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ガン類の日中の分布について

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年8月13日更新

みやぎの世界湿地魅力発信事業

 宮城県内には, 「伊豆沼・内沼」,「蕪栗沼・周辺水田」,「化女沼」,「志津川湾」の4つのラムサール条約湿地があり,その中でも,県北部に位置する「伊豆沼・内沼」,「蕪栗沼・周辺水田」,「化女沼」の3つは,直線で結ぶと三角形に見えることから,地域の方々から「ラムサールトライアングル」と呼ばれています。

 日本に飛来するガン類(マガンやオオヒシクイなど内陸性のガン類)の約90%が,このラムサールトライアングルの3つに飛来していると言われ,夜はこれら湿地等をねぐらにし,昼間は周辺の広大な水田などで給餌及び休息しています。

 長年にわたり,市民団体が「Flying Geeseを探せ!(ガン類の水田利用調査)」を実施しており,日中のガン類の分布状況を調査しています。

 今回,平成30年度及び令和元年度に実施したこの市民調査をもとに,同団体が県内に渡来するガン類のうち,マガン,オオヒシクイ,亜種ヒシクイ,シジュウカラガンについて,主に11月から2月の日中の分布状況及びねぐら入りへの導線の傾向についてまとめましたので,朝の飛び立ちや,夕方のねぐら入りの時間帯以外で,ガン類を観察する参考にしてください(この内容は,あくまで当該市民調査による結果と考察になります)。

 なお,相手は生きものですので,必ずその時期に,この場所で見られるというものではないことはご了承いただくとともに,観察等に際しては,生きものへの配慮と細心の注意を払い,土地所有者等への確認などマナーを守って,自己責任で行ってください。

 

<野鳥観察等に当たっての注意事項>

○付近の住民の迷惑になる行為や、農作業の妨げとなる行為はやめましょう。

○駐車後は速やかにエンジンを止めましょう。

○早朝は鳥が眠っていますので、車等のライトやカメラのフラッシュで沼を照らさないようにしましょう。

○鳥に近づきすぎたり、沼に入ったり、ラジオなど音の出るものを鳴らすなど、鳥を驚かす行為はやめましょう。

○それぞれの場所で利用マナーを守りましょう。

 

 (みやぎ環境税活用事業「みやぎの世界湿地魅力発信事業」で実施しています)

マガン

 渡来するガン類のうち、最も個体数の多い種です。10年以上続けてきた「Flying Geese を探せ!」調査から、渡来当初は塒である伊豆沼や蕪栗沼周辺に多くの個体が集中していること、年末、年明けと越冬期を通じて行動範囲は広がっていき、大崎市岩出山や加美町へも採食にでかけるようになる様子がわかってきました。

 マガン      

マガンの調査結果
   
平成30年11月平成30年12月平成31年1月

マガン2018年11月

マガン(平成30年11月) [その他のファイル/884KB]

マガン2018年12月

マガン(平成30年12月) [その他のファイル/891KB]

2019年1月

マガン(平成31年1月) [その他のファイル/932KB]

朝6時0分頃、伊豆沼周辺では志波姫(しわひめ)や若柳などへ、蕪栗沼周辺では田尻や小牛田(こごた)などへ採餌に出かけます。塒入りは16時半頃です。この時期は塒の沼からそれほど遠くない田んぼで餌を食べることが多いです。

朝6時20分頃、伊豆沼周辺では志波姫(しわひめ)や若柳などへ、蕪栗沼周辺では田尻南部や米山などへ採餌に出かけます。塒入りは16時半頃です。この時期は塒の沼からそれほど遠くない田んぼで餌を食べることが多いですが、11月よりも広い地域を利用するようになりました。

朝6時30分頃、伊豆沼周辺では志波姫(しわひめ)や石越などへ、蕪栗沼周辺では小牛田や中新田などへ採餌に出かけます。塒入りは16時50分頃です。この時期は広い地域で多くの個体が見られます。栗駒あたりの個体数が増えるのは北へ帰る準備がはじまっていると考えられています。

平成31年2月令和元年11月令和元年12月

マガン(平成31年2月)

マガン(平成31年2月) [その他のファイル/981KB]

マガン(令和元年11月)

マガン(令和元年11月) [その他のファイル/881KB]

マガン(令和元年12月)

マガン(令和元年12月) [その他のファイル/896KB]

朝6時10分頃、伊豆沼周辺では栗駒などへ、蕪栗沼周辺では古川西部や豊里などへ採餌に出かけます。塒入りは17時30分頃です。この時期は北国への渡りが始まり、全体の湖多数が減ってきます。広い地域に散らばりながら日を追う毎に姿が見えなくなっていきます。

朝6時0分頃、伊豆沼周辺では志波姫(しわひめ)などへ、蕪栗沼周辺では小牛田(こごた)などへ採餌に出かけます。塒入りは16時30分頃です。ガン類の日中の調査ではマガンの総個体数が10万羽を超えました。2018年11月と比べ、全体的に西よりの地域を利用していました。どちらの年も積雪はなく、原因はわかりません。

朝6時20分頃、伊豆沼周辺では志波姫(しわひめ)などへ、蕪栗沼周辺では古川や豊里などへ採餌に出かけます。塒入りは16時30分頃です。伊豆沼、蕪栗沼、化女沼、長沼などの塒間の移動も多いと考えられます。

令和2年1月令和2年2月 

マガン(令和2年1月)

マガン(令和2年1月) [その他のファイル/969KB]

マガン(令和2年2月)

マガン(令和2年2月) [その他のファイル/980KB]

 

朝6時30分頃、伊豆沼周辺では若柳や中田などへ、蕪栗沼周辺では古川や登米(とよま)などへ採餌に出かけます。塒入りは16時50分頃です。この冬は暖冬で北帰行が早くはじまったようです。12月と比較して3万羽も減っていました。

朝6時10分頃、伊豆沼周辺では若柳や栗駒などへ、蕪栗沼周辺では田尻などへ採餌に出かけます。塒入りは17時30分頃です。この日の前日まで強い寒波が入り、群れが少し戻ってきました。広い地域にマガンの群れが散らばっているのがこの時期の特徴です。

 

        

オオヒシクイ

 ヒシクイの亜種で亜種ヒシクイよりも嘴が長く、スラッとした顔つきをしています。蕪栗沼や長沼で塒をとるオオヒシクイは夜間に採食に出かける個体も多いので、採餌場所の全容を把握するには難しい面もありますが、昨シーズンと同様、蕪栗沼周辺の水田や大崎市岩出山上野目付近で日中採食する姿が観察されています。 

 オオヒシクイ 

オオヒシクイの調査結果
   
平成31年1月平成31年2月令和元年11月

オオヒシクイ(平成31年1月)

オオヒシクイ(平成31年1月) [その他のファイル/854KB]

オオヒシクイ(平成31年2月)

オオヒシクイ(平成31年2月) [その他のファイル/895KB]

オオヒシクイ(令和元年11月)

オオヒシクイ(令和元年11月) [その他のファイル/844KB]

本種は蕪栗沼や長沼にねぐらを取っています。マガンと違い塒の沼で餌を食べたり、休んだりを繰り返し、沼から出かけるのは夜間のことも多いので、暮らしぶりはよくわからない点もあります。

蕪栗沼の周辺4ヶ所で合計21羽が見つかりました。この冬は11~12月には沼以外の場所では見つからず、年が明けてからわずかな個体が沼の外でも見られました。

蕪栗沼と伊豆沼周辺2ヶ所で合計32羽が見つかりました。塒の沼からあまり遠くへは行っていないようですが、岩手県側でも本種の情報があり、謎の多い鳥です。

令和元年12月  

オオヒシクイ(令和元年12月)

オオヒシクイ(令和元年12月) [その他のファイル/846KB]

  

蕪栗沼周辺1ヶ所のみで40羽が見つかりました。昨年の冬は年明け後の確認でしたが、今季は年末までの記録だけでした。

  

      

亜種ヒシクイ

 ヒシクイの亜種で調査エリアの東側、平筒沼の南側の地域に多くの個体が見られました。昨シーズンまで採食場として利用していた水田が大豆畑となったり、圃場整備の工事が行われていたりして、新たな餌場を探して動き回っている印象がありました。夜間も沼には帰らずに田んぼで採食を続ける個体も多いようで、その暮らしぶりは謎に満ちています。

 亜種ヒシクイ

亜種ヒシクイの調査結果
   
平成30年11月平成30年12月平成31年1月

亜種ヒシクイ(平成30年11月)

亜種ヒシクイ(平成30年11月) [その他のファイル/841KB]

亜種ヒシクイ(平成30年12月)

 

亜種ヒシクイ(平成31年1月)

本種は平筒沼などに分散して塒を取っています。夜間も積極的に活動していて、一晩中田んぼで餌を食べていることもあるようです。

平筒沼での塒の利用は減少傾向です。河川敷などに新しい塒を取り始めていると思われます。日中は米山から河北にかけての地域でよく見かけます。

豊里から河南にかけて継続して確認できています。また、化女沼に近い真山(まやま)や長沼に近い迫や中田でも見つかりました。

平成31年2月令和元年11月 令和元年12月
亜種ヒシクイ(平成31年2月)亜種ヒシクイ(令和元年11月)亜種ヒシクイ(令和元年12月)

豊里から河南にかけて継続して確認できています。中田から県境を越えた岩手県側からも観察情報が寄せられています。北よりの地域で多く見られるのは、渡りの準備が始まっているからでしょうか。

日中田と桃生(ものう)の2つの地区で確認されました。この種は毎年少しずつ違った動きをするので調査には気を遣います。

豊里から桃生にかけて確認されました。今季最大の1,300羽以上が記録されましたが、年々越冬個体数が減少しているのが気になります。

令和2年1月令和2年2月 
亜種ヒシクイ(令和2年1月)亜種ヒシクイ(令和2年2月) 

米山から桃生までの地域で多くの個体が確認されました。真山から高清水までの地域でも見つかっています。

米山から桃生までの地域で多くの個体が確認されました。マガンやシジュウカラガンは数日前の寒波の影響で1月よりも2月の総個体数が上回りましたが、亜種ヒシクイは逆に減っていました。

 

シジュウカラガン

 本種の確認個体数は2017~2018年の調査シーズンでヒシクイの確認個体数を上回りました。その状況は今シーズンも同様に続いています。例年はマガンよりも遅く渡来し、早く渡去すると考えられており、12月から1月にかけて多くの個体が確認されるます、11月や2月は多くありません。

 シジュウカラガン  

シジュウカラガンの調査結果
   
平成30年11月平成30年12月 平成31年1月
シジュウカラガン(平成30年11月)シジュウカラガン(平成30年12月)シジュウカラガン(平成31年1月)

一度は絶滅したと思われた本種も長年の復活への取り組みによって、個体数は順調に増加しています。2017年から亜種ヒシクイの個体数を上回り、マガンに次ぐ勢力となりました。

本種はまとまった群れで毎日移動していて、この日は北浦に大きな群れが見られました。

小野田、中新田、古川と西側の地域を多くの個体が利用していました。マガンがそれなりに散らばって分布するのに比べ、シジュウカラガンは群れとして行動することにこだわっているように見えます。

平成31年2月令和元年11月令和元年12月

シジュウカラガン(平成31年2月)

シジュウカラガン(令和元年11月)

シジュウカラガン(令和元年12月)

小野田から古川にかけての地域に分布していました。1月と分布はとても良く似ていますが、総個体数は3分の1以下になっています。古川あたりに多くの個体が集まっていました。他に蕪栗沼の東側や伊豆沼の北西側、志波姫(しわひめ)でも群れが確認されました。先月とは少し場所が変わりましたが、引き続き古川あたりに多くの個体が集まっていました。他には豊里にもまとまった群れが見られました。総個体数は今季最大で、2,388羽でした。
令和2年1月令和2年2月 

シジュウカラガン(令和2年1月)

シジュウカラガン(令和2年2月)

 
暖冬のおかげで、一気に総個体数が減りました。岩出山で合計30羽出たのが最大です。前月と比べると120分の1です。数日前に強い寒波が入り、多くのシジュウカラガンが帰って来ました。12月とほぼ同じ個体数が確認されました。マガンは寒波によって戻ってきたのは、群れの一部だけでしたが、シジュウカラガンは大部分が戻ってきました。今季の採餌場所は古川付近がお気に入りのようでした。 

 

 平成30年度及び令和元年度調査報告書

 「Flying Geeseを探せ!(ガン類の水田利用調査)」調査報告

【平成30年度】

みやぎラムサールトライアングル魅力発信事業情報発信基盤整備業務報告書 [PDFファイル/1.11MB]

報告書作成者:特定非営利活動法人田んぼ

 

【令和元年度】

みやぎラムサールトライアングル魅力発信事業情報発信基盤整備業務報告書 [PDFファイル/3.33MB]

報告書作成者:特定非営利活動法人田んぼ

        

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