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(農園研 情報経営部)
本県農業の中心的な担い手の高齢化や担い手を補完する労力の不足が顕著となっている一方,生きがいや働きがいを求めてシルバー人材センターに登録するシルバー会員はここ10年間で大幅に増加していることから,地域ニーズに応じた質の高い高齢者労力を農業に活用する仕組み「高齢者人材資源活用システム」を検討しました。
雇用者(生産者)は,シルバー人材センターの手続きの容易さや料金等には満足しているものの,利用の自由度や技術力等については低い評価でした。一方,シルバー人材センター側では,農作業の受注が年々増加するも,農作業の経験が無く不安を抱くシルバー会員が多いため,人材が十分確保できていません。
そこで,シルバー会員を対象とする農作業研修会を開催した結果,雇用者のシルバー会員に対する評価が高まり雇用意欲が増し,シルバー会員にとっては農作業技術の習得とともに農作業への不安解消にも有効ということが分かりました。
また,本研究で取り上げたイチゴ収穫・定植,リンゴ摘果,トマト収穫,キク摘芽の作業強度は,散歩から早歩き程度の軽作業に相当し,作業負担,作業疲労ともに高齢者にとって問題のないレベルでした。
いずれの作業も,農作業研修を受けただけの未経験者でも作業習熟者の5割程度の作業量をこなすことができ,経験を積むことで作業習熟者の8割程度まで向上しました。
以上の結果より,平成19年度に策定した高齢者を農作業に従事してもらう際の農作業指標の見直し改訂を行いました(掲載省略)。
雇用者が新たにシルバー会員の雇用計画を検討する場合は,この農作業指標を参考にしながら,作業習熟者の5割程度の作業量を想定して作業計画を立案し,あとはシルバー会員の習熟度に応じて調整すると良いでしょう。
また,農作業に対応できる人材の確保・育成と円滑な農業労働力の需給調整を行うためには,体制(イメージ図参照)を整え,地域で雇用ニーズの多い作業を中心に,シルバー人材センターとJA生産者部会等の生産者組織が連携して農作業研修会を開催することが有効です。
(平成23年6月9日掲載)
リンゴ摘果作業研修会
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