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(農園研 バイオテクノロジー開発部)
我が国の稲・麦類・大豆は「主要農作物」と位置付けられ,特に,本県は,「ひとめぼれ」に代表される水稲銘柄米の生産県であり,大豆では全国2位の作付面積を誇るなど,水田農業を推進していく上でも極めて重要な作物になっています。
それらの作物の根幹を成すのが厳密かつ厳格な種子生産体制の維持であり,品種固有の遺伝的特性を持つ健全かつ良質な種子を生産することで,農業者が安心して種子を購入することができ,また消費者も安心して表示通りのお米等を購入することができる体制が整います。
これらの種子生産体制の重要性を鑑み,国ではこれら主要農作物種子の増殖の重要な部分(原原種及び原種生産)は都道府県で実施することと法律(主要農作物種子法)で定め,その役割を本県では当研究所バイオテクノロジー開発部(原種苗チーム)で行っています。
具体的に種子生産の流れは次のとおりです。
(1)原原種系統生産
奨励品種が決定すると,育成地から系統種子の分譲を受けます。各系統ごとに,1個体ずつ栽植し,生育経過を注意深く観察しながら,品種特性を保持する系統を選抜し,その中から株ごとに採種します。これが系統種子となります。
個体選抜後,品種特性を保持する株をまとめて刈り取ります。これが原原種となります。
(2)原種生産
原原種を用いて栽培を行い,異株等を除いて刈り取り,採種した種子が原種となります。
原原種系統栽培や原種栽培では,生育中に研究所職員がほ場審査を行い,全株を観察して品種本来の特性と異なる株はほ場から取り除いています。
(3)一般種子生産
原種は,県が指定した種子生産者に配付され,農業改良普及センターの指導の下に一般農家に供給する一般種子が生産されます。
県奨励品種のうち当所で採種している品種数は,水稲は22品種のうち主力品種である「ひとめぼれ」を含む19品種,麦類は6品種のうち平成20年に奨励品種に採用された小麦品種「あおばの恋」を含む5品種,大豆は8品種のうち主力品種である「ミヤギシロメ」を含む7品種となっております。
平成24年度の系統原原種,原種栽培は,15品種を栽培面積1,377aで生産を行っております。
(平成24年12月12日掲載)
図1 原原種系統栽培,原種栽培面積の推移
図2 稲の原原種系統栽培の田植え(1本ずつ植えます)
図3 研究所職員によるほ場審査(大麦)
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