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(農園研 情報経営部)
宮城県では平成21年で約700haの水田圃場に地下灌漑制御システム(FOEAS:フォアス)が導入されていますが、その機能が十分に活用されていない地域も見受けられます。
そこで既にFOEAS圃場で大豆の団地化や野菜栽培に取り組んでいる地域において、FOEASの導入による生産者の意識変化についてCS分析を行いました。
その結果、「乾田直播栽培の導入のしやすさ」は重要率が高い割に満足率が低かったことから、改善度が高いという結果になりました。
一方、「圃場の排水性の向上」「管理作業の精度の向上」「大豆の耕起播種作業の計画的な進行」「大豆の水管理のしやすさ」「野菜品目の導入のしやすさ」の満足率が高くなりました。
この地域ではFOEAS導入にあたって話し合いや先進地視察を重ね、FOEASの機能や特徴についての理解や有効活用に対する関心が高く、それらが高い評価に結びついているのではないかと考えられました。
また地下水位の調節方法に関するマニュアルの必要性については9割近くの回答者が「必要」「どちらかといえば必要」と回答し、作目や生育ステージ、土壌条件等に応じた利用マニュアルを提供することで、FOEASの機能がさらに発揮されるのではないかと考えられました。
今後はこれらの考察をもとに、他の導入事例を分析することでFOEASの高度利用に繋がる要因を明らかにしたいと考えています。
この内容は、農林水産省プロジェクト研究「水田の潜在能力発揮等による農地周年有効活用技術の開発(3)」で得られた成果です。
(平成24年9月4日掲載)
FOEASほ場における野菜の栽培状況(とうもろこし)
FOEASほ場における野菜の栽培状況(ブロッコリー)
表 FOEASに対する顧客満足度
※CS分析…商品やサービスについて利用者の意識を分析し、改善すべき内容を見つける手法。
総合的な満足率と個別項目についての満足率の回答とを関係づけて分析する。
重要率が高く、満足率が低ければ改善度が高くなり「改善すべき項目」といえる。
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