掲載日:2024年9月24日

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第984回教育委員会会議録(令和8月分)

1 招集日時 令和6年8月7日(水)午後1時30分

2 招集場所 教育委員会会議室

3 出 席 者 佐藤教育長、千木良委員、小川委員、佐浦委員、鳩原委員

4 説明のため出席した者

佐藤副教育長、千葉副教育長、遠藤副教育長、鎌田総務課長、熊谷教育企画室長、片岡福利課長、工藤教職員課長、本田義務教育課長、菊田高校教育課長、高橋高校教育課教育改革担当課長、菊田高校財務・就学支援室長、山内特別支援教育課長、安倍施設整備課長、大宮司保健体育安全課長、佐藤生涯学習課長、高橋文化財課長 外

5 開会 午後1時30分

6 第983回教育委員会会議録の承認について

佐藤教育長

(委員全員に諮って)承認する。

7 第984回宮城県教育委員会定例会会議録署名委員の指名、議事日程について

佐藤教育長

千木良委員及び鳩原委員を指名する。

本日の議事日程は、配布資料のとおり。

8 秘密会の決定

 5 議事

第3号議案 高等学校入学者選抜審議会専門委員の人事について

佐藤教育長

「5 議事」の第3号議案については、不開示情報等が含まれているため、その審議等については秘密会としてよろしいか。

(委員全員に諮って)この審議等については、秘密会とする。

秘密会とする案件については、「8 次回教育委員会開催日程」の決定後に審議等を行うこととしてよろしいか。

(委員全員異議なし)

※ 会議録は別紙のとおり(秘密会のため非公開)

9 議事

第1号議案 第2期宮城県教育振興基本計画に係る令和5年度執行状況の点検・評価について

(説明者:佐藤副教育長)

第1号議案について、御説明申し上げる。

はじめに、資料左側を御覧願いたい。

「第2期宮城県教育振興基本計画に係る点検及び評価」については、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第26条第1項の規定に基づき実施しているものであり、教育に関する事務の管理及び執行の状況について、毎年、点検及び評価を行うとともに、その結果に関する報告書を作成し、議会に報告することとされている。

このたび、令和5年度における状況について、別冊のとおり「第2期宮城県教育振興基本計画の点検及び評価に関する報告書」を取りまとめたので、審議をお願いするものである。

次に、資料1左側を御覧願いたい。

1の「点検・評価の趣旨」については、先ほど御説明したとおりである。

2の「点検・評価方法等」については、「第2期宮城県教育振興基本計画第2次アクションプラン」に掲載している令和5年度事業の点検を行い、その評価の中で、計画に掲げる10の基本方向と35の取組の成果を明らかにするとともに、課題等を分析し、今後の対応の方向性を示すものである。

3の「第2期宮城県教育振興基本計画の点検及び評価結果一覧」については、右側を御覧願いたい。

10の基本方向について、「第2期宮城県教育振興基本計画第2次アクションプラン」の期間となる令和3年度から令和5年度までの評価結果一覧になる。基本方向評価の判定区分及び判定基準は、「順調」、「概ね順調」、「やや遅れている」、「遅れている」の4段階で評価となるが、今年度の点検・評価結果の案については、10の基本方向のうち、基本方向2「健やかな体の育成」及び基本方向3「確かな学力の育成」を「やや遅れている」と評価しており、その他の8つの基本方向を「概ね順調」と評価している。また、基本方向1「豊かな人間性と社会性の育成」及び基本方向10「生涯にわたる学習・文化芸術・スポーツ活動の推進」は、昨年度の「やや遅れている」から今年度は「概ね順調」と評価している。

今回の点検・評価の結果を踏まえ、本県教育の更なる発展に向けて、各種教育施策の一層の推進に取り組んでいきたいと考えている。

なお、点検・評価の理由については、教育企画室長から説明する。

 

(説明者:教育企画室長)

私からは、10の「基本方向」のうち、「やや遅れている」と評価した2つの基本方向と、昨年度「やや遅れている」から今年度「概ね順調」と評価した2つの基本方向の計4つについて、資料2に基づき、その理由を御説明申し上げる。

各基本方向には、特に力を入れて取り組んでいく16の「重点的取組」があり、重点的取組の評価などを総合的に勘案して基本方向の評価を行っている。重点的取組評価の判定区分及び判定基準についても、基本方向と同様に「順調」「概ね順調」「やや遅れている」「遅れている」の4段階で評価している。

基本方向1については、3つの重点的取組すべてを「概ね順調」と評価している。共に学ぶ教育環境の整備が図られ、不登校児童生徒のうち学習支援を受けている割合が増加するなど、多様なニーズに応じた体制整備が進んでおり着実に成果が見られたことから、全体として「概ね順調」と評価した。

次に、基本方向2については、重点的取組を「やや遅れている」と評価しており、体力・運動能力調査において、5年ぶりに全ての調査対象の体力合計点が前年度を上回ったものの、中学2年生男子以外は依然として全国平均に達していないため、各取組について今後一層の推進を図る必要があることなどから、基本方向全体についても「やや遅れている」と評価した。

次に、基本方向3についても、重点的取組を「やや遅れている」と評価しており、全国学力・学習状況調査の結果で正答率が全国平均を下回っているほか、家庭学習時間が減少するなど、基礎的・基本的な知識・技能の確実な習得にやや遅れが見られたことなどから、基本方向全体についても「やや遅れている」と評価した。

次に、基本方向10については、2つの重点的取組のうち1つを「概ね順調」、1つを「やや遅れている」と評価しているが、総合型地域スポーツクラブの市町村における育成率は横ばいであるものの、コロナの5類移行により生涯学習の機会が回復したことに加え、生涯学習情報の提供の充実など一定の成果が見られたことから、全体として「概ね順調」と評価した。

続いて、別冊 報告書案について御説明申し上げる。

点検・評価の実施に当たっては、法律の規定により、学識経験者の知見を活用することとなっているため、各基本方向について、学識経験者から評価の妥当性などについて御意見をいただき、「学識経験者の意見」に記載するとともに、その下には「意見に対する今後の対応方針」を記載している。

なお、評価結果と目標指標の全体像については資料3に、目標指標の推移については資料4に、10の基本方向と16の重点的取組の具体的な評価内容については、別冊の報告書案に記載している。

以上、よろしく御審議のほどをお願い申し上げる。

(質疑)

小川委員

 

 

 

 

教育企画室長

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


小川委員

 

 

 

 

鳩原委員

 

 

 

 

 

 

 

佐藤教育長

 

 施策の基本方向「1 豊かな人間性と社会性の育成」と「10 生涯にわたる学習・文化芸術・スポーツ活動の推進」の評価が「やや遅れている」から「概ね順調」に変わっている。一方、基本方向「2 健やかな体の育成」と「3 確かな学力の育成」の判定は「やや遅れている」のままである。これらの評価の根拠を報告書5ページの数値をもとに御説明いただきたい。

 「1 豊かな人間性と社会性の育成」について、前年度と評価が変わっているのは、「いじめ・不登校等への対応、心のケアの充実」の取組についてである。このうち、「不登校児童生徒のうち学習支援を受けている児童生徒の割合(中学生)」は昨年度の達成度はAであったが、今年度はBとしており、「「学校は楽しいと思う」と答えた児童生徒の割合(小学5年生)」は昨年度の達成度はDであったが、今年度はCとなっている。

 個々の目標指標に対する達成度は下落しているものもあるが、資料4のとおり達成度を経年で見ると改善傾向にあるため、今年度の評価は「概ね順調」としたものである。

 「10 生涯にわたる学習・文化芸術・スポーツ活動の推進」について、「誰もがいつでも学ぶことができる環境の充実」の達成度がDからCに変化しており、一定の成果が認められるため、評価を「やや遅れている」から「概ね順調」と変更している。

 一方、「2 健やかな体の育成」については、全ての指標の達成度に変化がないため、評価を「やや遅れている」のままとしている。

また、「3 確かな学力の育成」についても、「児童生徒の家庭での学習時間(中学校3年生:1時間以上の生徒の割合)」の達成度がCからDに変化した以外の変化はないため、昨年度と同様「やや遅れている」の評価としている。

 評価の記載方法についてだが、環境改善の部分とそれらの取組による学力や体力の実質的な成果等を別けて記載した方がよいのではないか。環境整備は進んだが、学力等の実質的な成果は挙がっていないとの説明であったと受け止めた。これらを一括りにして「概ね順調」や「やや遅れている」と評価されても、具体的に何ができていて、何が課題であるのかが、いまいち見えてこない。今後、記載方法等を工夫してもらえるとありがたい。

 重点的取組3の「いじめ・不登校への対応、心のケアの充実」の目標指標として、「不登校児童生徒のうち学習支援を受けている児童生徒の割合」と「「学校は楽しいと思う」と答えた児童生徒の割合」とがあるが、学習支援を受け、勉強が分かるようになってきたから学校が楽しいのか、取組から成果が現れるまで一定の時間を要するものもあろうかと思われる。今回の点検や評価はそういったタイムラグも考慮されての評価となっているのか。年度単位で評価できるものだけではないのではないか、と感じている。成果があがるまで時間を要するものをしっかり分析し、長期的な目標に対して、順調に成果があがっているのか、それとも思ったよりも成果があがっていないのか、そういった視点での評価もあると、より意義のある評価になると思われる。

 (委員に諮って)事務局案のとおり可決する。

 

第2号議案 令和7年度使用宮城県立中学校教科用図書の採択について

(説明者:遠藤副教育長)

第2号議案について、御説明申し上げる。

教科書の採択は、教科書が教科の主たる教材として学校教育において重要な役割を果たしていることに鑑み、教育委員会の判断と責任により、綿密な調査研究に基づき、適切に行われる必要がある。また、採択教科書の決定に当たっては、採択権者の責任を明確にし、採択手続の適正化に努める必要がある。

資料右側を御覧願いたい。「1 今年度の採択の流れ」については御覧のとおりである。県教育委員会では、教科書の採択に係る「基本方針」、「採択基準」、「選定資料」等について、学校関係者、保護者代表、有識者等からなる「教科用図書選定審議会」に諮問し、答申を受け、方針等について決定した。その後、各委員には、教科書の見本本をお届けし、個別に教科書の内容について調査研究を進めていただいていた。また、古川黎明、仙台二華の両中学校では「教科用図書選定調査委員会」を設置し、全ての教科書について調査研究を行い、学校ごとに「教科書調査研究報告書」を作成し、県教育委員会に報告されている。県教育委員会では、県の指導主事や外部有識者、保護者代表からなる「教科書採択に係る審査委員会」を設置し、県立中学校が行った調査研究内容について、審査を行ったところである。

本日は、委員の皆様に行っていただいた調査研究を踏まえ、審査委員会でまとめた「審査結果報告書」をもとに、幅広い観点から御意見をいただき、議論を深め、令和7年度に使用する県立中学校の教科書採択をお願いしたいと考えている。

詳細については、7月24日に行われた審査委員会の審査報告も含めて、高校教育課長から説明する。

 

(説明者:高校教育課長)

詳細について、御説明申し上げる。

各中学校においては、教育委員会6月定例会で報告した令和7年度使用教科用図書に係る「基本方針」及び「採択基準」に基づき、各中学校の教育目標等の特色を踏まえ、育成したい生徒像を念頭に、県教育委員会で作成した「選定資料」等も活用しながら、「採択基準」で示された4つの項目について、それぞれ5つの観点から、教科ごとにすべての教科書について調査研究を行い、それぞれの教科書を評価した結果を、「調査研究報告書」にまとめて提出していただいた。各中学校から提出された「調査研究報告書」の内容については、各教科担当指導主事のほか、外部有識者及びPTA等の外部委員にも参加いただきながら、7月24日に「県立中学校の教科書採択に係る審査委員会」を開催し、各中学校の調査研究結果の妥当性を審査し、「審査結果報告書」にまとめた。

まず、はじめに、「審査結果報告書」について、御説明申し上げる。

「審査委員会」では、各教科担当指導主事が事前審査結果を報告した後、外部委員の方々から御意見をいただきながら、教科ごと丁寧に審査した。その結果、資料右側にあるとおり、各種目とも中学校の調査研究報告書の評価については妥当であると審査されている。また、外部委員からは、不断の調査研究の必要性についても御助言をいただいたところである。教科書の調査研究及び使用教科書の選定については、両校の教育目標等の特色も十分に考慮する必要があるので、御覧のとおり、資料左側に古川黎明中学校、右側に仙台二華中学校の特色について掲載している。両校に共通する部分は赤字で、各校の特色が表れている部分は下線でお示ししている。両校ともに、国際社会に貢献できるような人材育成を目指し、英語を用いたコミュニケーション能力や課題解決能力の育成に力を入れている。特に古川黎明中学校では、資料左側の中段以降にあるように、併設高校がスーパーサイエンスハイスクールの指定校であることから、学びの土台をつくる読解力等の言語能力を鍛え、発表力や情報発信力、数学の論理的思考力、探究スキルの育成につながる学習活動に積極的に取り組んでいる。

資料右側、仙台二華中学校では、併設高校が国際バカロレアの認定を受けていることもあり、論述や発表活動等、習得した知識や技能を活用できる確かな言語能力や科学的なものの見方を育成し、異文化について理解を深め、国際的な視野を広げる学習活動に積極的に取り組んでいる。こういった教育目標等の特徴を踏まえ、それぞれが育成したい生徒像を念頭に、各中学校では教科書の調査研究を行ったところである。

続いて「5 審査結果報告書の見方について」説明する。

それぞれの教科書について、「採択基準」で示された大項目4つを、さらに小項目5つに分けて、20の観点から評価しており、大項目ごとに5つの観点をまとめたものを各大項目の総合評価としている。評価は4段階で、「大いに評価できる」を「◎」、「評価できる」を「○」、「やや不十分である」を「△」、「不十分である」を「×」で示している。各中学校が、どの教科書を最も高く評価し、使用を希望しているかについては、資料右側の②に記載のとおり、4項目の総合評価が最も高く、かつ、20観点での評価についても最も高い教科書である。例えば、御覧いただいている古川黎明中学校の国語の表では、左端の「東書」と右端の「光村」の総合評価の欄、黄色セルの部分であるが、4つ全てに二重丸がついており、高評価であることが分かる。次に、この2者の教科書を、オレンジ色の部分の二重丸が多いのは「光村」のほうであることから、古川黎明中学校が最も高い評価をつけ、使用を希望しているのは「光村」であることが読み取れる。

委員の皆様にはこの後、国語から1教科ずつ、慎重に御審議いただくようお願い申し上げる。

資料の説明については、以上である。

佐藤教育長

審議の進め方について、まず事務局から各中学校の教科書調査研究において、高評価であった教科書について、その理由等も含めて説明する。

次に、その説明を踏まえて、委員自身が行われた教科書の調査研究や各中学校の教育目標、県立中学校の在るべき姿なども踏まえ、幅広い観点から意見をいただき、審議を進めることとしたい。

なお、審議は国語から順に1教科ずつ行い、最後に一括して採択することとしたい。

(委員全員異議なし)

(説明者:高校教育課長)

では、「国語」についてである。

資料左側、古川黎明中学校は、4項目の総合評価の◎の数では「東書」と「光村」とが並んでいるが、20観点の◎の数で見ると、「東書」が「15」で、「光村」が「16」となっており、「光村図書出版」を最も高く評価している。右側、仙台二華中学校は、4項目の総合評価及び20観点ともに◎の数が最も多い「光村図書出版」を最も高く評価している。古川黎明は、日本語の感性を磨き、発表活動や国内外の交流活動で重視される言語能力の育成という点から、「光村図書出版」を、仙台二華は、多角的な視野から考察し、身に付けた言語能力で豊かに表現するなど学びを深められるという点から、同じく「光村図書出版」を高評価としている。

(質疑)

佐藤教育長

(質疑なし)

(委員全員に諮って)それでは、「国語」については、古川黎明中、仙台二華中ともに「光村図書出版」とする。

(説明者:高校教育課長)

「書写」についてである。

左側、古川黎明中学校は、総合評価の◎の数では「東書」と「光村」とが並んでいるが、20観点の◎の数で見ると、「光村図書出版」が「17」と多く、最も高く評価している。右側、仙台二華中学校は、4項目の総合評価及び20観点ともに◎の数が最も多い「東京書籍」を最も高く評価している。古川黎明は、他教科や総合的な学習の時間、日常生活で生かせるような構成になっているという点から、「光村図書出版」を、仙台二華は、歴史的・文化的な資料によって幅広い教養を養うことができるという点から、「東京書籍」を高評価としている。

(質疑)

佐藤教育長

(質疑なし)

(委員全員に諮って)それでは、「書写」については、古川黎明中は「光村図書出版」、仙台二華中は「東京書籍」とする。

(説明者:高校教育課長)

「社会 地理的分野」についてである。

左側、古川黎明中学校は、総合評価では「東書」、「帝国」、「日文」が並んでいるが、20観点では、「帝国書院」が「15」と、最も高く評価している。右側、仙台二華中学校は、4項目の総合評価及び20観点ともに「東京書籍」を最も高く評価している。古川黎明は、論理的な思考力、表現力、判断力を高められるという点から、「帝国書院」を、仙台二華は、主体的で創造的に学ぶ生徒の育成という点から、「東京書籍」を高評価としている。

(質疑)

佐藤教育長

(質疑なし)

(委員全員に諮って)それでは、「社会 地理的分野」については、古川黎明中は「帝国書院」、仙台二華中は「東京書籍」とする。

(説明者:高校教育課長)

「社会 歴史的分野」についてである。

左側、古川黎明中学校は、総合評価の◎の数では「帝国」と「育鵬社」とが並び、右側、仙台二華中学校では、「教出」、「山川」、「育鵬社」とが並んでいるが、20観点の◎の数で見ると、両校とも「育鵬社」を最も高く評価している。古川黎明は、探究的学び、物事を多面的・多角的に考察する力の育成という点から、「育鵬社」を、仙台二華は、主体的に学ぶ生徒の育成やグローバルな人材育成という点から、「育鵬社」を高評価としている。

(質疑)

佐藤教育長

(質疑なし)

(委員全員に諮って)それでは、「社会 歴史的分野」については、古川黎明中、仙台二華中ともに「育鵬社」とする。

(説明者:高校教育課長)

「社会 公民的分野」についてである。

左側、古川黎明中学校は、総合評価の◎の数では「東書」と「帝国」とが並び、右側、仙台二華中学校では、「東書」、「教出」、「帝国」とが並んでいるが、20観点の◎の数で見ると、両校とも「帝国書院」を最も高く評価している。古川黎明は、学習内容を自分の言葉で説明して、主体的に学習を整理し、表現力を高めることができるという点から、「帝国書院」を、仙台二華は、物事を論理的に思考したり、学び合ったりすることで、グローバル社会に参画する力を育むという点から、「帝国書院」を高評価としている。

(質疑)

佐藤教育長

(質疑なし)

(委員全員に諮って)それでは、「社会 公民的分野」については、古川黎明中、仙台二華中ともに「帝国書院」とする。

(説明者:高校教育課長)

「社会 地図」についてである。

「地図」は両校とも「帝国書院」を最も高く評価している。古川黎明は、データ活用を通して各地域の特色が分かるとともに、学習課題が明確であるという点から、「帝国書院」を、仙台二華は、多くの資料やデータをもとに客観的に物事を考え、表現する力を育むという点から、「帝国書院」を高評価としている。

(質疑)

佐藤教育長

(質疑なし)

(委員全員に諮って)それでは、「社会 地図」については、古川黎明中、仙台二華中ともに「帝国書院」とする。

(説明者:高校教育課長)

「数学」についてである。

両校とも「数研出版」を最も高く評価している。古川黎明は、「気づき」を深め、知の創造に向かうイノベーション人材の育成という点から、「数研出版」を、仙台二華は、数学による多様な見方や考え方を身に付けさせ、正確な技能と数学的ものの見方を駆使した豊かな表現力を育むという点から、「数研出版」を高評価としている。

(質疑)

佐藤教育長

(質疑なし)

(委員全員に諮って)それでは、「数学」については、古川黎明中、仙台二華中ともに「数研出版」とする。

(説明者:高校教育課長)

「理科」についてである。

左側、古川黎明中学校は、「東京書籍」を、右側、仙台二華中学校は、「啓林館」を最も高く評価している。古川黎明は、生徒の気づきからはじまる探究の過程に沿った学習活動を通して探究のスキルを育成するという点から、「東京書籍」を、仙台二華は、中学校の基礎・基本と発展的内容のどちらも充実して盛り込まれ、日常生活や社会との関連を重視しているという点から、「啓林館」を高評価としている。

(質疑)

小川委員

 

高校教育課長

 

 

 

 

小川委員

 

高校教育課長

 

 

 

 

佐藤教育長

 

 採択に関する意見ではないが、理科の教科書の評価点が他教科に比べて低いように見受けられる。これには、何か要因があるのか。

 両校とも、課題を自ら見つけ、体験的な活動や探究活動を通じて科学的に物事を見る力と課題解決力を育成することに力をいれている学校である。また、中高一貫教育の中で高校の学習への円滑な接続も見据えている学校でもある。例えば古川黎明高校はSSHに指定されているが、中学校にも落とし込んで、そのような取組をしている。そういった意味では、両校の教員の教科書に求める水準が他教科に比べ高くなっているのではないかと考えている。

 事情はよく分かったが、そうすると教科書の位置づけはどうなるのだろうか。物足りない内容であるため、あまり使われなくなるのか。

 理科の授業としては、当然教科書を使いながら授業をする。そのほかに両校とも学校設定科目を設定しており、例えば古川黎明では中学校から高校まで一貫して体験学習や調べる学習を通して課題解決能力を育成するソフィアプランというプログラムを設定しており、また、仙台二華は実験学習、結論発表までの一連のサイクルを繰り返し、探求的な力を養う設定科目が準備されており、それらの中で理科の授業で養った知識や技能を活用することとなる。

(委員全員に諮って)それでは、「理科」については、古川黎明中は「東京書籍」、仙台二華中は「啓林館」とする。

(説明者:高校教育課長)

「音楽 一般」についてである。

左側、古川黎明中学校は「教育出版」を、右側、仙台二華中学校は「教育芸術社」を、それぞれ高く評価している。古川黎明は、基礎基本の内容から発展的内容、そこから得られる課題の解決を図る道筋が立てられるという点から、「教育出版」を、仙台二華は、我が国の伝統音楽や諸外国の音楽をバランス良く扱い、個人および他者を尊重する態度を養うという点から、「教育芸術社」を高評価としている。

(質疑)

佐藤教育長

(質疑なし)

(委員全員に諮って)それでは、「音楽 一般」については、古川黎明中は「教育出版」、仙台二華中は「教育芸術社」とする。

(説明者:高校教育課長)

「音楽 器楽合奏」についてである。

左側、古川黎明中学校は「教育出版」を、右側、仙台二華中学校は「教育芸術社」を、それぞれ高く評価している。古川黎明は、今日的課題に触れ、音楽を幅広い視点から見つめられるという点から、「教育出版」を、仙台二華は、生徒が興味・関心を持ち、課題意識を持って学習ができるという点から、「教育芸術社」を高評価としている。

(質疑)

佐藤教育長

(質疑なし)

(委員全員に諮って)それでは、「音楽 器楽合奏」については、古川黎明中は「教育出版」、仙台二華中は「教育芸術社」とする。

(説明者:高校教育課長)

「美術」についてである。

両校とも、「日本文教出版」を高く評価している。古川黎明は、「表現」と「鑑賞」を関連づけて指導できるよう配列に工夫がみられるという点から、「日本文教出版」を、仙台二華は、興味を引く参考作品が多く掲載されており、美術表現の技法を解説しているという点から、「日本文教出版」を高評価としている。

(質疑)

佐藤教育長

(質疑なし)

(委員全員に諮って)それでは、「美術」については、古川黎明中、仙台二華中ともに「日本文教出版」とする。

(説明者:高校教育課長)

「保健体育」についてである。

左側、古川黎明中学校は、総合評価の◎の数では「東書」、「大日本」、「大修館」、「学研」が並んでいるが、20観点の◎の数で見ると、「東京書籍」を、右側、仙台二華中学校では、「大修館書店」を最も高く評価している。古川黎明は、生徒の実生活や将来につなげられるような内容になっているという点から、「東京書籍」を、仙台二華は、生徒が主体的に学べる工夫がなされているという点から、「大修館書店」を高評価としている。

(質疑)

佐藤教育長

(質疑なし)

(委員全員に諮って)それでは、「保健体育」については、古川黎明中は「東京書籍」、仙台二華中は「大修館書店」とする。

(説明者:高校教育課長)

「技術・家庭 技術分野」についてである。

左側、古川黎明中学校は「開隆堂出版」を、右側、仙台二華中学校は「東京書籍」を、最も高く評価している。古川黎明は、豊富な資料があることで自分の考えを深めながら、学習の発展が図れるという点から、「開隆堂出版」を、仙台二華は、知的好奇心をくすぐり、幅広い事例を取り上げ、科学的な理解をより深められるという点から、「東京書籍」を高評価としている。

(質疑)

千木良委員

 

高校教育課長

 

佐藤教育長

 

 保健体育と技術・家庭の評価に差があると感じたが、学校や科目ごとに何か指標があるのか。

 それぞれの学校で教科書選定委員会を立ち上げ、その中でそれぞれの学校の教員が各校の教育や目標等を踏まえながら適切に評価している。

(委員全員に諮って)それでは、「技術・家庭 技術分野」については、古川黎明中は「開隆堂出版」、仙台二華中は「東京書籍」とする。

(説明者:高校教育課長)

「技術・家庭 家庭分野」についてである。

左側、古川黎明中学校は、「東京書籍」を、右側、仙台二華中学校でも、総合評価の◎の数では「東書」、「教図」、「開隆堂」が並んでいるが、20観点の◎の数で見ると、「東京書籍」を最も高く評価している。古川黎明は、生徒個々の興味関心に応じて学習が深められ、発展的な学習にも対応できるという点から、「東京書籍」を、仙台二華は、生徒が実生活で活用しようとする意欲を高められる実習例が多く取り入れられているという点から、「東京書籍」を高評価としている。

(質疑)

佐藤教育長

(質疑なし)

(委員全員に諮って)それでは、「技術・家庭 家庭分野」については、古川黎明中、仙台二華中ともに「東京書籍」とする。

(説明者:高校教育課長)

「外国語 英語」についてである。

左側、古川黎明中学校は、総合評価の◎の数では「開隆堂」、「三省堂」、「光村」が並んでいるが、20観点の◎の数で見ると、「光村図書出版」を、右側、仙台二華中学校でも、「光村図書出版」を最も高く評価している。古川黎明は、基礎的な内容から発展的な内容まで幅広い内容を取り扱っているという点から、「光村図書出版」を、仙台二華は、基本的な内容から発展的・応用的な活動までを段階を踏んで取り組めるという点から、「光村図書出版」を高評価としている。

(質疑)

小川委員

 

 

 

高校教育課長

 

 

 

佐藤教育長

 

 これも選定に関する意見ではないが、教科書を手に取り、重たいなと感じた。体も十分に成長していない中学校1年生の子がこんなに重たい教科書を持ち、最近ではタブレットも持ち歩く。こんなに丈夫で上質な紙を使う必要があるのか。もう少しコンパクトにまとまっていても良いのではないか。

 最近だとデジタル教科書もだいぶ普及してきているので、学校でもそういったツールを活用することも考慮しながら、今回の教科書選定を選定したものと思われるが、選定の観点に「軽さ」は盛り込まれていないため、学校としてはあくまで、内容で選定したものと認識している。

(委員全員に諮って)「外国語 英語」については、古川黎明中、仙台二華中ともに「光村図書出版」とする。

(説明者:高校教育課長)

「特別の教科 道徳」についてである。

左側、古川黎明中学校は、総合評価の◎の数では「東書」、「教出」、「光村」、「あか図」が並んでいるが、20観点の◎の数で見ると、「東京書籍」を、右側、仙台二華中学校では、「日本文教出版」を最も高く評価している。古川黎明は、1つの題材を様々なワークシートの様式で考えさせることができ、より身近な場面から生徒の考えをより深めることにつなげられるという点から、「東京書籍」を、仙台二華は、自分事として考えるきっかけとなる資料が多く、発展的な学習を展開することが可能な資料がより多く選定されているという点から、「日本文教出版」を高評価としている。

(質疑)

鳩原委員

 

 

 

小川委員

 

佐藤教育長

 

 全教科に通ずる感想となるが、両校にはそれぞれ多様な生徒が在籍しており、中には学習面以外で支援が必要な生徒も在籍している。学校で理想、目標とする生徒像のみを追いかけて教科書を選定することなく、今現在在籍している生徒の実情も踏まえた上で、教科書を選定されたものと感じた。

 鳩原委員と同じことを考えていた。学校の教育方針等はもちろん大切なことだと思うが、毎年在籍する生徒は変わるため、生徒の実情に合った教科書を使用することが大切だと思う。

(委員全員に諮って)それでは、「特別の教科 道徳」については、古川黎明中は「東京書籍」、仙台二華中は「日本文教出版」とする。

(説明者:高校教育課長)

なお、道徳については、3年間の学習内容の連続性に配慮した措置として、今回、新たに採択した教科書を1学年でのみ使用し、2、3学年については、これまで使用している教科書発行者の新版の教科書を使用することが原則となっている。ただし、採択権者が特に必要性を認める場合、2、3学年について、採択替えをした発行者の新版教科書を使用することも可能となっている。

御審議いただいた結果、現在使用している発行者から採択替えとなった場合、原則どおり、2、3学年はこれまで使用している教科書発行者の新版教科書を使用することでよろしいか、御意見をいただきたい。

なお、古川黎明中、仙台二華中ともに、原則どおり、2、3学年はこれまで使用している発行者の新版教科書を使用することを希望している。

(質疑)

小川委員

 

高校教育課

佐藤教育長

 

 こちらについても、生徒の実情を考慮しての判断と理解してよろしいか。

 そのように、御理解いただきたい。

(委員全員に諮って)それでは、2、3学年については、原則どおり現在使用している発行者の新版教科書を使用することとする。

(説明者:高校教育課長)

「数学Ⅰ」についてである。

これは高等学校の科目であり、併設型中学校における中高一貫教育の特例を用いて、仙台二華中学校からのみ提出されている。これまで学んできたことを体系的な知識として整理することができるようになっており、主体的に取り組めるように工夫されているという点から、「東京書籍 数学Ⅰ Advanced」を高く評価している。

(質疑)

(質疑なし)

(委員全員に諮って)それでは、仙台二華中の「数学Ⅰ」については、「東京書籍(数学Ⅰ Advanced)」とする

 (休 憩)

佐藤教育長

それでは、採択に入る。先程審議した内容は机上に配布した資料のとおり、

「国語」は、古川黎明中、仙台二華中ともに「光村図書出版」、

「書写」は、古川黎明中は「光村図書出版」、仙台二華中は「東京書籍」、

「社会 地理的分野」は、古川黎明中は「帝国書院」、仙台二華中は「東京書籍」、

「社会 歴史的分野」は、古川黎明中、仙台二華中ともに「育鵬社」、

「社会 公民的分野」は、古川黎明中、仙台二華中ともに「帝国書院」、

「社会 地図」は、古川黎明中、仙台二華中ともに「帝国書院」、

「数学」は、古川黎明中、仙台二華中ともに「数研出版」、

「理科」は、古川黎明中は「東京書籍」、仙台二華中は「啓林館」、

「音楽 一般」は、古川黎明中は「教育出版」、仙台二華中は「教育芸術社」、

「音楽 器楽合奏」は、古川黎明中は「教育出版」、仙台二華中は「教育芸術社」、

「美術」は、古川黎明中、仙台二華中ともに「日本文教出版」、

「保健体育」は、古川黎明中は「東京書籍」、仙台二華中は「大修館書店」、

「技術・家庭 技術分野」は、古川黎明中は「開隆堂出版」、仙台二華中は「東京書籍」、

「技術・家庭 家庭分野」は、古川黎明中、仙台二華中ともに「東京書籍」、

「外国語 英語」は、古川黎明中、仙台二華中ともに「光村図書出版」、

「道徳」は、古川黎明中は「東京書籍」、仙台二華中は「日本文教出版」、

仙台二華中の「数学Ⅰ」は、「東京書籍(数学Ⅰ Advanced)」である。

(全員に諮って)ただいまの内容のとおり、採択する。

10 課長報告

(1)令和6年度全国学力・学習状況調査結果について

(説明者:義務教育課長)

文部科学省から公表された「令和6年度全国学力・学習状況調査結果について」御説明申し上げる。

この調査は、義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国の小学6年生と中学3年生を対象に毎年4月に行うもので、7月29日にその結果が公表された。

資料左側「1 調査の目的」から「3 調査対象」までは、記載のとおりとなる。

資料右側「4 調査結果の概要」であるが、表にある「宮城県平均正答率」の数値は、仙台市を除いたものである。本年度は、国語と算数・数学の実施となっている。

(1)教科に関する調査の結果、一つ目の表は、小学校についてである。

宮城県の正答率と全国とを比べると、国語が3ポイント、算数は6ポイント下回る結果となっている。国語、算数ともに、昨年度より1ポイント全国との差が広がった。

次に、中学校の状況について、二つ目の表を御覧願いたい。

全国とは、国語が3ポイント、数学が7ポイント下回っている。国語は、昨年度より差が1ポイント広がり、数学は同じ差となった。

次に資料左側の表は、平均正答率について、過去3年間の調査を経年比較でまとめたものである。

続いて、資料右側を御覧願いたい。

(2)質問紙調査の結果である。ここでは、主な項目について説明する。

まず、児童生徒を対象に行われた児童生徒質問紙調査についての結果である。

自分には、よいところがあると回答した割合は、小・中学生ともに全国値を下回っている。また、困りごとや不安があるときに先生や学校にいる大人にいつでも相談できると回答した割合は、小・中学生ともに全国値を下回っている。学習面では、「学校の授業以外、平日に一日どのくらいの時間、勉強をするか」の問いに「2時間以上」と回答した割合は、小学生で15.5%、中学生で21.4%となっており、小・中学生ともに全国値を下回っている。ICT機器の活用については、週3回以上使用したと回答した割合は、小・中学生ともに全国値を上回っている。各教科で学んだことを生かしながら、自分の考えをまとめる活動を行ったと回答した割合と、授業で学んだことを、次の学習や実生活に結びつけて考えたり生かしたりしていると回答した割合は、小・中学生ともに全国値を上回っている。国語の勉強が好きだと回答した割合と理科の勉強が好きだと回答した割合は、小・中学生ともに全国値を上回っているが、算数の勉強が好きだと回答した割合は、小学生で全国値を下回っている。

次に、資料左側は、学校における教育活動等を確認するために行われた学校質問紙調査についての結果である。

授業中の私語が少なく落ち着いていると回答した学校の割合は、小中学校ともに全国値を下回っている。また、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによる教育相談に関して、児童生徒が相談したい時に相談できる体制となっていると回答した学校の割合は、小中学校ともに全国値を上回っている。学習面については、「主体的・対話的で深い学びの視点による学習指導の改善」に関する質問で、小中学校ともに全国値とのかい離が大きい項目が見られる。また、教科の指導方法に関する質問では、中学校で全国値を下回る項目が多くなっており、授業改善については課題が見られる。ICT機器の活用については、中学校で全国値を大きく上回っている。

続いて資料右側を御覧願いたい。本年度の調査結果を踏まえた、「5 今後の対応」である。

宮城県教育委員会では、これまで、宮城県検証改善委員会、学力向上マネジメント支援事業、市町村教育委員会との連携による学校サポート事業の実施等により学力向上対策に力を入れてきた。また、昨年度学力向上緊急プロジェクトチームを立ち上げ、授業公開を行い、研修動画を作成した。今年度は、各教育事務所、総合教育センターでの研修で活用し、各学校での授業改善の推進を図っている。

今回の結果を受け止め、今後も、市町村教育委員会と課題意識の共有を図りながら、学力向上に向けた教育活動の改善と充実を目指していきたいと考えている。

本件については、以上である。

(質疑)

鳩原委員

 

 

義務教育課長

 

 

 

 

鳩原委員

 

 

義務教育課長

 

 

 

千木良委員

 

 

 

 

 

 

義務教育課長

 

 

 

 

 

 

 

小川委員

 

 

 

 

 

義務教育課長

 

 

 

 

 

 

佐浦委員

 

 

 

 

 

義務教育課長

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鳩原委員

 

 

 

 

 

 

 

 

義務教育課長

 

 全国平均との比較がなされているが、国語、算数、数学ともに全国平均とは若干かい離している。算数、数学の中には、日本語を正しく理解しなければ答えが導き出せない問題もあるが、国語力とそれらの問題との関係性について、分析はされているか。

 詳細の分析はまだできていないが、算数について、単純な計算問題はできるが、それが文章問題となった場合にできていないことが多い。例えば今回の問題では足し算で「少ない」といった言葉が使われていたが、その言葉だけで引き算と判断し、間違えるということもあった。そういった意味でも単なる計算だけではなく、足し算や引き算の意味も含めて、しっかりと指導する必要があると感じた。

 例えば発達障害の児童生徒の場合には、言葉を一つの意味で捉えてしまうこともあり、文章を正確に理解することが難しい場合もある。単純に算数、数学を丁寧にやるだけではなく、言葉を正しく理解することができるような指導が必要と思われる。

 今、子ども達に求められている資質能力は読解力だと思われる。その力が計算力等にも影響を及ぼすものと考えている。今後、研修改善委員会が開催されるため、そのあたりの日本語と算数との関係性も視点にいれながら、結果を分析し、対策を検討してまいりたい。

 鳩原委員が仰ったとおり、低学年であればあるほど言葉のみでは理解が難しいタイプの子どもがいる。非常に顕著な場合にはなるべく早く、支援者がその情報をキャッチする必要があるのではないかと感じている。また、学校紙調査では「「主体的・対話的で深い学びの視点による学習指導の改善」に関する質問では、小・中学校ともに全国値とのかい離が大きい項目が見られる。」や「教科の指導方法に関する質問では、中学校では全国値を下回る項目が多い。」との結果となっているが、これらの結果と子ども達の回答状況がどういう関係性にあるのかという点を分析する必要があるのではないか。

 算数、数学について、全国との差が縮まらない状況が数年続いている。また、「算数が好きだ」という回答が低くなっている状況もある。算数は低学年からの積み重ねが大事な教科であり、継続性を踏まえながら丁寧に指導していけるよう、現場に働きかけてまいりたい。

 「主体的・対話的で深い学びの視点」については、グループ学習であったり、自分の興味関心に向かい、主体的に学習することが大事となってくるが、いまだに黒板に板書して、教科書を中心とした一斉授業をしている教員もいる。一方、素晴らしい授業をしている教員や学校もあるので、そういった好事例を水平展開できるよう、進めてまいりたい。

 その学年で学ぶべき内容が身に付いていないのか、それとも下の学年で身につけるべき内容が身に付いていないのか、を教えていただきたい。一斉授業をしていると、一年前の積み残しにさらに積み残しが上乗せされる形となる。そこが個別最適化の授業となれば、理解が不十分な部分を再度学習し、皆に追いつくことができるなど、授業改善の方法も色々あるので、学習遅延の部分をもう少し詳細に分析される必要があるのではないかと思うが、そのような分析は可能か。

 学力向上マネジメント支援事業といったものがあり、各市町村で4月と12月に標準検査を行い、4月の時点で子ども達がどこでつまずいているのかを一人一人分析し、その分析に対応しながら授業を構成し、12月の段階でどれだけ伸びたか、あるいは留まっているかを確認するといった、PDCAサイクルをまわす事業である。その事業の中では、「学び直しの時間」を設定しており、今までは「学び直しの時間」を3月に設定していたが、場合によっては夏休み前など、各学校の実態に応じて時期を見直すことができるようにした。これらの事業により、確実に成果が上がっている自治体もあるため、これらの事例を水平展開してまいりたい。

 各教科が好きか嫌いかといった結果が示されているが、これらの結果をしっかりとすくい上げて、子ども達が各教科を嫌いにならないようにしていくことが重要だと感じた。また、ICTの使用頻度が本県は高いとのことで、これは諸刃の刃とも感じるが、使い方次第では勉強時間を長くするツールになり得るのではないか。

 加えて、仙台市と宮城県との間に大きな開きがあるが、これは仙台市周辺のどの地域から開きが出てくるのか、ということを知りたいと感じた。

 教科が好きだという気持ちは、主体的に学習に取り組む大きなベースとなる。そのため、算数の正答率のかい離と算数の勉強が好きだという子の割合が減ってきている状況は、関連が大きいのではないかと考えている。そのあたりについては分析を進め、単に子ども達の学力を上げるということだけではなく、その強化の特性であったり、教科自体を好きになるという面も大事にしながら、改善を図ってまいりたい。

 ICTの活用については、ICTの活用率が高いと学力が高くなるといった文科省のデータ等もあるが、やはり活用の場面であったり、効果的な活用がされているかという点が重要になってくるものと認識している。

 また、仙台市とのかい離について、家庭学習や塾などのいわゆる授業以外の学習時間について、「全く勉強しない」割合は仙台市とあまり変わらないが、「二時間以上」となると大きな開きが出ており、課題と認識している。引き続き、市町村教育委員会と連携しながら、改善を図ってまいりたい。

 本調査は小学校、中学校で行われているが、国語や算数、数学以前の日本語の問題であるとすれば、小学校からいくらやっても難しいのではないかと感じている。小学校で使うのは学習に必要な言葉であり、それ以前の日常的なやり取りの言葉が不足していると、小学校で使う学習の言葉に移行するのはなかなか難しい。幼稚園、保育所時代に言葉を十分に使うような状況をつくっていかなければならない。よく言われている話だが、タブレットやスマホを見せておくと、子どもは大人しいが、そこに親子間の会話はない。見た後に、親が上手にフォローし親子間の会話があると言葉が育つ可能性があるが、それがないと言葉は育たない。今回の調査のICT使用率が高いということが、そういった使われ方ではないことを祈るが、幼稚園や保育所との連携というものも非常に重要なのではないかと、感じている。

 幼児教育や小学校と幼稚園、保育園との連携は重要なものだと認識しており、市町村教育委員会をまわる中でも同様の話を受けている。そのあたりについて、県の幼児教育センター等も活用しながら、しっかりと進めてまいりたい。

(2)令和6年3月高等学校卒業者の就職内定状況について

(説明者:高校教育課長)

「令和6年3月高等学校卒業者の就職内定状況について」御説明申し上げる。

毎月、資料をもって報告してきた就職内定状況であるが、高校卒業後6月まではフォローアップを続けており、この報告をもって令和6年3月卒業者についての最終報告となる。

はじめに、資料左側の「1 概況」を御覧願いたい。

令和6年3月に卒業した本県高校生の就職内定率は、最終報告となる6月末現在、就職希望者3,100人中、内定者3,097人、未内定者3人であり、就職内定率は99.9%であった。これは「2 就職内定率の推移」の表にもあるとおり、過去最高の内定率となっている。

次にその「内訳」であるが、県内内定者は2,428人、78.4%で、前年度に比べて219人減となっている。

資料右側「3 県内・県外内定者の割合の推移」の表を御覧願いたい。新型コロナウイルス感染症の流行期に一時的に県内希望者が増えたが、求人倍率が増えたことや人手不足が顕在化したことで、現在は県外内定者が微増傾向にある。

次に「4 就職未内定者の推移」についてであるが、令和6年3月卒業者のうち就職未内定者は3人のみであった。近年としては非常に少ない数であった。ここ数年求人倍率が上昇し、令和6年3月卒業者においては、6月段階で4.24倍と高いことが要因と考えられる。

最後に「5 就職達成支援事業の主な取組」についてであるが、入学年次から系統立てたキャリア発達を促すため、(1)進路達成支援事業において、1・2年次生徒対象とした「将来を考えるセミナー」を新たに実施する。(2)インターンシップについては、コロナ禍中の令和2年度、3年度とやや低調に推移していたが、周知を徹底し、実施率が69.2%まで回復している。いずれも入学年次からのキャリア発達を進め、進路意識の向上に努めていく。(3)合同企業説明会・就職面接会については、卒業年次の生徒に向けての事業である。合同企業説明会については既に終了したが、数多くの生徒が参加した。10月には「就職面接会」を予定している。(4)「地学地就」産業人材育成事業については、産業人材対策課等と連携した就職支援である。

引き続き、産業人材対策課やハローワーク、圏域の地域振興事務所等と協力の上、進路の達成に向けてきめ細やかな支援を行うこととしている。

本件については、以上である。

(質疑)

小川委員

 

 

 

 

 

高校教育課長

 

 

 

 

小川委員

 

高校教育課長

 

 

小川委員

 

 

 

 

高校教育課長

 

 

 

千木良委員

 

 

 

 

高校教育課長

 

 

 

 

 

鳩原委員

 

 

 

高校教育課長

 

 自分の適性を把握し、進路を選択する上で、インターンシップは重要なものと考えている。例えば2年生でインターンシップに行くとすれば、それに向けた基礎的・汎用的能力を身につけるためのキャリア教育が1年生のうちから展開されれば、就職内定率は向上し、早期離職率もかなり改善されるのではないかと思っている。実情として、インターンシップはどれくらいの高校で行われ、どれくらいの期間実施されているものなのか、普通高校と実務高校でどれくらいちがうのか、などデータがあれば教えていただきたい。

 令和5年度の実績となるが、全日制67校のうち46校で実施されており、実施率にすると68.7%である。普通科、専門科別でみると普通科は17校、専門学科では29校で実施されており、普通学科は45.9%、専門学科は96.7%でインターシップが実施されている。これがコロナ前でみると、令和元年度は全日制の実施率が77%であったため、コロナ禍で一時低迷したものが、回復傾向にあるというのが現状である。

 インターンシップの成果を現場の先生方はどのように捉えているか。

 実体験できるという点で非常に有効なキャリア教育の一つであると捉えている、と聞いている。また、実際に職業体験ができるということは、学校の中で進路講話を聞いているだけでは身に付かないことが学べるということで、生徒達からも非常に好評である。

 大学で「教員に就いた後に、どのようにキャリア教育を進めていくか」といった講義を行っているが、学生の話を聞くと、高校の段階であまりにも職業に対して知らなすぎる、といった声をよく聞く。自分の興味ある職業は調べるが、興味がない職業は何も調べていない。実際に体験してみたら面白い仕事や自分に合っているかもしれない職業があることに気づく機会すらない。職業について学ぶ上で、インターンシップは非常に重要なものだと思われる。職業について学ぶ機会をもっと増やせないか、御検討いただきたい。

 学校ごとに様々な企画はしているが、なかなか進んでいない実情がある。職業体験だけではなく、職業人の講話を聞く機会を設けるなどの取組もしているが、やはり時間が足りず、十分な機会の確保には至っていない。今後も様々な情報提供も含めて現場に対して働きかけをしてまいりたい。

 キャリア教育の中は、良い面の教育ばかりが行われるが、実はやりたい事の中にもクリアしなければならないことや嫌なこともあるということを十分に教育する必要があるのではないか。これらの観点での教育が不足しているから早期離職が減らないのではないかと感じている。職業選択の際には、自分にはこの仕事はできない、といった選び方も必要ではないか。そういった意味でもインターンシップで様々な職業に触れるという経験が必要になると考えている。

 たしかに、自分が憧れていた職業のマイナスの部分を見る機会があまりないということはあるかもしれない。令和5年度は約300人の生徒が実際にインターンシップを経験しているが、コロナ禍前には500人だったので、まだまだ元には戻っていない。また、日数的な面でもコロナ前は3日、4日受け入れていただいていたのが、コロナ後は2日、3日の受入が多い状況である。引き続き、多くの生徒がインターンシップを経験できるような環境づくりに努めてまいりたい。

 キャリア教育の重要性については、他の委員と同じ認識である。高校生になってからのキャリア教育では遅く、小学校のうちから丁寧に積み上げていかないと、十分なキャリア教育とは言えないのではなかろうか。小中学校でのキャリア教育と高校でのキャリア教育をどう結びつけていくのか、是非義務教育課とも連携しながら、取組をしていただきたい。

 学力向上の面でも最近は中学校と高校の連携を取ることも非常に多くなってきているので、キャリア教育の面についても義務教育課としっかりと連携を図ってまいりたい。

11 資料(配布のみ)

教育庁関連情報一覧

12 次回教育委員会の開催日程について

佐藤教育長

 次回の定例会は、令和6年9月3日(火)午後1時30分から開会する。

13 閉会 午後3時42分

 

お問い合わせ先

総務課総務班

宮城県仙台市青葉区本町三丁目8-1宮城県庁 16階

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