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掲載日:2025年3月31日

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令和6年度学校アウトリーチ活動の記録3

授業内容

「いろとかたちをつなぐ」

授業前半では、パウル・クレー(1879-1940年)と、画家が手がけた3作品、《緑の中庭》(1927年)、《橋の傍らの三軒の家》(1922年)、《アフロディテの解剖学》(1915年)について、高精細レプリカやスライドを用いて紹介します。作品の色の塗り方や、幾何学的な形の組み合わせ方、制作方法などに注目して3作品の細部を観察し、様々な手法を用いて生まれた独特な表現を味わいます。後半は、グループに分かれ、普段絵を描く時とは違う方法を使って様々な色や形を重ねる実験をします。最後に、各グループが制作した作品を全員で鑑賞します。

目的

パウル・クレーの作品鑑賞を通して美術館のコレクションに親しみ、クレーの芸術観や作品の多様な表現について理解を深めます。また、普段は使わない方法で描画活動に取り組むことで、様々な色や形を重ねる中で生まれる効果を味わい、自分と他者の表現を鑑賞することにより、制作方法に同じ制約がある中でも様々な表現が生まれることを体感します。

涌谷町立月将館小学校における実践例

  • 日時:2025年1月15日(水曜日)3校時
  • 対象:5年生、6年生

はじめに、当館の創設年やコレクション数について紹介しました。あわせて、作品の収集、保存や展示など、美術館の基本的な役割についてもお話ししました。

続いて、当館のコレクションについて紹介しました。特に、ドイツ表現主義の画家パウル・クレーを取り上げ、レプリカ作品やパネルを用いて3点のコレクション作品を皆で鑑賞しました。《緑の中庭》に見られる絵の具の搔き落としや、《橋の傍らの三軒の家》の色や形の組み合わせ方、《アフロディテの解剖学》の独特な制作プロセス等、画家の様々な表現を観察して、クレー作品の面白さを味わいました。

その後は、普段絵を描く時とは違う方法を使って、色と形を重ねる実験をしました。

これは、グループに分かれて、サイコロの出た目に合わせて模造紙に〇△□を重ねて増やしていき、形の中を塗る活動です。

児童たちは、色とりどりの画材を使って様々な表現に挑戦していました。

図形の重なりが突然何か別の形に見えてきたり、普段はかけ合わせない色を混ぜたところに予想外の効果が生まれたりと、新たな発見がある度に歓声が聞こえました。

 

最後に、すべてのグループの作品を展示して、全体で鑑賞しました。

作品を展示する向きは、グループであらかじめ話し合って決めてもらいました。

どのグループにも、「これが一番かっこよく見える!」「これがバランスよく見える!」と、こだわりの見せ方がありました。また、みんなの作品をまじまじと見て「この描き方面白いね、試してみたかったな」「色が混ざっていてきれいだね」など、他の児童の描き方に驚き、個性あふれる様々な表現を楽しんでいました。

  

感想発表の時間では、児童たちから「同じルールで作ったのに、全然違う作品が出来上がってびっくりした!」「みんなの色々な描き方を見るのが面白かった」「自分たちだけの世界に一つしかない作品を作れてうれしかった」などの声が聞かれました。

 

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