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掲載日:2020年2月3日

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研究トピックス(R1)/ガス発生剤を用いた簡易的な体外受精卵作出技術

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ガス発生剤を用いた簡易的な体外受精卵作出技術

宮城県畜産試験場 酪農肉牛部

生体内卵子吸引(OPU)技術の普及によって,現場でも体外受精を実施する機会が増加しています。しかし,受精卵の作出には処理工程が多く,ガス制御されたインキュベーターなどの設備への多額の初期投資が必要となるため,実施する施設が限られています。そこで,移植可能な体外受精卵を現状よりも簡易に作成することを目的として,ガス制御の簡易化について検討しました。

【方法】
体外受精卵の作出には,大きく分けて体外成熟(IVM)・体外受精(IVF)・体外発生(IVC)の3工程があります(図1)。
通常,インキュベーターを用いて温度とガス制御を行ないますが,それぞれの行程で細菌培養用のガス発生剤アネロパック(三菱ガス化学)を用いてガス制御の簡易化を行いました(IVM・IVF:アネロパックCO2,IVC:アネロパック微好気を使用)。
試験区はアネロパック区,温度制御のみの空気区,インキュベーター区(対照区)の3区とし,実験1はIVM,実験2はIVF,実験3はIVCについて検討し,それ以外の行程は対照区と同様に実施しました。

【結果】
実験1 IVMの簡易化では,移植可能なステージである胚盤胞の発生率は3区で有意な差はありませんでした。胚盤胞の細胞数は,栄養膜細胞(TE)において空気区が対照区より有意に少ない成績でした。
実験2 IVFの簡易化では,空気区は対照区に比べ有意に低い卵割率でしたが,胚盤胞率や細胞数に有意な差はありませんでした。
実験3 IVCの簡易化では,アネロパック区と対照区に有意な差はありませんでした。しかし,空気区では卵割も胚盤胞の発生も認められず,受精卵を作出できませんでした。
以上のことから,ウシ体外受精において,ガス発生剤を使用して体外受精卵を作出できることが明らかとなりました。この技術を用いることで,従来より簡易的な設備でも体外受精卵の作出が可能になります。
体外受精の簡易化
胚発生成績と胚盤胞の細胞数のグラフ

お問い合わせ先

農業・園芸総合研究所企画調整部

名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

電話番号:022-383-8118

ファックス番号:022-383-9907

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