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掲載日:2020年2月25日

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研究トピックス(R1)/キク類のEOD-Heatingを用いた多段階変夜温管理による重油消費量削減

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キク類のEOD-Heatingを用いた多段階変夜温管理による重油消費量削減

宮城県農業・園芸総合研究所 花き・果樹部

宮城県の重点振興品目であるキク類において,栽培期間に加温が必要となる作型では燃油消費量の削減が経営上の課題となっています。

そこで,キク類の厳冬期を経過する作型において,EOD-heating処理(日没後短時間の昇温管理)※と多段階変夜温管理を組み合わせた温度制御(以下,多段EODh処理)(図1,表1)で,燃油消費量が削減できるかどうか検討しました。

その結果,輪ギクとスプレーギク12月開花作型では,一定加温管理と比較して1~4日開花が遅れるものの,切り花品質は同等で,燃油消費量は22~26%削減できることが分かりました(図2)。

輪ギク3月開花作型では,栄養生長期(定植から消灯日まで)に多段EODh処理を行うと,一定加温管理と比較して3~4日開花が遅れるものの,切り花品質は同等で,燃油消費量は6~7%削減できることが分かりました(図2)。

さらに,輪ギク3月開花作型の花芽分化期以降(消灯日から開花終期)に多段EODh処理を行うと,一定加温管理と比較して2~5日開花が遅れるものの切り花品質は同等で,燃油消費量は13%削減できることが分かりました(図2)。

現在,栽培全期間(栄養生長期・花芽分化期・花芽発達期)に多段EODh処理を行い,どのくらい重油消費量が削減されるかを調査しています。

※日没後に短時間の昇温管理(EOD(End-of-Day)-heating)を行うと開花が促進され,その後夜温を低くしても,商品性の高い切り花が得られ,夜間一定温度と比べ燃油消費量が削減されるとされているが,まだ研究段階である。
EOD-heating処理と多段階の変夜温管理の組み合わせ
図1 EOD-heating処理と多段階の変夜温管理の組み合わせ

表1 各時期における加温設定温度
各時期における加温設定温度

キクの厳冬期を経過する作型における多段EODh処理時期と燃油削減率
図2 キクの厳冬期を経過する作型における多段EODh処理時期と燃油削減率

お問い合わせ先

農業・園芸総合研究所企画調整部

名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

電話番号:022-383-8118

ファックス番号:022-383-9907

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