令和2年度宮城県芸術選奨及び同新人賞の受賞者決定について
宮城県芸術選奨は,芸術活動の奨励と振興のため,美術,文芸,音楽,演劇,舞踊,メディア芸術の各分野において,活発な創作活動を行い,優れた作品等を発表された個人,団体に贈られるものです。
令和2年度の受賞者を決定しました。(受賞者の功績等はこちら [PDFファイル/5.13MB]からも御覧いただけます。) ※授賞式の内容は後日掲載します。
なお,受賞者の方々の作品を集めた「芸術選奨受賞者作品展」を下記により開催します。皆様お誘い合わせの上,お越しください。
期日 令和3年1月18日(月曜日)から24日(日曜日)まで
会場 東京エレクトロンホール宮城 5階展示室
料金 入場無料
展示内容は後日掲載します。
令和2年度宮城県芸術選奨及び同新人賞受賞者
令和2年度は芸術選奨5人,芸術選奨新人賞5人が選ばれました。
受賞者 部 門 | 受賞理由 | 主な作品 |
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安住 英之 | 昭和29年生まれ。 日本画家として,早くから河北美術展や春の院展で入選を重ね,昭和52年度宮城県芸術選奨新人賞を受賞している。河北美術展では河北賞(最高賞)を受賞し,招待作家を務めた後,現在は顧問として活動している。また,自身の作品制作や発表だけでなく,高校や大学で教壇に立ち,日本画の普及・指導にも長年にわたって尽力してきた。 令和元年度は,河北美術展への顧問出品や,企画展「修竹展‐篆刻と書と‐」への特別出品等の活動が高く評価された。 今後も精力的な制作活動により,日本画界に刺激を与え続けるとともに,「楓の会」等において,若手日本画家の育成に努められ,本県の日本画界のけん引役としての役割が大いに期待される。 | 「秋風索漠」 |
森 敏美 | 昭和29年生まれ。 平成元年に国営みちのく湖畔公園アートフェスティバルでグランプリを受賞。その後,平成6年の福島県国定記念体育館壁画など,多くの公共施設にパブリックアートとしての壁画作品を制作。近年は,ミクストメディア作品が評価され,平成28年にはリサイクルアート展2016準グランプリも受賞している。また,美術解剖学会理事,宮城県芸術協会運営委員としての活動のほか,長年にわたって学生の指導にも尽力してきた。 令和元年度は,特別展「『交響のソロ』11人の作家に見るみやぎの芸術のいま」やモザイク展2019,宮城県芸術祭への委員出品等,意欲的な活動を行った。 氏の作品は,その豊かな発想により,平面や立体と,常に変遷を続けている。今後も,モザイク,フレスコ,ミクストメディア等の種々の技法を用いて,作品の幅は広がりを見せ,発展を続けていくことが期待できる。 | 「AMBIVALENCE1812」 |
小川 和子 | 昭和18年生まれ。 近藤孝則氏に師事し,河北工芸展で初入選を果たすと,以後,河北工芸展や新工芸東北会展等での受賞を重ね,河北工芸展招待作家として活動するに至っている。また,全国でも,日展入選5回,新工芸展奨励賞受賞と,実績を重ねている。また,仙台市太白区に築窯した香風窯において,香風会を主宰し,県内での指導・普及活動も続けてきた。 令和元年度は,改組新第6回日展で入選,河北工芸展招待作家特別賞を受賞するなど,高い評価を得た。 今後も,絵画で培った色彩感覚を生かし,優れた作品を発表していくことはもとより,後進の指導や,陶芸の裾野を広げていくことが望まれる。 | 「飛翔3」 ※3はローマ数字表記 |
佐藤 寿一 | 昭和35年生まれ。 平成10年から平成16年まで,山形交響楽団指揮者を務め,実績を重ね,仙台フィルハーモニー管弦楽団をはじめ,国内のオーケストラの他,海外のオーケストラで客演指揮を務めている。平成23年,震災後わずか15日後に開催された仙台フィルハーモニー管弦楽団による第1回復興コンサートの指揮や,平成25年のニューヨーク・カーネギーホールで指揮を務めた「第九」公演は大好評を博した。 令和元年度は,バッハホール管弦楽団,石巻市民交響楽団の定期演奏会の指揮を務めたほか,かくだ田園ホールでの「第九」公演において,自身の編曲による室内管弦楽団編成による上演を試み,地方における「第九」公演の一つの演奏のあり方を示したと言える。 今後,オーケストラ指揮,オペラ指導など,幅広い分野で,県内はもちろん,広く国内外での活躍が期待される。 | 指揮近影 |
仙台短篇映画祭実行委員会 | 平成13年発足。 | 311仙台短篇映画祭制作プロジェクト |
受賞者 部 門 | 受賞理由 | 主な作品 |
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山本 泰士
| 昭和50年生まれ。 | 「FREAKS2018-KUMA」 |
千葉 四帆
| 昭和43年生まれ。 河北書道展,宮城県芸術祭書道展でこれまで入賞を重ね,毎日書道展等の全国展でも活躍を続けている。前衛書を得意とし,独自の超長鋒を使い,白と黒が響き合う現代的な作風は中央でも評価を集め,近年は近代詩文書にも前衛書の用筆を取り入れるなど,意欲的な作品を発表している。 令和元年度は,前衛書作品を中心に,近代詩文書など多岐にわたって公募展,会員展への出品を行ったほか,河北書道展招待作家,宮城県芸術協会書道部運営委員に就任するなど,精力的に活動した。 今後も自身の研さんに努め,前衛書の表現の可能性を追求するとともに,前衛書の魅力を後進に伝え,若手の育成・けん引役としての活躍が期待される。 | 「奏でる」 |
伊東 卓 | 昭和46年生まれ。 10代の頃から内装業を生業とする氏は,「Rooms」シリーズで,リフォーム前の壁面に残された,他者の生活の痕跡を撮影してきた。作品を読み進めると,そこに暮らした人との目線の共有は,感情の共有へと変容し,作品は,人のいた箱・空間であることを超え,棲む者の皮膚,その抜け殻として立ち現れる。 令和2年1月に開催した個展「光の穴」もその延長にあり,加計呂麻島の格納壕等の作品は,壕にいた者との目線・感情の共有,共鳴へと揺さぶられていくもので,言語化することが困難な領域を写真によって表出させた優れた作品として高く評価される。 今後も,継続して作品制作に真摯に向き合うとともに,作品集の出版を含め,新たな写真の可能性の領域を広げてほしい。 | 「光の穴」 |
佐藤 厚志 | 昭和57年生まれ。 | 「境界の円居」 |
芝原 弘 | 昭和57年生まれ。 石巻市出身の氏は,東京を中心に活動を行っていたが,東日本大震災で被災した故郷を芝居で元気づけたいとの思いから,平成25年に演劇ユニット「コマイぬ」を立ち上げた。以後,コマイぬで,朗読劇や絵本の読み聞かせなどの「よみ芝居」の創作を展開するとともに,いしのまき演劇祭の企画や,県内外の劇団の舞台公演に客演を続けてきた。 令和元年度は,毎月1回のペースで企画・開催した「コマイぬ月いちよみ芝居」や,東日本大震災の被災地を題材とする「よみ芝居『あの日からのみちのく怪談』」での構成・演出が高く評価されたほか,ミュージカル「シシ」主演など,確かな実力に裏打ちされた活動を展開した。 今後も,氏自身のより一層の活躍はもとより,高校生や市民らの「よみ芝居」の輪への参加を広げるなど,地域での演劇活動の普及に寄与していくことが期待できる。 | コマイぬよみ芝居 |