掲載日:2012年9月10日

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トピックス(H23)/ラズベリーの栽培方法の確立

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ラズベリーの栽培方法の確立(農園研 園芸栽培部)

当研究所では新規導入が容易で,かつ新たな市場を開拓できる品目として「小果樹類」,特に「ベリー類」に注目し研究を進めております。ベリー類は栽培管理の容易なものが多く,果樹初心者でも取り組みやすい品目であり,その中でも仙台市内実需者の興味が特に高かった「レッドラズベリー(写真-1)」に的を絞り,その栽培方法などの研究を進めてきましたので紹介します。なお,当研究所ではレッドラズベリーを根域制限(地下茎で増殖するため),雨よけ被覆(夏果の収穫期が梅雨季と重なるため),支柱と番線を用いた垣根仕立て,の条件下で栽培しております(写真-2)。

  • 〈冬季のせん定方法〉
    レッドラズベリーには夏と秋の二季収穫できる品種が数多くありますが,ほとんどの場合夏果の収穫量が秋果よりも圧倒的に多くなります。そこで,目標収量を1t/10a(列間1.5m)と設定した場合の二季なりレッドラズベリー品種‘サマーフェステバル’および‘サウスランド’のせん定方法を検討したところ,両品種とも結果母枝の先端枯れ込み部分をせん除し,残す結果母枝数は‘サマーフェステバル’は3本/m(図-1),‘サウスランド’は6本/m(図-2)とすることで目標収量達成ができると考えられました(表-1)。
  • 〈灌水開始点について〉
    当試験場での栽培条件では定期的な灌水が必要となります。そこで,灌水の目安を検討するため,‘サマーフェステバル’土壌水分計(pFメーター)を用いて灌水開始点を検討しました。その結果,夏果は収穫予定の2週間前から灌水開始点のpF値を上げると(つまりは乾燥気味で栽培すると),糖度が上昇する可能性がありますが,pF値を2.5以上で管理するとその年に地面から発生する吸枝(秋果を着生させ,次の年に夏果の結果母枝となる枝)の数が少なくなることが分かりました(表-2)。
  • 〈施肥量について〉
    ‘サマーフェステバル’の植栽1年目の施肥量について検討したところ,窒素成分で1株当たり5g程度と考えられました(表-3)。

(平成23年11月24日掲載)

レッドラズベリー果実

【写真-1 レッドラズベリー果実】

場内栽培試験の様子

【写真-2 場内栽培試験の様子】

サマーフェステバルの冬季せん定方法

【図-1‘サマーフェステバル’の冬季せん定方法】

サウスランドの冬季せん定方

【図-2‘サウスランド’の冬季せん定方】

【表-1 せん定方法の違いが‘サマーフェステバル’夏果におよぼす影響(平成21年)】
せん定方法の違いがサマーフェステバル夏果におよぼす影響
【表-2 灌水開始点の違いが‘サマーフェステバル’果実および吸枝発生数におよぼす影響(平成22年)】
灌水開始点の違いがサマーフェステバル果実および吸枝発生数におよぼす影響
【表-3 窒素成分量の違いが‘サマーフェステバル’秋果におよぼす影響(平成22年)】
窒素成分量の違いが‘サマーフェステバル’秋果におよぼす影響

お問い合わせ先

農業・園芸総合研究所花き・果樹部

名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

電話番号:022-383-8132

ファックス番号:022-383-9907

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