている。まだ二期目の計画が出される前ではあるが、第二期の10年間が充実した期間となることを期待している。

 今回提案したのが第二期の将来構想となるが、第一期の現構想の課題を踏まえた上で、第二期の実施計画作成を進めているところである。御指摘のとおり保健福祉部や労働関係の部分については経済商工観光部などといった教育庁以外の部局ともしっかりと連携をしながら、実施計画の作成に努めてまいりたい。

 鳩原委員が仰ったことが本当にそのとおりだと思い伺っていた。総論について議論されている中、各論の話となるが、学校に行けていない子を診療していると、医学的には何ら問題がなく、医療機関ではなんともし難い子どもも比較的多くいる。そのような子ども達は、今の枠組みだと特別支援教育の枠から外れてしまい、単なる不登校といった枠となり、自分の将来が描けなくなり、親も疲労感が溜まってしまう。「ここからは特別支援学校に入る子」、「ここからは特別支援学校に入らない子」といった線引きをするのではなく、スペクトラムとして捉えていくことやその子自身の将来を見据えた上で支援を行うことが重要なのではないかと感じている。

 文部科学省が実施した令和4年12月の調査結果では、教室の中で学習上、あるいは生活上、困難を抱えている子どもは小中学校で8.8%、高校では2.2%いるとの結果が出ており、どの学校、どのクラスにもそのような困難を抱えている子どもがいるとの認識のもと、将来構想で描く姿が実現されるよう、学校関係者への周知のほか、具体的な取り組みが行えるよう、引き続き尽力してまいりたい。

 

(委員に諮って)事務局案のとおり可決する。

 

12 課長報告

(1)学校事務職員の採用方法の見直しについて

(説明者:総務課長)

 「学校事務職員の採用方法の見直しについて」御説明申し上げる。

 資料左側を御覧願いたい。

 宮城県職員のうち事務職員の採用については、1の(1)のとおり、人事委員会において、教育委員会、知事部局、県警察本部の職員採用試験を実施しており、教育委員会においては、短期大学卒業程度の試験と、高等学校卒業程度の試験によって採用している。

 このような中、教育委員会が抱える様々な課題解決に向け、学校事務職員の人材育成の更なる強化・充実が必要と考えている。

 (2)1.のとおり、学校事務職員は、主に学校間での異動を繰り返し、継続して庶務的な業務を担当することで、庶務等の特定の業務に対する知識と経験の積み重ねが図られるが、一方で学校以外に勤務することが少ないことから、新たな経験や、県職員としての見識を身に付ける機会が少なく、持ち備えている能力を伸ばし切れていないのではないかと感じている。

 また、新たな経験を積むことが少ないことから、これまでの経験値に固執してしまい、結果として業務全体の効率化や改善などが進まないのではないかと見ている。

 このような課題を解決する1つの方法として、知事部局の事務職員との採用の一本化について、検討を進めてきた。

 採用の一本化により期待できる効果としては、(3)のとおり、知事部局を含めた幅広い職域での勤務となることで、多種多様な分野の業務を経験でき、「職員としての資質向上」などが期待できるほか、知事部局で経験した行政的な視点で学校の事務に取り組むことにより、「事務室業務の改善」、「学校の活性化」が期待できるのではないかと考えている。

 資料右側を御覧願いたい。

 全国の採用の一本化の実施状況については、2のとおり、8割超の都府県で既に実施しており、実施している都府県からも、一定の効果が見られるといった声が上げられている。

 これらの状況を踏まえ、3のとおり、今回、採用の一本化により採用試験の実施時期や試験内容に変更が生じない、高等学校卒業程度の採用試験を先行して、知事部局の業務と類似性がある教育委員会の本庁や地方機関などの事務局や県立学校のみを対象として、知事部局と採用の一本化を行う方向で進めている。

 市町村立小中学校等の事務職員については、基本的に単数配置であり、学校唯一の事務職員として、幅広い業務を担当しなければならないことから、採用の一本化の対象から外している。

 なお、すでに採用の一本化を実施している他県においても、市町村立小中学校等のみを対象から外している県が多数を占めているところである。

 見直しの時期については、4のとおり、令和7年度に実施する令和8年4月採用の試験から行う方向で進めている。

 なお、短期大学卒業程度の採用試験の、知事部局の大学卒業程度の採用試験との一本化については、試験時期や試験内容の見直し等が必要であり、受験者への周知期間も必要であることから、引き続き、知事部局の人事課や人事委員会事務局と調整していく。

 本件については、以上である。

(質疑)

(質疑なし)

 

(2)大河原商業高等学校及び柴田農林高等学校の閉校式について

(説明者:高校教育課長)

 「大河原商業高等学校及び柴田農林高等学校の閉校式について」御説明申し上げる。

 資料左側を御覧願いたい。

 「1 経緯」についてであるが、令和2年7月に発表した「第3期県立高校将来構想第1次実施計画」に基づき、南部地区の専門高校を再編し、令和5年4月に新たな職業教育拠点校である大河原産業高等学校を新設した。この再編により、大河原商業高等学校と柴田農林高等学校は、両校の全日制課程は令和5年度から、大河原商業高等学校の定時制課程は令和4年度から募集停止を行い、令和7年3月末をもって閉校する運びとなった。

 大河原商業高等学校は、大正11年の開校以来、仙南唯一の商業教育の拠点として、柴田農林高等学校は、明治41年の開校以来、農業教育の拠点として、長い歴史と伝統を有し、多くの有為な人材を輩出するとともに、地域に根ざした取組を積極的に続けてきたところである。

 次に、「2 閉校式の実施」についてであるが、3月1日土曜日、各校体育館を会場に開催される卒業式に引き続き、これまで御支援いただいた地域の方々や、同窓会、PTA関係者に御出席いただき、資料に記載の時間にて、閉校式を実施することとしている。

 各校の沿革については、資料右側の「3 沿革」に記載のとおりである。

 なお、教育委員の皆様にも両校の閉校式について、既に御案内しているが、お時間が許したら、御出席いただけると幸いである。

 本件については、以上である。

(質疑)

(質疑なし)

 

(3)令和8年度県立特別支援学校高等部・高等学園入学者選考の日程について

(説明者:特別支援教育課長)

 「令和8年度県立特別支援学校高等部・高等学園入学者選考の日程について」御説明申し上げる。

 はじめに、特別支援学校高等部・高等学園の入学者選考の日程を変更する目的と現状について御説明申し上げる。

 資料左側を御覧願いたい。まず、日程変更の目的であるが、知的障害のある生徒の進路希望の実現と適正な就学を図ることを目的としている。

 次に、現状であるが、知的障害の高等部と高等学園の第一次募集選考日については、同じ日に実施しており、令和7年度入学者選考においても1月16日に行った。現状であると、高等学園を不合格になった生徒は、定員に満たなかった高等学園と知的障害高等部の二次選考を受検することができるが、二次選考を実施する学校が不確定なため、高等学園の受検を躊躇してしまうケースがある。そのため、軽度の知的障害のある生徒が、より実態に合った高等学園を選択しやすい入学者選考の在り方が必要であることから、日程の変更をするものである。

 3具体的な変更日程の内容であるが、高等学園の一次選考、二次選考と合格発表を実施した後に、知的障害高等部の一次選考を実施するように日程を変更する。表を御覧願いたい。令和7年12月10日に高等学園一次選考を実施し、その後、1月13日の高等学園二次合格発表が終了してから、1月15日に知的障害高等部一次選考を行う。

 こうすることにより、万が一、高等学園を不合格になっても、高等部の一次選考を受検することが可能となり、安心して適正な進路選択ができるようになるものと考えている。

 資料右側を御覧願いたい。「4 これまでの経過と今後の予定」であるが、令和6年3月に県立特別支援学校高等部・高等学園入学者選考に関する検討委員会を設置し、入学者選考の課題や今後の方向性を検討した。その検討結果を8月の第1回県特別支援教育将来構想審議会において御報告した後に、各教育事務所、全ての市町村教育委員会に趣旨を含めて説明するとともに、中学校に対しても説明する取組を重ねてきた。

 今後の進め方については、県立高等学校、特別支援学校へ説明を行った上で、各中学校へ周知していく。

 以上が、知的障害高等部・高等学園入学者選考の日程についてである。

 今後も知的障害高等部、高等学園に入学する生徒がそれぞれの実態に応じて適正な就学ができるよう進めていく。

 本件については、以上である。

(質疑)

鳩原委員

 

 

 

 

 

       特別支援教育課長

 

 高等学園の二次選考後に特別支援学校高等部の選考が行われるよう日程が変更されるとの御説明であった。これにより安心して受検を迎える子ども達が増えるものと認識している。高等学園と知的障害の高等部では教育課程が大きく異なっており、高等学園の場合には基本的には障害者枠ではあるが就職を目指す教育課程となっており、知的障害の高等部の場合には社会的自立を目指すことが大きな目標となっている。このように内容が大きく異なるものなので、中学校の進路指導の充実という点についてもこの機会に更に進められると良いと思う。

 子ども達が安心して受検を迎えられるだけではなく、中学校の進路指導の充実といった意味でも今回の変更は重要なものであると認識している。昨年10月と12月にそれぞれオンライン説明会を開催し、また10月には県庁の講堂で中学1,2年生と保護者を対象に高等学園の合同説明会を開催したところである。この説明会には公立の高等学園のほか、私立2校にも参加いただき、それぞれの学校のブースで直接お伝えしていただいたところである。

 

13 資料(配布のみ)

(1)教育庁関連情報一覧

(2)令和8年度宮城県公立学校教員採用候補者大学推薦による大学3年生特別選考の実施概要

(3)令和7年度県立中学校入学者選抜の結果について

(4)令和7年度宮城県公立高等学校入学者選抜に係る出願希望調査について

 

14 次回教育委員会の開催日程について

佐藤教育長

 次回の定例会は、令和7年3月18日(火曜日)午後1時30分から開会する。


15 閉会 午後3時32分

お問い合わせ先

総務課総務班

宮城県仙台市青葉区本町三丁目8-1宮城県庁 16階

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