ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ組織でさがす広報課第三百七十七回宮城県議会知事説明要旨

第三百七十七回宮城県議会知事説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年2月16日更新

令和3年2月16日

 

 

第三百七十七回宮城県議会知事説明要旨

 本日ここに第三百七十七回宮城県議会が開会され、令和三年度一般会計当初予算案をはじめとする提出議案を御審議いただくに当たり、令和三年度の県政運営の考え方と議案の概要を御説明申し上げます。

 説明に先立ちまして、今月十三日深夜、福島県沖を震源とする最大震度六強の強い地震が発生し、県内各地でけが人が相次いだほか、住宅や公共施設の一部などにも被害が発生いたしました。今回の地震により被害を受けられた皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 県としましては、地震発生後、直ちに災害対策本部を設置し、被害状況の収集など、初動対応を実施いたしました。詳細な被害状況については、鋭意調査中ではありますが、港湾などの施設等において被害が生じており、今後適切な対応を図っていくとともに、不測の事態へ適切に対応できるよう、引き続き防災体制の強化に努めてまいります。

 それでは御説明いたします。

 平成二十三年三月十一日午後二時四十六分に発生した東日本大震災から十年の大きな節目を迎えようとしております。県民の皆様それぞれが十年間を振り返り、様々な思いでこの日を迎えられることと思います。

 あの未曾有の災害から今日までの十年間、幾多の困難を乗り越え、我が県の総力を挙げて復旧・復興に邁進してまいりました。震災後、被災された方々が自らの境遇を嘆き悲しむだけではなく、互いに助け合い、復興に向けた強い決意をもって立ち向かう姿に私自身も勇気づけられるとともに、県民の皆様に二度と同じ苦しみ、悲しみをもたらしてはならないと復興に命をかけることを強く決意したことが思い出されます。また、国内外からの様々な御支援は、復興の大きな支えとなりました。改めて心より感謝申し上げます。

 震災からの復興に当たっては、将来を見据え、たとえ痛みを伴う取組であっても、将来世代のため思い切った施策を講じる必要があると考え、復旧にとどまらない抜本的な再構築による「創造的な復興」を掲げました。その中で、水産業復興特区や約三十七年ぶりとなる医学部の新設、仙台空港の民営化などに、時には国や関係者と厳しい議論を交わしながらも果敢に挑戦し、実現してまいりました。こうした我が県の復興への歩みに対する評価は、後世に委ねたいと思いますが、今後の復興の在り方に大きな足跡を残すことはできたものと確信しております。これまでの取組でインフラの復旧や災害に強いまちづくりは概ね完了しましたが、被災者の心のケアなどについては継続的な取組が求められており、丸十年となる三月十一日を迎えるに当たり、引き続き被災者に寄り添った取組を進めていく決意を新たにしたところであります。

 令和三年度は、新たな県政運営の指針である「新・宮城の将来ビジョン」の初年度であるとともに、国の第二期復興・創生期間のスタートであり、新たな県政のステージへの飛躍の幕開けとなる重要な年となります。また、来年二月十六日には宮城県が誕生してから百五十年の節目を迎えます。

 「新・宮城の将来ビジョン」については、私が県政をお預かりしてから十五年間の県政運営の成果や課題、社会情勢の変化などを踏まえ、「富県躍進!~多様な主体との連携による活力ある宮城を目指して~」を県政運営の理念とし、将来の宮城のあるべき姿や目標を共有すべく県民の皆様へお示ししたものであります。その推進に当たっては、理念に掲げたとおり、多様な主体との連携による、正に県全体の英知を結集し、県内経済を安定的に成長させ、富の循環を生み出すことが重要となります。その富の循環により、子育てや教育、福祉、災害対策など安全安心で質の高い暮らしを実現するとともに、地域の魅力を高める取組を更に推進し、「生まれてよかった、育ってよかった、住んでよかった」と思える宮城を創り出すことが求められています。そのためにも、今後想定される社会変化に的確に対応し、様々な課題を乗り越えていかなければなりません。

 今後、本格的な人口減少局面を迎えるに当たり、長期的な影響やリスクを想定し、女性・高齢者の就業促進や外国人材の活用をはじめとした人材確保策と、働き方改革やAI、IoTといった先進的デジタル技術の活用による生産性向上の両方向からの取組を効果的に進めるほか、未来を担う子ども達を社会全体で支える環境を構築してまいります。地域振興においては、これまでの交流人口の拡大に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機とした地方での暮らしへの関心の高まりを捉えた施策を重層的に講じることにより、地域の賑わいを創出するとともに、SDGsの理念を踏まえた持続可能な地域社会づくりを目指します。

 また、昨年九月の「みやぎデジタルファースト宣言」に対応し、行政手続のオンライン化や様々な産業分野におけるデジタル技術の活用に向けた実証機会の創出などデジタル改革を推進するとともに、「新・宮城の将来ビジョン」に掲げる施策を効率的かつ効果的に実施できるよう体制の整備を図るため、復興・危機管理部の設置やスポーツ振興業務の移管を含む企画部の再編のほか、子育て支援や観光振興など時代の変化に即応した組織改編を行います。

 新型コロナウイルス感染症の影響で今年夏の開催へ延期された東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会については、引き続き感染症の影響が懸念されるところですが、ホストタウン市町等と連携して対応するとともに、震災からの復興の姿を発信し、これまでの御支援への感謝を伝える「復興五輪」に相応しい大会となるよう万全を期してまいります。同じく開催延期となりました「第四十回全国豊かな海づくり大会」については、十月三日の開催が決定し、万全の感染対策を講じながら着実に準備を進めてまいります。

 四月からの半年間、東北六県を対象として実施する「東北デスティネーションキャンペーン」については、感染症拡大の影響で深刻な打撃を受けている観光関係者等から大きな期待が寄せられており、各県の総力を挙げて東北の魅力を発信し、交流人口の拡大や地域経済の再生につなげてまいります。

 また、リボーンアート・フェスティバルは、平成二十七年度に始まり令和三年度が三回目の開催となりますが、文化芸術の持つ力で被災地の心の復興に寄与するほか、地域経済の活性化などの効果ももたらすことから、引き続き積極的に支援してまいります。

 官民連携による上水道、工業用水道、下水道の三事業を一体的に管理運営する「みやぎ型管理運営方式」については、昨年末までに競争的対話を終え、今年度中に優先交渉権者を決定し、令和四年度の事業開始に向け、着実に手続を進めてまいります。

 仙台空港の運用時間の二十四時間化については、地元との協議が整い、先日、名取市及び岩沼市と覚書を取り交わしたところであります。今後、空港民営化と運用時間延長という大きな強みを活かして、積極的にエアポートセールスや利用促進に努め、宮城・東北の発展に向けて交流人口の拡大等を図ってまいります。

 県立がんセンターなど三病院の連携等に向けた協議については、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、現在も関係者間の調整が続いている状況にありますが、将来を見据えた政策医療を担う体制整備という重要な課題も含めて、できる限り早く方針を示すことができるよう鋭意協議を進めてまいります。

 復興の完遂に向けては、先ほど述べましたように、目に見える復興は概ね完了しましたが、被災者の心のケアや地域コミュニティの再生などのソフト事業については、被災された方々に寄り添った中長期的な取組が必要であると考えております。福島第一原発事故に伴い発生した放射性物質汚染廃棄物については、一日も早く処理が完了するよう、国との調整を図りながら市町村の取組を支援してまいります。

 新型コロナウイルス感染症については、その収束が見通せず、今後とも予断を許さない状況にあります。これまでの県民一丸となった感染対策により、新規感染者数は減少傾向にありますが、学校や高齢者施設、家庭などにおける感染も確認されており、引き続き感染予防対策の徹底に御協力をお願い申し上げます。また、今後も感染の収束に向けて全力で対応するとともに、県内経済の回復を目指す難しい舵取りを行わなければなりません。このため、令和三年度においても積極的かつ機動的に取り組むほか、必要に応じて適宜追加の予算措置を講じてまいりたいと考えておりますので、引き続き議員各位の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。

 我が国を取り巻く国際・経済情勢についてでありますが、先月、本県にも縁のあるジョー・バイデン氏が第四十六代アメリカ合衆国大統領に就任しました。前政権による米国第一主義や米中の覇権争いに世界中が翻弄され、国際秩序にも影響が及びましたが、国際協調を重視するバイデン大統領の登場は、世界秩序の再構築への大きな動きの始まりであることが期待されます。しかしながら、世界経済の不安要素となっていた中国との貿易をめぐっては、前政権と同様に基本的には強い姿勢で臨むものと見られています。また、昨年末をもってイギリスが欧州連合から完全離脱し、欧州は新たな時代を迎えましたが、これまで欧州を牽引してきたドイツのメルケル首相が秋に退任予定であり、欧州の先行きを懸念する声もあるほか、アジアにおいては、中国の国内外での強硬姿勢が世界中から警戒感を招いているとも言われております。

 こうした混沌とする国際情勢の中、新型コロナウイルスの感染拡大の猛威は、世界経済に大きな影響を及ぼし、昨年はリーマン・ショックを上回るマイナス成長に陥ったと見込まれています。一方で、株式市場は各国の金融緩和策の恩恵などにより世界同時株高の様相を呈しておりますが、実体経済との乖離が際立っているとの声も多く聞かれる状況であります。このような中、今後の世界経済は、感染症の状況やワクチン及び治療薬等の医療面の成果に大きく左右されるものの、各国の努力により回復に向けた軌道を描くことが期待されます。

 先月、国が発表した経済見通しによりますと、新型コロナウイルス感染症の影響により、今年度の実質経済成長率は五・二パーセント程度のマイナス成長になるとされておりますが、来年度は総合経済対策を円滑かつ着実に実施することなどにより、感染症が内外経済を下振れさせるリスクはあるものの、実質で四・〇パーセント程度のプラス成長が見込まれております。

 我が県においても、感染症の拡大は地域経済に大きな影を落とし、県税収入等にも影響を及ぼしております。また、復興需要の収束という特有の要因も抱えており、これまでの富県宮城の取組を礎として更なる躍進を遂げるため、あらゆる施策を総動員し、対応してまいります。

(当初予算の編成方針)

 次に、当初予算の編成に当たっての基本的な考え方を御説明申し上げます。

 国の令和三年度予算案は、新型コロナウイルス感染拡大防止に万全を期しつつ、デジタル社会や活力ある地方、少子化対策などの全世代型社会保障制度等の中長期的な課題にも対応する予算として編成され、一般会計の総額は、三年連続で百兆円を超え、過去最大の予算規模となりました。東日本大震災復興特別会計では、ハード整備への予算措置が概ね完了したことなどに伴い大幅な減額となりましたが、第二期復興・創生期間初年度の予算として、引き続き被災者支援等に関する予算が計上され、復興の完遂に向けた取組を着実に進めることができるものと考えております。

 地方財政対策では、地方公共団体が行政サービスを安定的に提供しつつ、防災・減災、国土強靱化の推進等の重要課題に取り組めるよう、地方一般財源について地方交付税交付団体ベースで前年度を上回る水準が確保され、一定の評価をしております。また、要望してきた緊急自然災害防止対策事業や緊急防災・減災事業は、事業期間の延長に加え対象事業が拡充されたことについても評価するところであります。

 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により地方税等が大幅な減収となる見込みであり、財源不足を国と地方で半分ずつ負担する折半ルールが三年ぶりに適用されるなど、地方財政を取り巻く環境は厳しさを増しております。これに伴う臨時財政対策債の大幅な増額は、健全な地方財政運営に水を差すものであり、一般会計からの特例加算や地方交付税の法定率の引上げなど、状況の変化に応じた臨機応変な対策を躊躇なく講じるよう、国に働きかけてまいります。

 令和三年度当初予算案は、昨年十月に策定した「令和三年度政策財政運営の基本方針」に基づき、引き続き復興の完遂に向けた施策を優先的に推進するとともに、富県宮城の更なる発展や子育て支援、教育・福祉の充実など「新・宮城の将来ビジョン」に掲げる施策に予算を重点配分し、編成したものであります。

 このうち震災対応分については、ハード事業の計上が今年度までであったため、予算額としては大幅に減少したものの、引き続き国の支援の最大限の活用と、復興基金等の県独自財源の活用を効果的に組み合わせて、復興の完遂を目指すこととしております。通常分については、感染症拡大などの影響により税収等は大きく落ち込み、臨時財政対策債の発行額の大幅な増加を見込むものの、なお多額の財源不足が生じ、財政調整基金の多額の取崩しを行わざるを得ない状況にあります。このような中にあっても、新型コロナウイルス感染症対策に要する経費のほか、富県宮城の更なる発展に向けた施策の重点的な予算化に努めました。この結果、令和三年度当初予算案は、一般会計の総額では今年度予算を下回りましたが、引き続き一兆円を超える規模となっております。

 震災復興に係る国の手厚い支援制度については、議員各位をはじめとする関係者のお力添えもあり、国が来年度以降の五年間の支援の在り方を示し、必要な財源を確保したことなどを受け、今回の震災対応分の予算化に至りました。改めて、これまでの御協力に感謝申し上げます。

 令和三年度当初予算案における主な施策について、新型コロナウイルス感染症対策と「政策財政運営の基本方針」に掲げた五つの「政策の基本方向」に沿って御説明申し上げます。

(新型コロナウイルス感染症対策)

 初めに、喫緊の課題であります新型コロナウイルス感染症対策についてでありますが、今年度の補正予算でお認めいただきました各種対策を継続的に実施することとし、受診・相談センターの運営を継続するほか、診療・検査体制では、地域外来・検査センターの設置拡大への支援やドライブスルー検査体制の維持、感染患者等が発生し外来診療の休止などを余儀なくされた医療機関への経営支援を行います。入院・療養では、感染状況に応じて必要な病床及び宿泊療養施設の確保のほか、医療機関での設備導入支援やケア付き軽症者宿泊療養施設の確保なども行います。また、ワクチン接種の体制整備については、市町村や医療関係団体と連携し進めてまいります。

(被災地の復興完了に向けたきめ細かなサポート)

 続いて「政策の基本方向」の一つ目、被災地の復興完了に向けたきめ細かなサポートについてであります。

 まず、生活再建の状況に応じた切れ目のない支援ですが、被災された方々の生活再建と生活環境の確保については、災害公営住宅の整備が完了しプレハブ仮設住宅等が解消されましたが、被災された方々がコミュニティの一員として地域と密接に関わりながら日常生活を送れるよう、引き続き見守り活動のほか、地域コミュニティの再生に向けた支援やNPO等のノウハウを活用したきめ細かなサポートを実施いたします。また、被災された方々に寄り添い、心の問題に対応するため、心のケアセンターの運営支援を継続するとともに、沿岸市町における人材確保・育成に向けた支援にも取り組みます。さらに、児童生徒一人ひとりに寄り添ったきめ細かな対応を図るため、子どもの心のケアハウスを運営する市町村への支援を継続するほか、各学校等にスクールカウンセラーや心のケア支援員を配置・派遣してまいります。

 回復途上にある産業・なりわいの下支えでは、グループ補助金等を活用し、今年度までに復旧等に着手できなかった被災事業者の施設・設備の復旧整備や生産性向上への支援を行うほか、県内農林水産業や食品製造業の失われた販路を回復し、県産品のイメージ向上と県内外での需要拡大を図るため、PRイベント開催や海外販路開拓などの取組を継続するとともに、被災求職者の安定的な雇用の創出に引き続き取り組んでまいります。観光振興では、日本三景・松島の玄関口であるJR仙石線松島海岸駅について、バリアフリー化や新駅舎の整備を支援いたします。

 福島第一原発事故被害への対応として、八千ベクレル以下の農林業系廃棄物については、各圏域で焼却やすき込み等による処理が進められておりますが、一日も早い完了に向けて、国と連携しながら関係市町村を継続的に支援するほか、原発事故の影響もあり県南部を中心に増加が著しい野生イノシシなどの有害鳥獣対策については、国の支援制度も活用し、適切に対応してまいります。

 震災の記憶・教訓の伝承では、来月開園する石巻南浜津波復興祈念公園に設置される「みやぎ東日本大震災津波伝承館」を拠点として一層の充実を図るとともに、県内各地の震災伝承施設と語り部活動との連携を強化するなどの取組を進めてまいります。

(富県宮城を支える県内産業の持続的な成長促進)

 次に、富県宮城を支える県内産業の持続的な成長促進についてであります。

 富県宮城の実現に向けて重要な役割を果たす県内産業は、人口減少に伴う地域経済の縮小や人材不足などの課題に直面し、また、AIやIoT等の先進的技術への対応が迫られております。そのため、新産業の創出や様々な産業分野でのイノベーションを促進し、付加価値創出や生産性向上を図ることなどにより、県内総生産や県民所得の増加を目指してまいります。

 企業誘致については、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い我が国のサプライチェーンの脆弱性が顕在化し、製造業の国内回帰、生産拠点の国内確保が進んでおります。県としましては、この機を逃さず、トップセールスをはじめとする積極的かつ効果的な誘致活動により、県内への投資促進を図るとともに、県内企業の技術力向上や取引拡大を支援することなどにより、雇用の場の創出や県内ものづくり産業の底上げを図ってまいります。また、新たに市町村の自発的な産業用地造成を促すための補助制度を創設するほか、関係条例を整備した上で貸付金の枠を拡充し、企業誘致の受け皿となる環境整備に力を入れてまいります。

 地域経済を支える中小企業・小規模事業者の振興については、商工会及び商工会議所における活動を継続的に支援するほか、企業におけるAIやIoT等を活用したビジネスモデルの実証事業やこれらの技術を活用する人材の育成に加え、新たにAI等の導入に向けた異業種間連携を加速させてまいります。また、人口減少等に伴う国内市場の縮小も見据え、商談会への出展や国際認証の取得を支援するなど海外への販路開拓を後押しするとともに、東北大学をはじめとする関係機関と連携し、引き続き海外からの投資拡大を積極的に推進してまいります。このほか、第五世代移動通信システムを活用した地域課題の解決に向けたモデル事業を実施いたします。

 人手不足の解消と人材育成については、みやぎ移住サポートセンター等を活用し、UIJターンを希望する方々を対象とした支援体制を継続するほか、新たにみやぎ人財活躍応援センターを県内四か所に設置し、女性や高齢者等の潜在的働き手について掘り起こしから就職までの支援を総合的かつきめ細かに行うとともに、県内学生を対象に県内企業との交流促進を図る機会を創出いたします。また、仙台高等技術専門校において非正規雇用の方々などを対象とした短期の職業訓練をモデル的に実施し、就労意識の醸成などにより安定就労へとつなげてまいります。

 農業振興では、新たに策定する「第三期みやぎ食と農の県民条例基本計画」に掲げる園芸産出額の大幅な増加を目指して、先進技術を活用した施設園芸の推進や先進的経営体の育成、水稲からの作付転換支援、サプライチェーンの構築等を進めてまいります。また、実需に対応したみやぎ米の生産体制の確立を目指し、「金のいぶき」の作付面積の確保や新規導入支援、業務用多収米の収量増加支援などに取り組みます。加えて、ICT等のスマート農業技術の活用により、農畜産業の生産性向上や仙台牛の高品質化を推進します。県産品の販路拡大については、新たにインターネット上に「県産品アンテナサイト」を立ち上げるとともに、オンラインモールに本県特集ページを開設し、デジタルマーケティングの手法を用いた販売促進モデルを構築いたします。

 水産業の振興については、課題であります担い手の確保に努めるほか、産地魚市場の機能強化や水産加工業者の経営課題への対応、オンライン商談会の開催など、イノベーションの推進に取り組みます。また、プラスチック等の海洋ごみ対策や磯焼け対策を引き続き実施し、持続可能な漁場環境づくりを推進してまいります。林業の振興では、昨年末に設置した「みやぎ森林・林業未来創造機構」と連携し、若い世代が魅力を感じる就業の場の創出に取り組むほか、産学官が連携した新たな木質建材の技術開発を支援し、CLTとの複合利用による建築コストの低減化を目指してまいります。

(社会全体で支える宮城の子ども・子育て)

 次に、社会全体で支える宮城の子ども・子育てについてであります。

 社会全体で子育て世代を支え、子どもを育てていくとともに、未来の宮城を担う全ての子どもの健やかな成長を後押しし、安心して学び続けることができる教育環境づくりを進めてまいります。

 少子化対策や出産・子育て環境の整備では、多様化する社会ニーズに柔軟に対応していく必要があることから、来年度は、新たにAIマッチングシステム導入による婚活支援に取り組むほか、国の制度拡充に呼応した不妊治療医療費への助成を拡充するなど、未婚化・晩婚化の進行を踏まえた施策を講じてまいります。また、乳幼児医療費助成や地域子ども・子育て支援事業、保育士の確保支援などを継続するとともに、少子化対策に係る市町村交付金の拡充など、市町村や関係機関等との連携・協働により、結婚から妊娠、出産、子育てまでの切れ目のない支援を行ってまいります。

 困難な環境に置かれた子どもへの支援については、SNSを活用した児童虐待防止に向けた相談窓口の拡充のほか、子どもの居場所づくり支援や子ども食堂の運営支援など、地域等で子どもを支える体制の構築を目指してまいります。このほか、障害児支援に係る人材確保や早期支援体制の充実を図ります。

 教育分野では、多様な子どもたちの資質・能力を育成するため、「個別最適な学び」に関する実践モデル事業に新たに取り組み、個人の能力や適性に応じた教育の一層の充実を図ってまいります。県立学校においては、タブレットパソコン等のICT機器の整備が進んでおり、更にICT支援員を派遣・活用し、授業計画の策定支援や機器の操作研修等を行うことにより、オンライン教育への対応など、教育現場の情報化を加速いたします。昨年九月にIBワールドスクールに認定された仙台二華高等学校においては、四月から国際基準に則った教育を開始し、グローバル人材の育成に取り組みます。

 不登校児童生徒への支援では、モデル的に実施してきた学び支援教室の取組の拡充や関係機関との連携強化などを図るほか、いじめ等も含め、SNSを活用した相談体制の継続やスクールカウンセラー等の配置・派遣により、児童生徒の抱える様々な課題に対応してまいります。

 また、地域と共にある学校づくりを目指し、コミュニティ・スクールを核とした学校・家庭・地域の連携・協働体制の構築に取り組みます。私立学校に対しては、学校経営の健全化と保護者の経済的負担軽減を図るため、引き続き運営費への補助を行うほか、新たに不登校対策への補助及び授業料軽減の上乗せを実施いたします。

(誰もが安心していきいきと暮らせる地域社会づくり)

 次に、誰もが安心していきいきと暮らせる地域社会づくりについてであります。

 少子高齢化や人口減少が進展する状況下にあっても、それを乗り越え地域の活力を維持し、誰もが安心していきいきと暮らすことができる地域社会を目指してまいります。

 若者や女性、高齢者、障害者、外国人等の様々な状況に応じた相談体制の構築や就労支援などの取組を推進し、多様な主体の社会参画を促します。障害のある方への就業・生活支援では、公益財団法人日本財団と連携して工賃の向上を図るためのモデル事業を新たに実施いたします。また、県内就職を希望する外国人留学生等の外国人材については、企業訪問や企業説明会の開催、受入企業の意識醸成など、県内企業とのマッチング支援により、外国人材の受入環境の整備を総合的に支援いたします。

 医療・介護分野では、地域医療介護総合確保基金を活用した施設整備や医療・介護従事者の確保に向けた取組を継続的に行うほか、地域医療構想の実現のため、病床機能の転換等に係る支援に加え、新たに病床機能の再編についても支援を行います。また、引き続き医師育成機構の活用や修学資金の貸付等により医師確保に努めるとともに、医師の労働時間の短縮に向けた総合的な取組に対する支援を新たに行います。

 介護人材の確保に向けては、ICT機器導入による事務負担の軽減や週休三日制導入などの働き方改革をより一層促進していくほか、外国人介護人材の受入環境整備や介護イメージアップ事業を実施いたします。

 福祉分野では、障害を理由とした差別の解消を図り、障害の有無に関わらず相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指して、新たな条例案を今議会に提案しておりますが、この推進に向けて差別解消に関する普及啓発のほか、スマートフォン用アプリを活用した助け合いサービスの実証事業に取り組みます。

 警察関係では、老朽化している岩沼警察署について現地建替を行うこととし、基本・実施設計に着手します。近年増加するサイバー犯罪への対応としては、専門人材の育成や対応体制の強化を図るほか、手口が巧妙化する特殊詐欺の被害防止に向けた取組についても強化いたします。また、交番相談員の増員により勤務体制を整えてパトロールの強化など治安の維持向上に努め、安全安心な地域の形成を図ってまいります。

 文化芸術分野では、美術館のリニューアルを着実に進めるとともに、県民会館と民間非営利活動プラザについては、移転集約に向けて必要な手続を進め、誰もが文化芸術を創造・発表・享受し、親しむことができる環境づくりを推進してまいります。

(強靱で自然と調和した県土づくり)

 次に、強靱で自然と調和した県土づくりについてであります。

 令和元年東日本台風による被害をはじめ、各地で頻発化・激甚化する豪雨災害等への対策として、昨年十二月に閣議決定された「防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策」が盛り込まれた国の今年度第三次補正予算も活用し、後日提案する今年度補正予算と一体的に、災害時に有効に機能する防災道路ネットワークの構築や「流域治水」の考え方に基づく総合的な治水対策、土砂災害から県民の命を守るための総合的な土砂災害防止対策など、防災・減災対策による県土の強靱化に積極的に取り組んでまいります。農業分野では、水田の雨水貯留機能を最大限活用した「田んぼダム」の取組拡大に向けた実証事業を新たに実施するとともに、防災重点農業用ため池の計画的な整備を推進します。地域においては、引き続き地域防災リーダーの育成に努めるほか、新たに火災保険等への加入支援を行うなど地域防災力の強化を図ります。学校においては、様々な災害から児童生徒の命を確実に守れるよう、地域と連携した学校防災体制の構築に向けた取組などを新たに実施してまいります。このほか、復興に向けたまちづくりが概ね完了したことから、令和五年度までの三か年で地震被害想定調査を行います。

 また、環境負荷の少ない地域経済システム・生活スタイルを確立するため、新たに太陽光発電を活用した需給一体型の再生可能エネルギー利用モデルの促進やノンフロン冷凍冷蔵空調機器の導入支援を行うほか、燃料電池自動車の普及に向けてタクシーへの導入やバスの路線運行を支援するなど、提案しております環境基本計画に掲げる「二〇五〇年二酸化炭素排出実質ゼロ」の実現に向けた取組を着実に実施いたします。持続可能な農山漁村づくりに向けては、多様な人材の育成や確保、交流人口等の拡大に向けた支援を行うとともに、農山漁村が抱える様々な課題解決に向けてデジタル技術の活用を検討します。

 生活を支える社会資本の整備、維持・管理体制では、公共施設等総合管理運営方針や個別施設計画に基づき、公共施設等の長寿命化対策を計画的に進めてまいります。

 以上、施策の主な内容について御説明申し上げましたが、令和三年度の当初予算規模は、一般会計で一兆五百三十一億七千七百余万円、総計で一兆五千二十五億二千四百余万円となります。財源の主なものとして、県税二千七百七十億円、地方交付税一千五百八十九億円、国庫支出金一千八百四十七億七千七百余万円、繰入金一千九百五十三億一千五百余万円を計上し、また、臨時財政対策債及び借換債を含め県債一千九百四十七億五千六百余万円を発行することにしております。

(令和二年度補正予算案)

 次に、令和二年度補正予算案について御説明申し上げます。

 今回の補正予算案は、経済対策として事業者に総合的な支援を行う市町村への助成経費を計上するほか、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために実施した営業時間の短縮要請については、県民の皆様の御協力により、先日解除することができましたが、先の対策本部会議で決定したとおり、今後の状況によっては、再度要請を行う場合もあり得ることから、そうした事態に備えて協力金の支給経費を予め計上しておくものであります。

 補正額は、一般会計及び総計ともに九十億円となり、財源としては、国庫支出金七十八億円、繰入金十二億円を追加しております。この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆三千二百六億六千七百余万円、総計で一兆七千七百七十二億八千七百余万円となります。

 なお、現在、国の第三次補正予算に対応する補正予算と県単独の追加経済対策について検討中であり、まとまり次第、今議会に追加提案したいと考えております。

 次に、予算外議案については、条例議案十九件、条例外議案三十四件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。

 まず、条例議案でありますが、議第十八号議案は、先ほど述べたように、障害を理由とする差別の解消による共生社会の実現に関し、必要な事項を定めようとするもの、議第十九号議案は、言語としての手話の認識の普及及び手話を使用しやすい環境の整備に関して必要な事項を定めようとするもの、議第二十号議案は、産業用地整備促進基金を設置しようとするものであります。また、議第二十八号議案は、企業立地資金貸付基金の処分を可能にしようとするもの、議第二十九号議案は、手数料納入方法の変更のため、所要の改正を行おうとするものであります。

 次に、条例外議案でありますが、議第三十五号議案ないし議第四十六号議案は、宮城県国土利用計画など十二の基本的な計画の策定について、議第四十七号議案は、包括外部監査契約の締結について、議第四十八号議案ないし議第六十三号議案は、工事委託及び工事請負変更契約の締結について、議第六十四号議案及び議第六十五号議案は、市町村受益負担金について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。また、議第六十六号議案ないし議第六十八号議案は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、営業時間短縮要請に係る協力金の支給に伴う令和二年度宮城県一般会計予算の補正について、専決処分を行いましたので、その承認をお願いしようとするものであります。

 以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。