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掲載日:2026年6月17日

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第400回宮城県議会知事説明要旨

令和8年6月17日

第400回宮城県議会知事説明要旨

 本日ここに第400回宮城県議会が開会され、令和8年度一般会計補正予算案をはじめとする提出議案を御審議いただくに当たり、最近の県政の動きと議案の概要を御説明申し上げます。

 説明に先立ち、昭和22年5月に地方自治法が施行され、初の県議会が開会されて以来、今議会で記念すべき400回目の大きな節目を迎えました。この歴史的な定例会を皆様とともに迎えられましたことを、心からお祝い申し上げます。
 350回の節目から今日に至るまで、我が県は東日本大震災という未曽有の困難を乗り越え、復興から更なる発展に向けて歩みを進めてまいりました。この歩みは、県民の皆様の不撓不屈の精神はもとより、議会と執行部が県政の両輪として真摯な議論を積み重ね、知恵を出し合ってきた賜物であります。とりわけ県議会におかれましては、時代の変化を鋭敏に捉え、先進的な政策提案や条例制定を通じて、地方自治の先駆者として常に全国をリードしてこられました。その輝かしい足跡と歴代議員各位の並々ならぬ御尽力に対し、深い敬意と感謝の意を表する次第であります。
 現在、私たちは人口減少社会への対応やDXの推進、脱炭素社会の実現など、歴史の転換点とも言える新たな課題に直面しております。この大きな節目を新たな出発点とし、先人のたゆまぬ歩みを礎にしつつ、未来を担う子どもたちが「宮城に生まれてよかった」と心から誇れるふるさとを創り上げるべく、全力を尽くしてまいる所存であります。
 議員の皆様におかれましては、今後とも県勢発展のため、なお一層の御指導と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 それでは、御説明申し上げます。
 初めに、喫緊の課題への対応についてであります。
 まず、最近の経済情勢については、緩やかな回復基調にあるものの、世界情勢の緊迫化に伴い先行きの不透明感は増しております。とりわけ中東情勢は、原油価格の高騰に留まらず、ナフサの供給不足を招いております。医療消耗品から農業資材、建設塗料に至るまで、あらゆる分野で流通の目詰まりによる供給制限や価格高騰が生じており、このような状況が続けば、社会経済の根幹にも大きな影響を与えるものと強く危惧しております。
 こうした事態に対し、県では中小企業者の資金繰りを支援するため、3月24日に相談窓口を設置するとともに、4月1日には緊急経済変動対策資金の地域経済対策枠の対象に追加し、融資の取扱いを開始しました。また、庁内連絡会議を立ち上げ、現場の窮状や物資の需給状況の情報収集を進めるとともに、市町村と連携しながら県民生活への影響把握に努めたほか、先月から、県発注工事に実勢価格を反映させるよう運用の改正を行うなど、県内企業を守るため、全庁を挙げて、先手の対応を重ねてまいりました。
 国においては、供給ルートの多角化や燃油価格の激変緩和措置に加え、今月5日には、更なる対策を講じるための補正予算が成立したところであります。県といたしましても、これまでの取組に加え、国の動きと歩調を合わせ、その効果を高めるべく、物価高に直面する県内企業と県民生活を下支えするための補正予算案を今議会に提案いたします。
 また、3月25日に仙台塩釜港塩釜港区で発生した重油流出事故については、収穫間近の海藻類の廃棄や養殖資材の汚染、更には加工・流通業者への影響など、我が県水産業に深刻な影響を与えかねない事態と受け止めております。県では、こうした状況を踏まえ、4月には、被災漁業者等への相談支援体制を整えたほか、経営継続に支障が生じないよう、中小企業向けの対策資金や原則無利子となる漁業経営サポート資金の取り扱いを開始したところであります。
 今後についても、国と県で構成されるタスクフォース等において、再発防止の徹底と迅速かつ全面的な補償を国に強く働きかけるとともに、補償までの経営継続に必要な支援策を確実に講じ、なりわいの再生を全力で下支えしてまいります。
 被害の未然防止が急務となっているツキノワグマへの対応については、副知事をトップとする対策本部を設置し、庁内横断的に対応できるよう体制を強化したほか、今月1日からは注意喚起の発令基準を改正し、より強い警戒を呼びかける特別警報を新設しました。今期も各地で出没が相次いでいることから、市町村等との迅速な情報共有や対策予算の早期執行の徹底に加え、この新たな仕組みを通じて、社会全体で強い危機感を共有し、県民の安全・安心の確保に万全を期してまいります。

 次に、観光振興と交流人口の拡大についてであります。
 まず、仙台空港については、台湾・高雄線やタイ・バンコク線など国際路線の拡充により、昨年度の旅客数は400万人を超え、過去最多となりました。また、国の統計によれば、昨年の外国人延べ宿泊者数も29%増と全国平均を大きく上回り、過去最高の約96万人に達するなど、取組の成果が着実に表れております。
 今年は、仙台塩釜港に過去最多となる延べ9隻の外国籍クルーズ船の寄港が予定されているほか、宮城オルレ「蔵王・遠刈田温泉コース」の開設や、宿泊事業者の皆様の御理解と御協力の下、円滑な課税が行われている宿泊税の本格活用により、国内外からの誘客を一段と加速させてまいります。更に、15年ぶりの単独開催が決定したデスティネーションキャンペーンは、我が県の多彩な魅力を全国に発信する絶好の機会であり、令和10年度の開催に向けて官民の総力を挙げて準備を進めてまいります。
 県といたしましては、これらの好機を逃すことなく、観光地の価値向上と受入環境の整備、欧州をはじめとした国内外からの誘客を一体的に進め、観光産業が県経済を力強く牽引する原動力となるよう、着実に取り組んでまいります。

 次に、文化、芸術の振興に関しては、今週末20日に、県美術館がリニューアルオープンいたします。今回の改修では、老朽化に伴う設備の更新のほか、作品収蔵の舞台裏を公開する「見える収蔵庫」や子どもの豊かな美術体験を創出する「キッズスタジオ」を新設するなど、時代の変化にも対応した工事を実施いたしました。これを機に、誰もが気軽にアートと憩いの時間を楽しめる文化観光の拠点として、国内外から多くの人々を呼び込むとともに、感性豊かな人材を育む場として最大限に活用してまいります。
 宮城県立劇場については、資材高騰などのリスクを的確に見極め、令和10年度の竣工に向けて着実に建設を進めてまいります。また、その財源の一部として、平成25年以来となる個人向け県債「宮城県立劇場幕あけボンド」を来月発行いたします。この発行を通じて、県民の皆様に建設段階から深く関わっていただくことで、新劇場を共に創り上げる機運を醸成してまいります。

 次に、防災庁の地方機関である防災局等の誘致についてであります。
 国において、年内の防災庁設置に向けた議論が進む中、再来年夏までに設置される見通しの防災局、更には防災大学校の誘致を目指し、先月26日に、東北大学及び地元経済界、並びに県議会及び仙台市議会など、産学官一体の誘致推進協議会を設立し、今月9日には、協議会の共同代表として、私自ら、国に対する要望活動を行ったところであります。
 本県への誘致は、東日本大震災の被災地として、その教訓を防災立国の推進に生かす国家的な意義を持つだけでなく、我が県の防災対応力の強化に直結するものであり、国内外の防災・減災へ大きく貢献すべく、復興で培った豊富な知見やネットワークを生かし、地域を挙げて誘致活動を展開してまいります。

 次に、昨年の知事選挙における偽情報・誤情報の拡散については、選挙制度の根幹を脅かす重大な事態であるとの認識の下、選挙運動期間中の情報流通の諸課題に対処するための検討を進めております。具体的には、有識者による検討会において、先行自治体等へのヒアリングを重ねており、条例制定を目指す県議会とも緊密に連携を図り、表現の自由や検閲の禁止にも十分に配慮しながら、民間での取組を主体とする具体的な方策を検討し、秋頃を目途に対応策を取りまとめてまいります。

 次に、今回の補正予算案の考え方についてであります。
 今回御審議をお願いいたします補正予算案は、先ほど申し上げたとおり、緊迫する中東情勢や長引く物価高騰から県内事業者と県民生活を守るため、企業の資金繰りや物価高対策など、緊急に講ずべき対策を取りまとめたものであります。
 主な内容としましては、原材料の高騰や供給制限の長期化が懸念される中、中小企業者の円滑な運転資金の確保に向けて、金融機関への貸付原資となる預託金を増額するほか、信用保証料に対する新たな支援制度を設け、資金借入れの際の負担を軽減します。また、エネルギー価格高騰対策として、地域公共交通の維持や物流の停滞を防ぎ、事業継続を支えるため、交通事業者や貨物運送事業者等の燃料費を支援するほか、国の支援対象から外れる特別高圧で電力の供給を受ける中小企業等の電気料金に対して助成を行います。

 農林水産分野に関しては、園芸生産に係る被覆資材や畜産・養殖業の配合飼料など、生産資材の価格高騰分に対する補助金を計上し、生産現場の経営安定を確保します。生活者や教育現場への支援としては、LPガス利用者の料金負担や、学校給食費の保護者負担を軽減するほか、私立幼稚園や認可外保育施設、児童養護施設の光熱費等のかかり増し経費に対し助成を行うとともに、子ども食堂への支援や、フードバンク活動団体への助成を拡充します。
 県民生活の安全・安心の確保に向けては、医療提供体制の維持・充実を図るため、医療機関のICT機器等の導入を支援するほか、重点医師偏在対策支援区域における診療所の承継・開業や医師派遣への支援を進めます。併せて、県外からの転入者などを対象に、自然災害避難支援アプリの登録を促す「みやぎポイント」の付与に必要な原資を追加します。

 以上、補正予算案の主な内容について御説明申し上げましたが、今回の補正規模は、一般会計、総計ともに180億8,090余万円となり、財源としては諸収入120億1,620余万円、国庫支出金49億8,500余万円、繰入金10億7,960余万円を追加しております。
 この結果、今年度の予算規模は、一般会計で1兆1,140億480余万円、総計で1兆5,859億70余万円となります。

 次に、予算外議案については、条例議案7件、条例外議案8件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。
 まず、条例議案でありますが、議第102号議案は、ふるさと納税の特例控除額の上限を見直すなど、県税条例の一部を改正しようとするもの、議第103号議案は、東日本大震災の被災者が代替取得した土地等に係る不動産取得税の減免措置を延長しようとするもの、議第104号議案及び議第105号議案は、特定復興産業集積区域及び地方活力向上地域における法人事業税等の課税免除等の適用期限を延長しようとするもの、議第107号議案は、認定こども園の学級編制基準の見直しなどを行おうとするものであります。

 次に、条例外議案でありますが、議第108号議案は、訴えの提起について、議第109号議案は、和解について、議第110号議案は、財産の取得について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。また、議第114号議案は、地方税法等の改正に伴う県税条例等の一部改正について、議第115号議案は、令和7年度宮城県一般会計予算の補正について、それぞれ専決処分を行いましたので、その承認をお願いしようとするものであります。

 以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。

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