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掲載日:2014年11月26日

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第三百五十回宮城県議会知事説明要旨

平成26年11月26日

本日ここに第三百五十回宮城県議会が開会され、平成二十六年度一般会計補正予算案をはじめとする提出議案を御審議いただくに当たり、最近の県政の動きと議案の概要を御説明申し上げます。

説明に先立ち、今議会は、昭和二十二年五月に、地方自治法の施行後初の県議会が開会されてから三百五十回目の節目に当たります。記念すべき議会の開会を迎えましたことをまず心からお祝い申し上げます。
この六十七年の間、我が県においては、戦災からの復興に始まり、その後高度経済成長により目覚ましい発展を遂げるとともに、仙台塩釜港、東北縦貫自動車道、東北新幹線などの基盤整備や地域の特色を生かしたまちづくりが着実に進められてまいりましたほか、宮城県沖地震や東日本大震災などの大災害に見舞われながらも力を合わせて苦難を乗り越えてまいりました。まさに議会と執行機関が県政の車の両輪として、共に手を携え、互いに切磋琢磨しながら歩んできた道のりにほかなりませんが、とりわけ県議会におかれましては、議員提案条例を数多く制定するなど、全国から注目される地方議会として輝かしい足跡を残してまいりました。私といたしましても大変誇りに感じているところであり、県勢発展のために御尽力を賜りました歴代議員各位の熱意と努力に対し、心から敬意を表する次第であります。
今後とも、議会とともに、震災からの復興を成し遂げ、県民一人ひとりが誇りに思えるふるさとづくりを進めてまいりたいと考えておりますので、なお一層の御指導と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

また、ただいま議長から御披露と伝達がありましたとおり、小野隆議員、皆川章太郎議員、安部孝議員、坂下賢議員、佐藤詔雄議員、岸田清実議員には、長年にわたり地方自治の発展に尽力された御功績により、全国都道府県議会議長会から晴れの表彰をお受けになりました。ここに、県民の皆様とともに心からお祝い申し上げ、御功労に対し深く敬意を表するものであります。なお一層御自愛の上、県勢発展のため今後とも御活躍いただきますよう御期待申し上げます。

それでは、御説明申し上げます。
初めに、東日本大震災からの復興の取組状況についてであります。
まず、災害公営住宅についてですが、このたび国から工事を確実かつ円滑に実施するための取組が示され、具体的には見積単価を予定価格に反映することや間接工事費の経費率引上げなどが検討されることとなりました。これを受け、我が県としましても、応急仮設住宅などで今なお不自由な暮らしを余儀なくされている方々に一刻も早く落ち着いた暮らしを取り戻していただくため、円滑な施工確保対策に取り組み、平成二十九年度の全戸完成を目指して市町とともに整備を進めてまいりたいと考えております。また、防災集団移転促進事業については、計画されている百九十六地区のうち百九十三地区で工事に着手しており、このうち四十二地区では宅地の整備が完成して住宅建設も進んできております。
復興道路については、国などが三陸縦貫自動車道の延伸を図りながら、既存区間についても長距離にわたって四車線化の拡幅工事を進めているほか、県では大島架橋やみやぎ県北高速幹線道路などの新路線を建設するとともに、沿岸部の多数の路線で大規模な道路改良を行っております。このうち、気仙沼の市街地と大島を結ぶ一般県道大島浪板線については、「鶴亀大橋」との愛称が決まった大島架橋の本体工事が始まり、橋に繋がる五か所の新設トンネルがすべて貫通するなど、平成三十年度の全線開通に向けて順調に工事が進んでおります。
防潮堤については、県が整備を予定している二百七十六か所のうち、二百四十四か所で地元合意が得られ、このうち百五十五か所では工事に着手しており、二十二か所で完成しております。現時点において、三十二か所で地元合意が得られておりませんが、その内訳としては、まちづくり計画と調整中のものが二十三か所、防潮堤の高さで合意に至っていないものが八か所、位置で合意に至っていないものが一か所となっております。防潮堤は命や財産を守る基盤であり、まちづくりの出発点でもありますことから、地元と十分な調整を図りながら整備を進めてまいります。
その他の公共施設の復旧については、被災箇所数に対する完成箇所数の割合が、道路橋りょうで九割、河川で八割、港湾で四割、漁港で二割などとなっております。このうち、国に代行を依頼していた石巻漁港、気仙沼漁港、亘理町荒浜漁港では復旧工事が完了し、先月引渡しを受けました。今後、水揚量の回復はもとより、水産加工など関連産業への波及を通じて本県経済の回復が進むものと期待しているところであります。
農業関係では、被災した農地の八割で除塩を含む復旧工事が完了し、今年作付けされた農地では被災前と同じ水準の収穫量が得られました。また、畜産関係施設のほぼすべて、園芸施設の九割、排水機場の七割が復旧を終え、順調に稼働しております。
民間企業の回復状況については、これまで三千七百五十一事業者が中小企業等グループ補助金の認定を受け、このうち七割を超える二千七百三十一事業者が復旧工事を完了させております。県内では、商工会議所や商工会の会員だけでも一万一千以上の事業者が被災をしておりますが、その九割が営業を継続または再開しているところであります。

指定廃棄物の処分場につきましては、国では先月から県内三か所の候補地について現地での詳細調査を行っておりましたが、現在調査は中断しております。指定廃棄物は県内各地に分散して一時保管されたままの状況が続いておりますので、国の責任において早期に懸案の解決が図られるよう期待しているところであります。
なお、津波で全壊した防災ヘリポートの復旧整備については、これまで利府町内を事業計画地として進めてきたところですが、予想以上の大規模な造成を伴うことにより、整備に要する期間及び経費が想定を大幅に上回ることが判明したことから、移転先としては断念せざるを得ないものと判断いたしました。今後、できるだけ速やかに適地を選定し、その内容を議会及び県民の皆様に説明してまいりますとともに、整備を急いでまいりたいと考えております。
以上、御説明してまいりましたが、復旧・復興の歩みは、一部に遅れが見られるものの全体としては着実に進んできております。今後も手綱を緩めることなく、被災された方々に一日でも早く復旧・復興を実感していただけるよう、取組を加速してまいる所存であります。

次に、震災復興以外の県政の状況と主な動きについてであります。
経済情勢については、このところ政府や日銀の景気判断が軒並み下方修正されているほか、ここにきて県税収入の伸びもやや鈍化しており、先行きの不透明感がこれまでより増してきているように感じられます。また、この秋に農業協同組合から農家に支払われた米の概算金は、期待に大きく反して過去最低レベルとなり、本県経済にも大きな影を落としております。先の定例会でも多数の議員から農業者への緊急支援を求める御意見をいただきましたが、農業経営の悪化を防ぐため、今般、県独自の新たな金融支援制度を創設することといたしました。県民生活を支える地域経済の動向については、今後とも十分に注意を払いながら、各分野の実情に応じて必要な対応を検討してまいります。
今年度末で終期を迎える産業廃棄物税については、産業廃棄物の発生抑制や再生利用などに有効に活用され、震災後は被災した処理施設の復旧にも役立てられるなど、一定の成果が得られたものと考えております。今後、持続可能な循環型社会を目指した取組がますます重要となってまいりますことから、課税期間を五年間延長すべきものと判断いたしましたので、議員各位及び県民の皆様の御理解と御賛同をお願い申し上げる次第であります。
このほか、このところ火山性活動の高まりが見られている蔵王山において、登山や観光に訪れる方々に注意を促す看板等を設置したほか、レストハウスや避難小屋にヘルメットや防塵マスクなどの防災用品を配備いたしました。先月末には、不測の事態に対応するため、宮城、山形両県と山麓の六市町などで構成する蔵王山火山防災連絡会議を設置し、登山客の安全対策等を検討しているところでありますが、年度内に火山防災協議会を設立することも含めて、作業を急いでまいりたいと考えております。

次に、今後の県政運営の基本的な考え方についてであります。
宮城県震災復興計画に定める「再生期」の二年目に当たる来年度の予算編成に先立ち、先月末に平成二十七年度政策財政運営の基本方針を策定いたしました。先の予算特別委員会でも御説明申し上げましたとおり、来年度も「迅速な震災復興」をはじめとした四つの政策推進の基本方向の下、引き続き震災からの復興に最優先で取り組むとともに、国の地方創生の動きに連動しながら、人口減少対策や地域経済活性化対策など、新たな行政課題に対応した施策にも力を入れてまいります。
また、来年度予算の編成に当たっては、将来にわたって必要となる復興財源の確保に全力を挙げ、宮城県震災復興計画に掲げた施策の円滑な実施に万全を期すとともに、既存事業を厳しく見直した上で、政策推進の基本方向に沿った新たな施策や公共施設の適切な維持管理等に予算を重点配分し、財政規律との調和を図りながら一層のメリハリを効かせてまいります。
人口減少対策など地方創生に向けた取組は、創造的な復興を進める我が県において極めて重要性が高いものと考えております。今月初めには、私を本部長とする宮城県地方創生推進本部を庁内に立ち上げたところであり、今後、各界の皆様から御意見を伺いながら、来年十月までに本県としての総合戦略を策定してまいります。

(東日本大震災関連事業)
今回御審議をお願いいたします補正予算案の主な内容ですが、震災関連としましては、先月国に提出した東日本大震災復興交付金の第十回申請額を基金に積み立てるとともに、その一部を財源として被災農業者に貸与する施設及び機械の整備費や矢本海浜緑地の設計費等を追加しております。また、ドクターヘリの格納庫等の整備に対し助成を行うほか、来年三月に開催される第三回国連防災世界会議の関連事業として、防災産業展やシンポジウム、被災地スタディツアー等を実施いたします。
なお、昨年度の決算を踏まえた対応として、震災で親を亡くした子どもたちのために全国からお寄せいただいた御厚意を東日本大震災みやぎこども育英基金に、また、昨年度受け入れた国庫支出金等の未精算分を地域整備推進基金に、それぞれ積み立てるとともに、復興関係基金事業において昨年度支出されなかった額を今後の事業に充当するため基金に積戻しいたします。

(その他の主な事業)
震災関連以外の事業としては、地域医療介護総合確保基金を設置して国からの交付金等を積み立てるとともに、この財源を活用して、在宅医療の体制整備を進めるほか、医療従事者の確保、育成及び勤務環境改善を支援してまいります。また、今年産米の米価下落対策として農業者の資金繰り支援を充実するとともに、エボラ出血熱対策や肝炎対策についても強化を図ってまいります。
一般職の職員の給与については、先月人事委員会から、平成十九年以来七年ぶりに月例給とボーナスを同時に引き上げることなどを骨子とする勧告があったところですが、その取扱いを慎重に検討した結果、勧告どおり本年四月に遡及して改定することとし、その所要額を計上しております。
このほか、地方財政法に基づき、平成二十五年度一般会計決算剰余金を財政調整基金に積み立てるとともに、除融雪や河川管理、道路区画線工事など年度末から年度初めにかけて行う必要のある公共事業費や、指定管理者制度による公共施設管理運営業務委託費について債務負担行為を設定しております。

以上、補正予算案の主な内容について御説明申し上げましたが、今回の補正規模は、一般会計で六百四十八億五百余万円、総計で六百四十八億七百余万円となります。財源としては、繰越金二百八十一億八千七百余万円、国庫支出金二百六十四億七千七百余万円、繰入金九十七億八千四百余万円などを追加しております。
この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆五千三百四十七億二千五百余万円、総計で一兆九千百五十六億七千二百余万円となります。

次に、予算外議案については、条例議案十四件、条例外議案四十七件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。

まず、条例議案でありますが、議第三百三十六号議案は、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための基金を設置しようとするもの、議第三百三十七号議案は、介護保険法の改正に伴い、指定居宅介護支援事業所等の人員及び運営に関する基準を定めようとするものであります。また、議第三百三十九号議案及び議第三百四十号議案は、先ほど御説明いたしましたとおり、一般職の職員の給与を改定するとともに、これに準じて特別職等の期末手当の支給割合を引き上げようとするもの、議第三百四十一号議案は、行政処分及び行政指導に関する手続について県民の権利利益の保護を充実しようとするもの、議第三百四十五号議案は、先ほど御説明いたしましたとおり、産業廃棄物税の適用期間を延長しようとするもの、議第三百四十六号議案は、知事の権限に属する事務の一部を新たに市町村が処理できるようにするものであります。

次に、条例外議案でありますが、議第三百五十号議案は、平成二十七年度における自治宝くじの発売限度額について、議第三百五十一号議案は、土地改良事業の実施に伴う市町の境界変更について、議第三百五十三号議案ないし議第三百六十三号議案は、公の施設の指定管理者を指定することについて、議第三百六十四号議案は、県道の路線変更について、議第三百六十五号議案及び議第三百六十八号議案は、地方独立行政法人宮城県立こども病院の定款及び中期目標を変更することについて、議第三百六十六号議案及び議第三百六十七号議案は、公立大学法人宮城大学及び地方独立行政法人宮城県立病院機構の中期目標を定めることについて、議第三百六十九号議案ないし議第三百八十七号議案は、工事請負契約の締結について、議第三百八十八号議案ないし議第三百九十四号議案及び議第三百九十六号議案は、工事請負変更契約の締結について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。

以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。

(追加説明その一)

提出議案の概要を御説明申し上げます。

議第三百五十二号議案は、地方自治法の規定に基づき、公の施設の指定管理者を指定することについて、議会の議決を受けようとするものであります。

何とぞ、慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。

(追加説明その二)

提出議案の概要を御説明申し上げます。

議第三百九十五号議案は、工事請負変更契約の締結について、議会の議決を受けようとするものであります。

何とぞ、慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。

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