掲載日:2023年12月17日

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学校アウトリーチ活動の記録6

授業内容

宮城県術館のコレクション作品を鑑賞しよう!

―松本竣介《画家の像》より“描かれたポーズに挑戦!”―

宮城県美術館のコレクションの中でも代表的な作品である松本竣介の《画家の像》。画家としての自身の姿勢についての熟考を表現した作品として知られています。画家本人の立ち姿のほか、家族の姿も描かれています。授業では、観察力や想像力をはたらかせながら対話を用いてレプリカを鑑賞します。その後、描かれた人物のポーズを真似て、生徒同士でポージングをしてタブレットで撮影し、撮影した写真を発表します。真似ることで描かれた人物の心情に迫ります。

目的

所蔵作品の高精細データ記録によるレプリカを活用し、当館のコレクション作品に親しんでもらい、自分なりの見方を深めたり他者と意見を交わしたりすることを通して、観察力や想像力を高め、活発な言語活動及び表現の場を創出します。

栗原市立栗駒中学校における実践例

  • 日時:令和5年11月30日(木曜日)2、3、4校時
  • 対象:3学年3クラス

宮城県美術館の概要説明をクイズ形式で行い、その後、レプリカを鑑賞しました。松本竣介の《画家の像》を見せるとその大きさに驚きの声があがりました。鑑賞のコツとして「観察」と「想像」について説明し、発見や気が付いたことなどを発言してもらいました。描かれた人物同士の関係性を想像し「家族ではないか?」と答える生徒、背後の建物や乗り物の様子から戦争や政治的な雰囲気を感じた生徒、全体的な色味について言及する生徒など、描かれたイメージを真剣に見つめる姿が多く見受けられました。
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レプリカを鑑賞した後は、グループごとにポーズを真似て写真を撮る活動に移りました。モデルと撮影者とに分かれ、撮影者はポーズについてあれこれと指示を出し、撮影した写真をみんなで見てさらに修正するなど、とても忠実に再現しようという心意気がどのグループにも見られました。2クラス目の授業で顔や手などのパーツのみを再現し撮影しているグループがあり、そうした視点がこれまではなかったことから、3クラス目の授業では、全体のポーズとパーツの撮影をするように課題を設定し直しました。
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最後は撮影した全グループの写真を全体で鑑賞し、工夫されている点などを講評し、終了しました。

生徒の感想には、
・色の塗り方とか、表情、背景等を体を張って観察したので、作者の思い、表現力はとてもすごいんだなと感じました。
・鑑賞は難しいイメージがあったけれど、ポーズを真似したり、細かいところを見たり、想像するのが楽しくて、美術作品を身近に感じることができました。
・教科書では見えないような細かいところまで見えていろいろな想像ができました。また絵のポーズの真似をすることで人物がどんなことを考えていたか考えられました。
・ポーズの意味や心情を考えながら写真を撮ることで同じ作品でも見方が変わるなと思いました。レプリカだと思わなかった。同じ作品でも様々な視点から見ることができるということが分かりました。

などが記載されていました。

〈レプリカ展示の様子〉

今回、担当の先生から、できるだけ多くの生徒が美術に触れられるようにしたいという相談があり、授業で使用するレプリカとは別に5点を持参し、会議室に展示して自由に鑑賞してもらう機会を設けました。
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作品キャプション以外に作品を鑑賞する際の糸口となるような設問を設けたキャプションも付け、その答えは紙をめくることで見える仕掛けを施しました。反応も上々で楽しく鑑賞している様子が見られました。
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