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イチゴには冬から翌春にかけて収穫する促成作型で用いられる一季成り性品種と夏から秋にかけて収穫する夏秋どり作型で用いられる四季成り性品種の2種類があります。イチゴは一般的に一季成り性品種で生産されており,本県でもイチゴの生産面積の90%以上を一季成り性品種が占めます。一方で,四季成り性品種による夏秋どり作型は,収穫の端境期となるため高単価が期待でき,業務向け需要を中心に市場からの要望も高いのですが,高品質な四季成り性品種は少なく,品種開発が遅れています。また,近年の温暖化により夏秋どり作型では,生長点が葉を着生せず花房となり,株の生育が停止する「心止まり」が発生するなど,夏秋イチゴの安定生産が年々難しくなってきています。そこで,本県の地理的条件にあった高品質な四季成り性品種の育成に向け,農業・園芸総合研究所では品種の選抜試験を行ってきました。
農業・園芸総合研究所では,2015年に交配を行った実生系統から,糖度が高く高品質で,心止まりが少なく収量性に優れる「15-1e-1」を選抜しました。次年度,県内3か所の生産者ほ場で,品種化の可否判断を行うため現地試験を実施します。今後も本県のイチゴの生産振興のため,現地のニーズをくみ取りながら,新品種の開発を継続していきます。
写真1 「15-1e-1」
写真2 イチゴの心止まり現象
(野菜部 イチゴチーム)
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