トップページ > しごと・産業 > 農業 > 技術支援 > 研究PRパンフレット・トピックス > 令和2年度 > 研究トピックス > 研究トピックス(R2)/県内堆肥センターの生産堆肥モニタリングについて

掲載日:2020年10月26日

ここから本文です。

研究トピックス(R2)/県内堆肥センターの生産堆肥モニタリングについて

県内堆肥センターの生産堆肥モニタリングについて

宮城県畜産試験場 草地飼料部

畜産経営から発生する家畜ふん尿由来堆肥は,耕畜連携が不十分で有機センターや畜産農家で生産しても十分活用されていないことがよく見られ,耕種農家による利用促進などの対策が求められています。

今回,県内有機センターで製造された堆肥について窒素・リン酸・カリ等の成分に関する季節変動を把握するために,平成28~30年度の3か年に古川農業試験場と共同で4有機センターのモニタリング調査(年4回実施)を行いました。

県内にある畜種別投入割合と副資材の使用が異なる施設(表1)の生産した堆肥の主成分となる窒素・リン酸・カリの濃度は,季節による若干の変動が見られましたが,各施設とも変動係数は概ね10~20%と比較的安定していました(表2)。また,堆肥の腐熟度の目安となる酸素消費量は,各施設で調査期間全体で「2」以下であり,腐熟が十分進んだ状態の目安と言われている「3以下」を下回り(表2),4施設とも良質で安定した堆肥生産が行われていました。

現在,紹介した4施設以外の3有機センターで新たに調査(令和元~3年度)しており,3施設の令和元年度の結果でも季節変動の少ない安定した堆肥生産が行われていることを確認しています。

良質で安定した堆肥の利用により,自給飼料のみならず,耕畜連携による水稲・園芸作物でも,農地の土壌物理性の改善,化成肥料の施用量の削減によるコスト低減に繋がるので,さらなる堆肥の利用拡大が重要です。

(草地飼料部)

表1 県内堆肥センターの搬入畜種割合(%)
施設 乳牛 肉牛 肉鶏 副資材
A 10 60 1 29 もみがら
B 10 60 30 - もみがら
C 30 70 - - もみがら・戻し堆肥
D 10 75 10 5 もみがら・コーヒーかす等
表2 製造した堆肥成分の季節変動 (単位:水分以外の成分の%は乾物当たり%,酸素消費量はμg/g・分)
施設   水分(%) pH 炭素(%) 窒素(%) リン酸(%) カリ(%) C/N比 酸素消費量
A 平均 26.9 8.6 37.1 2.5 3.6 4.3 14.7 1.5
変動係数 9.7 4.4 9.4 10.8 7.3 16.5 5.6 -
B 平均 26.4 8.4 33.8 2.4 4.1 3.5 14.1 1.4
変動係数 15.8 3.7 4.5 8.0 9.0 12.9 10.5 -
C 平均 35.8 9.0 29.4 2.3 3.5 4.6 12.7 1.0
変動係数 10.8 3.8 5.2 8.1 5.1 10.9 9.9 -
D 平均 44.2 7.9 41.3 2.2 2.6 3.2 19.1 1.1
変動係数 28.8 6.3 3.4 14.9 24.4 16.2 14.1 -

※平均は3か年11回のサンプリング結果の平均値
※変動係数=標準偏差÷平均値

お問い合わせ先

農業・園芸総合研究所企画調整部

名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

電話番号:022-383-8118

ファックス番号:022-383-9907

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?

重要なお知らせ

こちらのページも読まれています

 

information retrieval

このページに知りたい情報がない場合は