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掲載日:2023年7月20日

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復興へ(みやぎ県政だより令和元年11月・12月号)

復興に向けて、県内の各地域で活動されている方々を紹介します

南三陸町は東日本大震災の影響により人口減少、少子高齢化が加速し、さまざまな産業の担い手が減少しています。今回は南三陸町でのワイン醸造を目指す「南三陸ワイナリー」の佐々木さんにお話を伺いました。

——ワイン造りを始めたきっかけは?

秋保ワイナリー(仙台市)がシードル(リンゴのお酒)の原料として南三陸産のリンゴを購入したお礼に、ブドウの苗木100本を南三陸に寄付しました。耕作放棄地にそのブドウが根付き、2017年に「南三陸ワインプロジェクト」を南三陸町と地域おこし協力隊が立ち上げ、ワイン造りが始まりました。プロジェクトは2019年2月に株式会社化しました。
私は今年1月からプロジェクトに参加しています。震災が起き、岩手県で支援を行ううちに、復旧が進めば、被災地には新たな産業が求められると考え、働いていた楽器メーカーを辞め仙台市に移住しました。ワイングラスなどの製造に携わる中で、ワイナリーが地域活性化の原動力になるのではないかと思っていたところ、南三陸町のワイナリー設立のための人材募集を見つけたことがプロジェクト参加のきっかけです。

——活動の内容は?

栽培、醸造、マーケティングを私ともう1人の仲間(正司勇太さん)で行っています。
プロジェクト開始時に購入した700本の苗木を植えてから3年が経ち、今年初めて南三陸産のブドウを使ったワインを醸造します。瓶で100本程度のワインができる見込みです。来年には、田束山(たつがねさん)に土地を借り、秋保ワイナリー近くの畑で育てている2千本のブドウを移植し、合計3千本を植えます。
醸造技術は醸造委託先でもある秋保ワイナリーで研修を受けています。今年、山形産のブドウを使用した白ワインがコンクールで入賞したこともあり、技術が少しずつ身に付いてきていると感じています。
来年夏には、南三陸の海が見える場所にワイナリーと直売所を造り、オープンする予定です。

——大変だったことは?

秋保で栽培・醸造の研修をしているため、なかなかブドウ畑に行くことができませんでした。その状況を案じて、土地の貸し主や地域の方から本当にワイナリーを造る気があるのかと厳しいご意見もいただきました。その後、できるだけ畑を訪れ、地域のイベントにも出店し続けることで少しずつ理解を得られています。
畑の整備は土地の貸し主やボランティアの方が手伝ってくれています。それ以外ににも南三陸町や地域おこし協力隊の仲間たちによるサポートがあるからこそ2人でも続けられていると思います。

——今後の目標は?

ワインは水をほとんど加えずに造るので土地の力(個性)が出やすいという特色があります。また、ワインツーリズムなど6次産業化にもつながるので、地域が主体になれる産業です。ワイナリーを訪れ、南三陸の海の幸、山の幸とのマリアージュ(飲み物と料理の良い組み合わせ)を堪能する旅で「食文化」と「地域」を感じてもらい、町に新たなにぎわいをつくりたいです。

【1】ブドウは手入れが肝心。
【2】1本1本の状態を確認。南三陸町入谷地区のブドウ畑。急勾配の地形は水はけと日当たりが良く栽培に適している。【3】3年目のブドウ畑には小さいがしっかりとした実りがあった。
【4】ボランティアの皆さんと1房ずつ選別を行う。(写真左/佐々木さん、右から2番目/正司さん)
【5】日本を代表する質の高いワインを目指す。青リンゴのような風味のすっきりとした白ワイン。ロゴは南三陸町の形をモチーフに海と山に囲まれた町の自然を表現。

【写真の説明】

  • 【1】ブドウは手入れが肝心。1本1本の状態を確認。
  • 【2】南三陸町入谷(いりや)地区のブドウ畑。急勾配の地形は水はけと日当たりが良く栽培に適している。
  • 【3】3年目のブドウ畑には小さいがしっかりとした実りがあった。
  • 【4】ボランティアの皆さんと1房ずつ選別を行う。(写真左/佐々木さん、右から2番目/正司さん)
  • 【5】日本を代表する質の高いワインを目指す。青リンゴのような風味のすっきりとした白ワイン。ロゴは南三陸町の形をモチーフに海と山に囲まれた町の自然を表現。

南三陸ワイナリー 代表取締役 佐々木 道彦さんの写真
南三陸ワイナリー 代表取締役
佐々木 道彦さん
https://www.msr-wine.com/(南三陸ワイナリー)(外部サイトへリンク)

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