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掲載日:2023年10月5日

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ワークショップ活動の記録「発想を生み出す実験(行為から)」

「発想を生み出す実験(行為から)」

  • 日時:2022年9月8日(木曜日)午前10時~午後3時(A日程)
    •    2022年9月11日(日曜日)午前10時~午後3時(B日程)※両日とも同内容
  • 場所:創作室2
  • 対象:16歳以上
  • 担当:齋藤守彦(教育普及部職員)
  • 参加者数:1日目9人、2日目10人

 創作は発想することから始まります。では、発想はどのようにして生まれて来るのでしょうか。このワークショップでは、意図して発想を生み出すことをねらい、行為からの発想について、さまざまな実験を通してその検証を行いました。

活動の様子

 まずは、発想がどのようなときに生まれてくるのかについて話し合い、「突然、偶然にひらめく場合」と「『きっかけ』があってひらめく場合」に分類することができました。その後、ひらめくための「きっかけ」を意図的に手繰り寄せる方法について考えました。「きっかけ」を見つけるためには「造形的な視点」が必要であることから、この視点について確認した上で、以下の実験を始めました。

 まずは「トリミング」の実験を行いました。地図、風景、静物のある空間をトリミングシートを使って切り取りながら、様々な事物を「造形的な視点」で捉えることを意識した活動を行いました。次の実験は、「視点を変えてみる」です。アリスの庭にある彫刻「みちくさ」を様々な視点から見てみました。視点の違いによって「感じること」が違ってくることを確認しました。つまり見た対象から生まれる「発想」が変わってきます。ここでは、それぞれの角度から見て感じた印象を、言葉として表現してみました。次に行った実験は、自分が動いて対象を見る視点を変えながら、また、動いていく対象を目で追いかけながら、表現する上で最も理想的な視点を見つけることです。午前中は、このような実験を行いながら、意識して造形的な視点を使うことによって、意図的に新しい発想の「きっかけ」が生みだせることを確かめていきました。

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 午後からは、造形的な視点を意識して写真を撮ることで、発想のきっかけが生まれるかどうかの検証を行いました。参加者がそれぞれ自分の携帯電話の写真機能を使って撮影した写真を参加者で鑑賞し、それぞれの視点のよさや表現のよさについて意見を出し合いました。この話し合いを通して互いの視点の差異に気づくことで、さらに造形的な視点についての理解が深まりました。

 その後、物を実際に見るという行為から離れ、行為を通して頭の中で想像するという実験「物語から発想する」「言葉から発想する」や、コンピュータの機能を使って「色を反転させる」「像を反転させる」などの、想像を超えたところで生まれる新しい発想があることに気づく実験も行ってみました。

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 最後の感想発表では、「発想することを楽しむことができた」「これからものを見るときには、造形的な視点を意識してしまいそうだ」という感想が聞かれました。

 このワークショップに参加した参加者の多くが、後日創作室を訪れ、自分が撮った写真や、色相反転させた写真を見せてくださいました。その際、発想のきっかけを掴むことができるようになったという声が多く聞かれ、このワークショップで行った実験が効果的であったことがうかがえました。

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