掲載日:2025年6月26日

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個別労使紛争のあっせん

〇目次
1.個別労使紛争のあっせんとは?
2.個別労使紛争が発生したときは
3.あっせんの手続
4.Q&A(個人の労働者向け)、(使用者向け)
5.申請の方法
6.個別労使紛争のあっせん事件の取扱状況
7.個別労使紛争のあっせんの事例

 

1.個別労使紛争のあっせんとは?

「個別労使紛争のあっせん」のチラシ(PDF:1,021KB)

「個別労使紛争のあっせん」のポスター(PDF:269KB)

(1)あっせんの性格

労働条件その他労働関係に関する個々の労働者と使用者との間の紛争(個別労使紛争)が発生し、当事者間で解決できない場合、労働委員会は個別労使紛争の解決に向けたあっせんを行っています。この役割を、労働委員会が行っている「個別労使紛争のあっせん」といいます。

あっせんは、あっせん員候補者の中から労働委員会の会長によって指名されたあっせん員が、当事者双方の主張の要点を確かめ、当事者間の話合いを取り持ち、あるいは相互の主張の歩み寄りを勧めることにより、当事者間の自主的な解決を支援するものであり、簡易かつ迅速に当事者の自主的な合意形成を図ることを目的としていることから、労使双方にとってメリットが大きいものです。

なお、あっせん員候補者は、労働委員会委員を含め、労働争議の解決に援助を与えることができる学識経験者の中から、あらかじめ労働委員会が委嘱しています。

(2)あっせんの対象となる個別労使紛争

労働委員会が対象とする個別労使紛争の具体的な紛争の類型として、次のような個別労使紛争があっせんの対象として想定されます。

① 労働条件に関する紛争(解雇、雇止め、配置転換、昇進等)

② 就労環境に関する紛争(パワハラ、セクハラ、いじめ等)

③ 労働契約に関する紛争(労働契約の継承等)

ただし、裁判での確定判決がすでに出た紛争や、法令に基づき労働基準監督署等が指導する事項に関する紛争等、あっせんの対象とならないものがあります。

対象とならない紛争

個別労使紛争の例

労働者側申請の場合

解雇(または、配置転換)されたが理由が納得できない。

パートで働いているが、何の説明もなく時給を引き下げられ、納得できない。

パワハラを受けて働くことができなくなった。

個別労使紛争の事例

使用者側申請の場合

  • 社員にやむを得ぬ事情で配転命令を出したが、理由なく拒否し続けられて困っている。

 

2.個別労使紛争が発生したときは

県では労使関係及び労働条件などの労働問題全般の相談(※)を実施しておりますので、まずは同相談制度を利用されることをお勧めします。

労働相談では、相談内容に応じ、他の相談窓口や機関を紹介するとともに、個別労使紛争の内容が労働委員会でのあっせんになじむ場合は、当あっせんを紹介します。

なお、労働相談を利用しないで、直接当あっせんを利用することも可能です。

※宮城県が行う労働問題全般の相談窓口

3.あっせんの手続

あっせんが申請されましたら、労働委員会の事務局職員が当事者双方から実情を聴き取ります。 
両当事者の主張が折り合わないときなどは、あっせんが打ち切られることがあります。
 当事者同士の話合いで問題が解決したなど、あっせんの必要がなくなったときは、申請者はいつでもあっせんを取り下げることができます。
なお、労働委員会事務局ではあっせんに関するご相談を承っております。
(相談先: 宮城県労働委員会事務局審査調整課調整班 022-211-3787)

個紛あっせん手続

① あっせんの申請

あっせんは、当事者からの申請によって行われます。

イ 労働者・使用者、いずれか一方からの申請

ロ 当事者双方からの申請

なお、申請者は、あっせん事項の全部又は一部について、いつでも申請を取り下げることができます。

② 事前準備

事務局は、当事者双方から事情を聴取し、交渉経過や当事者の主張の要点を整理し、あっせん活動における参考資料を準備します。この事情聴取は、通例、申請者については、申請時に、被申請者については、適宜、事務局に来局を求めて行っています。

申請書のほか、あっせんを進める上で参考となる資料として、提供が可能なものがあれば、当事者双方からその提供を受けます。

③ あっせん員の指名

労働委員会の会長は、あっせん員候補者の中から、公益委員・労働者委員・使用者委員それぞれ1名計3名のあっせん員を指名します。

労働委員会あっせん員候補者名簿

また、労働委員会の会長は、事務局職員の中から担当職員を指名します。

④ あっせん活動

あっせんは、通例、次のように行われます。

イ 事情聴取

あっせん員は、当事者双方の主張の要点を確かめ、対立点を明らかにするために、当事者双方から交渉の経過、主張などを聴取します。この事情聴取は、通例個別に行われます。

ロ 調整作業

事情聴取の結果、あっせん員は、当事者間の主張を取りなして譲り合いを勧め、対立点をときほぐして問題点の調整を進めます。

場合によっては、あっせん員が当事者双方に「あっせん案」を示し、この受諾に向けて検討を求めることもあります。この場合、当事者双方とも、これを受諾すべき法律上の義務はありません。

⑤ あっせんの終結

このような方法によって、あっせん員は問題の解決のために最善の努力をしますが、当事者双方が互譲の精神をもって歩み寄りを図らなければ、あっせんの成功は困難です。

両当事者が合意に達しない場合は、あっせん員は事件から手を引きます。

なお、あっせんが継続中であっても、自主交渉により解決の努力をするのが望ましいことはいうまでもありません。

イ 解決

a あっせん活動において、当事者双方があっせん案等を受諾したとき。

b あっせん活動において、当事者間で合意に達し、その合意内容に基づき、あっせん員立会いの下で合意書等が締結されたとき。

c あっせん活動を契機として当事者間で自主交渉が行われ、紛争が自主的に解決されて、申請が取り下げられたとき。

ロ 打切り

a あっせん員の説得にもかかわらず、当事者の一方が、あっせんに応じること自体を拒否したとき。

b あっせん員が提示したあっせん案について、当事者の双方又は一方が受諾を拒否したとき。

c あっせん員が、あっせんによって事件が解決する見込みがないと認めるとき。

ハ 取下げ

a 当事者の一方からの申請の場合、被申請者があっせんに応じないため、申請者が申請を取り下げたとき。

b その他、申請者が自発的に申請を取り下げたとき。

※ 不開始

次の場合は、あっせん手続に入らずに終結となります。

a 会長があっせんの必要がないと認めたとき。

b 会長が争議の実情があっせんに適さないと認めたとき。

4.Q&A(個人の労働者向け)、(使用者向け)

Q&A(個人の労働者向け)
Q&A(使用者向け)

5.申請の方法

以下の方法により申請できます。

※ 宮城県労働委員会事務局ではあっせんに関するご相談を承っております。手続に関することなど、申請前にご相談いただくことをお勧めします。
(相談先: 宮城県労働委員会事務局審査調整課調整班 022-211-3787)

手続種別 方法
書面による申請 書面による申請を行う場合、申請書様式をダウンロードの上、来庁等により、申請書等を当委員会にご提出ください。
電子申請システムによる申請

 ≪電子申請システムを用いた申請の流れ≫

(1)認証IDの付与申請

 誤った手続やなりすましによる手続を防ぐため、電子申請システムを利用して個別労使紛争あっせんに関する申請を行う場合は、当委員会が発行する「認証ID」を利用いただく必要がありますので、電子申請システムにおいて、以下のフォームから認証IDの付与申請をしてください。

 ※認証IDの付与申請を行う前に、お電話によりご連絡ください。

 個別労使紛争のあっせんの申請に係る認証ID付与の申請(外部サイトへリンク)

(2)当委員会からの認証IDの連絡

 当委員会から、認証IDをメールにより連絡します。

(3)電子申請

 認証IDを利用し、以下のフォームから申請をしてください。

 個別労使紛争のあっせん申請(外部サイトへリンク)

 

 

6.個別労使紛争のあっせん事件の取扱状況

個別労使紛争のあっせん事件の取扱状況

7.個別労使紛争のあっせんの事例

以下の事例は、宮城県労働委員会で実際に取り扱った個別労使紛争のあっせん事例をもとに、個人のプライバシー等に配慮して多少内容を変更しています。
個別労使紛争のあっせんのご理解のための参考としてください。

事例1、(入院加療後の復職が拒否された事例)

Aさんは、運送会社で就労していましたが、休暇中、交通事故に遭い、頚椎を負傷しました。
そのため、休職の手続をとり、約3か月の間入院し、退院後も10か月に渡り、通院及びリハビリを続けました。

怪我が完治した後、Aさんは、会社に復職を申し出ました。しかしながら、会社は、「交通事故以前から勤務態度に問題があったので、復職は認めない」と回答しました。

Aさんは、怪我とは関係のない理由により復職を認めないのは納得できないと思い、会社に対して、復職を認めること、また、復職していたならば、得たであろう賃金相当額(3か月分の賃金)の支払いを求めて、あっせん申請を行いました。

会社は、当初、「申請者の復職は認めるが、賃金相当額の支払いには応じない」と主張していましたが、あっせん員の働きかけにより、申請者が希望する3か月の賃金相当額の支払いに応じることを承諾し、Aさんが会社に復職すること及び会社が3か月間の賃金相当額を支払うことで、合意が成立しました。

事例2、(賃金を削減された事例)

Bさんは、15年以上の間、石材加工に関する仕事に携わってきました。

ある日、体調不良を感じ、通院したところ、じん肺と診断されました。

Bさんは、労災申請を申し出たところ、会社は、「労災申請するならば、会社を辞めることになるだろう。」とも言われました。

この話合いを行った後、会社から、時々退職を促されるようになり、更には、不慣れな業務の部署に配転されるとともに、賃金を約30%減額されました。

Bさんは、このような会社の対応に納得できないとして、雇用の維持と賃金の維持を求めて、あっせん申請をしました。

会社は、「以前は危険な業務に携わっていたため高い賃金となっていたが、配転したため賃金を下げた。」と主張していましたが、あっせんの場において、労使それぞれのあっせん員の働きかけにより、Bさんの賃金の削減を15%とすることで、合意が成立しました。

事例3、(退職理由を自己都合とされた事例)

Cさんは、臨時社員として、建設会社に入社しました。

仕事はとても忙しく、残業が続いたことが要因で、神経症になりました。
医者から、2か月程度休むように助言されたため、会社の上司に相談しました。

Cさんは、2か月間の休暇中は会社に在籍すること、この間は傷病手当金を受給することを希望していました。
会社の上司から、「今後1か月間については、休業扱いとし休業手当を支給するので、退職して欲しい。」との話がありました。
Cさんは、これに承諾して、1か月後に退職するという内容の退職届を提出しました。

ところが、総務担当社員から、「1か月もの間働かないのに、会社に在籍するのはおかしい。」との話を受け、止むを得ず、即日に自己都合を理由とする退職届を提出しました。
このため、Cさんとしては、当初希望していた2か月間の傷病手当金も、1か月間の休業手当も、一切受給することができなくなりました。

そこで、Cさんは、退職理由を会社都合にすること、傷病手当を受給できなくなったことに関する慰謝料を求めて、あっせんの申請を行いました。

会社は、「退職の強要はしていないため、自己都合の退職である。」と主張していましたが、労使それぞれのあっせん員の働きかけにより、Cさんの退職理由を会社都合とすること、会社が解決金として20万円支払うことで、合意が成立しました。

 

(個別労働関係紛争処理制度全国共通キャッチフレーズ)あっせん解決のイラスト

ご存知ですか?労働委員会

~雇用のトラブルまず相談~

宮城県労働委員会では、「個別労働紛争処理制度」周知月間(10月)に街頭PRやパネル展示などを行いました。

〇JR仙台駅における街頭PR
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〇宮城県庁におけるパネル展示

 宮城県庁での展示状況
〇宮城県図書館におけるパネル展示や労働に関する書籍展示
宮城県図書館における展示の様子







 

お問い合わせ先

労働委員会事務局審査調整課 調整班

宮城県仙台市青葉区本町3丁目8番1号(宮城県庁17階北側)

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