トップページ > 教育普及プログラム > 令和5年度 学校アウトリーチ > 令和6年度学校アウトリーチ活動の記録2

掲載日:2025年3月31日

ここから本文です。

令和6年度学校アウトリーチ活動の記録2

授業内容

「絵を見比べる 宮城県美術館のコレクションから」

当館の代表的なコレクションである、ドイツ表現主義の画家ヴァシリー・カンディンスキー(1866-1944年)による作品《水門》(1902年)、《商人たちの到着》(1905年)、《活気ある安定》(1937年)の高精細レプリカを用いた鑑賞の授業です。この授業では、この3作品の作者の名前を明かさずに、生徒が作品の観察や比較を行います。個人で作品の細部を観察した後、グループで話し合いながら作品同士を比較・分類して、3作品の中から同じ作者による作品の組み合わせを推理します。

目的

当館のコレクション作品から作成した高精細レプリカを通じて、コレクション作品に親しんでもらいながら、観察や鑑賞の活動を行います。レプリカを前に他者と意見を交わし、自分にはない感じ方や考え方に触れることで、作品をより深く味わうことを目的としています。また、作品をつぶさに観察することで、それぞれの作品の個性や特徴を見出し、作品同士の比較を通して一人の画家が多様な作品を生み出したことを実感することができます。

栗原市立金成小中学校における実践例

  • 日時:2025年11月27日(水曜日)2校時、3校時、4校時
  • 対象:7年生、8年生、9年生

はじめに、当館の概要とコレクションについてクイズ形式で紹介しました。あわせて、作品の収集、保存や展示など、美術館の基本的な役割についてもお話ししました。

続いて、鑑賞の時間です。作品の部分写真を載せた「クローズアップシート」を配布して、個人でレプリカを観察する時間を持ち、写真がどの作品の一部か考えてもらいます。生徒たちは、レプリカのスケールや精巧さに驚き、興味津々で作品を観察していました。答え合わせをした後、画家の筆致や表面の質感などに着目しながら、作品の特徴となる部分を改めて観察しました。

 

その後は、グループ活動の時間に移りました。3点の作品の中に、同じ画家によって描かれたものが複数あることを伝え、その組み合わせを考えてもらいます。生徒たちは、レプリカの前で、それぞれに考えていることを言葉にして、意見を交わしていました。じっくりレプリカを観察した後は、机に戻り、アートカードを使って作品を分類し、グループの意見を集約しました。「使われている色が似ている」「描かれているものが似ている」「全然似ていないので別の画家だと思う」など、様々な声が聞こえてきました。

 

活動のまとめとして、各グループで集約した意見を代表者が発表しました。どのグループも、タッチや構図、色味などに着目して、ぞれぞれの視点から推理し、意見をまとめてくれました。

最後に、授業者がすべての作品はカンディンスキーが制作したものであると明かし、画家や作品について短く紹介しました。

 

生徒たちは、3作品すべてが一人の画家の手によるものと聞いて驚いていました。

感想には「同じ画家なのに全然違う画風で描けるのがすごいと思った」「筆の使い方や色の選び方など、描き方の工夫次第でこんなにも変わるのだなと思った」などの声が寄せられました。

 

令和7年度学校アウトリーチのページへ
令和6年度学校アウトリーチのページへ

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?

こちらのページも読まれています