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(農業・園芸総合研究所 栽培部)
トマトの低段密植栽培は通常のトマトの栽培である年1作や年2作栽培より,株間を密植して1~6段花房程度で摘芯して短期栽培を繰り返す栽培法のことです。低段密植栽培自体は昭和40年代頃にはすでにあった技術ですが,ここ近年全国的に注目されています。
今トマトの低段密植栽培が注目されている理由として,技術の進歩により季節や天候に左右されることなく高品質かつ均質な大量の苗が栽培できるようになったこと,養液栽培の普及により植え替えの手間が今までの土耕栽培より少なくなったこと,病害虫のリスクを減らすことができることなどが上げられます。また、年1作の長期栽培では収量は増えるものの軒高が高いハウスが必要でした。しかし,この低段密植栽培では通常の軒高の高さのハウスで栽培できる強みも持っています。
農業・園芸総合研究所園芸栽培部では,宮城県に適したトマト低段密植の品種検索の試験を行っています。この試験では1作につき花房を3段で摘芯し,これを年に3回繰り返し収量や品質などを調査したところ,年間で約30t/10aの収量が見込まれました。また,現在は塩を添加し低段密植栽培における高糖度トマトの栽培などの試験も行っています。これらを組み合わせて,宮城県において収益性の高い作型の構築を目指しています。
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