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第三百六十九回宮城県議会知事説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年9月3日更新

令和元年9月3日

 

 本日ここに第三百六十九回宮城県議会が開会され、令和元年度一般会計補正予算案をはじめとする提出議案を御審議いただくに当たり、最近の県政の動きと議案の概要を御説明申し上げます。

 その前に、先月末、九州北部を中心に前線の活動に伴う大雨により河川の氾濫や広範囲にわたる浸水被害が発生いたしました。お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りしますとともに、被災された方々に改めてお見舞い申し上げます。

 初めに、来月から実施される消費増税を財源とした幼児教育・保育の無償化をはじめとする少子高齢化・人口減少対策についてであります。国が発表した昨年の全国の子どもの出生数は過去最低を更新したほか、合計特殊出生率は一・四二と三年連続低下し、最新の総人口に占める十五歳未満の子どもの割合も十二・一パーセントと過去最低となっております。本県については、合計特殊出生率が一・三○、総人口に占める子どもの割合が十一・九パーセントと、ともに全国値を下回っており、少子高齢化・人口減少対策はまさに喫緊の課題であると考えております。このような状況において、国が人づくり革命の方針の下、幼児教育・保育の無償化等を進めることにより、子育て世帯の経済的負担を軽減することは、合計特殊出生率の向上につながり、急速に進む少子高齢化へ楔を打つこととなる一つの重要な施策であると認識しているところであります。
 しかしながら、少子高齢化・人口減少は現在の我が国における複雑な社会情勢を反映したものであり、子育て世帯の経済的負担の軽減のみをもって解決できる問題ではなく、保育人材及び保育施設等の不足解消や保育の質の確保、若者の雇用の安定や職場環境の改善等にも併せて取り組んでいく必要があります。また、合計特殊出生率が全都道府県中最も低い東京都を中心とした大都市圏へ人口が加速度的に集中し、少子高齢化・人口減少に拍車をかけていることは明らかであり、都市部から地方への人の流れを創出する地方創生の取組を推進することが極めて重要と考えられます。
 本県では、宮城県地方創生総合戦略に基づき、次世代を担う子ども達に活力とやすらぎに満ちた宮城を引き継ぐため、安定した雇用の創出、移住・定住の推進、子育て支援の充実などの施策を展開しているところであります。今後、これらの取組を更に加速させ、持続可能な社会を構築していくためには、少子高齢化・人口減少が国家レベルの課題であるとの認識の下、国が強力なリーダーシップを発揮することが不可欠であることから、真の地方創生の実現に向けた、より効果的な施策の実施を国に強く求めてまいります。

 次に、震災復興計画の推進と宮城の将来ビジョンの実現に向けた取組状況についてであります。
 震災からの復旧・復興、特に住まいやインフラ面の整備は順調に進捗しており、ピーク時には約十二万人に上った仮設住宅にお住まいの方々は、現時点で二百人余りとなったほか、県外に避難されている方々も二百人を下回るなどピーク時から大きく減少してきております。気仙沼市日門漁港の防潮堤建設計画につきましては、七月に国道の嵩上げ案を含めた計画に対して地元住民の方々の合意をいただくに至りました。これによりまして、県内に建設される防潮堤すべてについて住民合意が得られたこととなり、引き続き早期完成に向け鋭意工事を進めてまいります。また、みやぎ県北高速幹線道路の築館工区が開通し、国道四号築館バイパスと直結することとなりました。今回の開通によりまして、未完成区間は佐沼工区のみとなったことから、来年度の全線開通を目指し関係機関と連携しながら計画的に事業を進め、県北地域の産業・観光振興や救急医療活動などを後押ししてまいりたいと考えております。
 今年度も五か月が過ぎたところであり、復興・創生期間の終了まで一年半余りとなったことから、残されたハード事業及びソフト事業についてスピードを最大限重視し、かつきめ細かに対応しながら、創造的な復興の総仕上げに邁進してまいります。
 将来ビジョンの実現に向けては、世界的な景気減速や復興需要の収束、TPP11の発効等による影響が懸念される中、今年度予算の確実な執行により、製造業の集積や人材の育成・確保、インバウンド誘客、農林水産業の振興をはじめとする地域経済全体の活性化を鋭意進めております。また、需要が増大している医療・介護への取組や本県の将来を担う子ども達を健やかに育むための子育て・教育環境の整備等についても積極的に取り組んでいるところであります。引き続き、現場の声にしっかりと耳を傾けながら、本県が持続可能で県民一人ひとりが更に幸福を実感し、安心して暮らしていくことができる地域となるよう万全を期してまいります。

 復興・創生期間後の支援体制及び財源の確保につきましては、先月、与党による東日本大震災からの復興加速化に向けた第八次提言が国に提出されたところであります。この提言では、国が地震・津波地域の心のケアやコミュニティ形成などにきめ細かな支援を行うことや、首相直轄組織に専任閣僚を配置する体制の維持などを求めております。また、復興財源の確保については、復興施策の進捗状況や効果検証、被災自治体の要望などに基づき支援の在り方を検討することを求めているところであります。国では今回の提言の内容を尊重し、基本方針を年内に策定することとしており、長期的な課題に柔軟に対応できる体制が継続されるとともに、ソフト面の復興を含めた必要な財源が確保されるよう、引き続き国に強く求めてまいります。
 「リボーンアート・フェスティバル二○一九」につきましては、「いのちのてざわり」をテーマに先月開幕し、約二か月間にわたり石巻市を中心に開催されているところであります。文化芸術の持つ力を活用した本イベントは、震災から八年余りが経過した中、被災された方々の心のケアとしても大きな意義があると同時に、交流人口の増加による沿岸部の地域活性化にも貢献していただいているものと考えております。本イベントにより、大勢の方々が被災地に足を運び、新しいつながりが生まれているとのことであり、引き続き、様々な機会を捉えながら、復興へとひたむきに進んでいる被災地の姿を全国にPRし、地域の活性化を進めてまいります。
 障害福祉の分野においては、障害のある人もない人も共生する社会づくりのため、障害者差別解消と情報保障を一体とした条例の制定に向け、障害当事者の方にも参画していただく検討会をスタートさせました。また、手話が言語であるとの認識に基づき、手話の普及や支援者の養成等を推進するため、別に手話言語条例を制定する方針の下、関係団体と調整を行っているところであります。
 観光キャンペーンにつきましては、国民的アニメである「サザエさん」を活用した動画の閲覧数が過去最高となる五百十万回を超えるなど、好評をいただいており、引き続き本県の魅力をPRしてまいります。
 農業分野においては、昨年十月に本格デビューいたしました米の新品種「だて正夢」の作付面積を昨年度の倍に拡大し、米どころ宮城を牽引するトップブランド米としての認知度向上と販路拡大を推し進めることにより、県産米の魅力を広く発信してまいります。
 種子条例につきましては、県、生産者、関係団体等が一体となり、将来にわたって本県の主要農作物種子の安定的な生産、供給を図っていくことが重要な課題であると考え、関係者から構成される懇話会やパブリックコメント等を通じ広く県民の御意見を伺った上で、今議会に条例案を提出しているところであります。
 水産業分野においては、来年秋に第四十回全国豊かな海づくり大会を石巻市で開催する予定であり、「よみがえる 豊かな海を 輝く未来へ」を大会テーマに、本県水産業の振興に加え、復興が進んだ本県の姿を全国に広く発信することとしております。来月には大会会場である石巻魚市場・石巻漁港において一年前プレイベントが行われる予定となっており、大会の成功に向け、引き続き関係者及び県民全体の機運の醸成に努めてまいります。
 また、七月に商業捕鯨が三十一年ぶりに再開されました。沿岸捕鯨の国内拠点の一つである石巻市鮎川地区は、東日本大震災により大きな被害を受けたところであり、今回の再開により、復興に弾みがつくとともに、観光振興をはじめとする地域活性化につながることを大いに期待しております。
 子どものいじめ・不登校対策につきましては、迅速な対応が重要なものと考えており、児童生徒のコミュニケーションツールとして定着しているSNSを活用した相談の受付を七月から開始いたしました。相談については、児童生徒が悩みを抱えやすい時期に一定の期間を設け、臨床心理士やカウンセラーが対応することとしており、事案の早期発見・早期対応につながるものと考えております。引き続き、児童生徒にしっかりと寄り添いながら、いじめ・不登校対策に力を注いでまいります。

 経済情勢については、東北財務局が発表した四半期ごとの経済情勢報告によれば、県内経済は引き続き緩やかに回復し、雇用情勢も改善しておりますが、今年度の企業収益は減益見込みとされており、景気の見通しは楽観視できないものと考えております。

 国の令和二年度予算概算要求の基本方針では、東日本大震災からの復興対策経費について、引き続き復興のステージの進展に応じて既存事業の成果等を検証しつつ効率化を進め、被災地の復興のために真に必要な事業に重点化するとされております。復興のラストスパートに向け、本県が必要とする財源が十分に確保されるよう、引き続き国の予算編成を注視してまいります。
 地方財政の分野では、「経済財政運営と改革の基本方針二○一九」、いわゆる骨太の方針において、「国の取組と基調を合わせ、歳出改革等の加速・拡大を進める中で、臨時財政対策債等の発行額の圧縮及び債務の償還に取り組み、財政健全化につなげること」とされております。臨時財政対策債につきましては、本県をはじめ全国的にも地方債の発行額や残高に占める割合が増大しており、地方財政の健全化を推進する観点から、今回の方針は概ね妥当なものと考えているところであります。
 一方、歳出改革や効率化推進の下、仮に国の制度や法令の見直しを行わず一律の歳出削減が行われることになれば、社会保障経費等の義務的経費が不可避的に増大する中で、地方自治体において安定した財政運営と地方の実情に沿ったきめ細かな行政サービスの提供を両立していくことが困難になることが予想されます。昨年度の骨太の方針において、令和元年度から令和三年度までの間、地方の財政運営に必要な一般財源の総額について、平成三十年度の地方財政計画の水準と実質的に同水準を確保する方針が示されており、地方の固有財源としての地方交付税の総額が十分に確保されるよう、引き続き国に対して強く求めてまいります。
 また、先ほど申し上げましたとおり、来月には消費税率の引き上げに伴い幼児教育・保育の無償化が行われ、来年度には高等教育も無償化される予定となっております。これらの取組は、地方負担分の確実な財源確保があって初めて、安定的かつ継続した施策の実施が可能となるものであり、国においては、地方負担分について今年度は臨時交付金を創設して対応し、来年度以降は地方財政計画の歳出に計上することとしております。しかしながら、単なる地方財政計画の歳出計上に留まるだけでは不十分であり、一般財源総額の実質同水準ルールとは別枠で歳出計上し追加的に必要となる財源を確保することが極めて重要であることから、地方の財政的負担が増加することのないよう、全国知事会等を通じて国に訴えていく所存であります。

 今年度の歳入見通しは、普通交付税等が当初予算計上額を上回る見込みとなったものの、当初予算で計上した財政調整基金の取崩しや退職手当債をはじめとする特例的な県債の発行を補うほどではないことから、引き続き財源確保に最大限配慮した慎重な財政運営が必要と考えております。
 このため、今回御審議をお願いいたします補正予算案は、復旧・復興の総仕上げを推進する事業に加え、震災対応以外の各分野において、緊急な対応を要する施策について措置することとして編成したものであります。
 なお、五月に平成から令和へと改元が行われたところであり、今年度予算につきましては、年度全体を通じて令和元年度予算と称することとしております。

(東日本大震災関連事業)

 補正予算案の主な内容ですが、震災関連としましては、国の交付金の内示に伴い、山元町の県道相馬亘理線の整備費を計上するほか、復興交付金の効果促進事業を活用して貞山運河をはじめとする河川のがれき撤去等を行います。
 また、国の補助金の内示に伴い、塩釜漁港東防波堤等の漁港施設の復旧工事を進めるとともに、東北観光復興対策交付金を活用した海外からの観光客向けプロモーションの強化や受入環境整備を進めてまいります。

(その他の主な事業)

 次に、震災関連以外の事業としては、阿武隈急行株式会社が行う車両更新について支援する経費に加え、賃貸借契約期間がまもなく終了する宮城ふるさとプラザの契約更新手数料を計上するほか、地域医療介護総合確保基金を活用し、看護師の地域偏在解消を目的とした新たな修学資金貸付制度を創設いたします。
 また、民間活力による特別支援学校高等部の設置・運営に土地等を活用するため、旧教育研修センター解体に係る経費を計上するとともに、国土強靱化事業等の実施に伴う国直轄事業負担金を増額しております。
 このほか、東京二○二○オリンピック・パラリンピック競技大会の機運醸成のための業務委託や大気汚染常時監視システムの改修に係る債務負担行為を設定しております。
 以上、補正予算案の主な内容について御説明申し上げましたが、今回の補正規模は、一般会計で百十六億二千七百余万円、総計で百十六億三千六百余万円となります。財源としては、国庫支出金四十六億三千八百余万円、県債四十一億一千百余万円、繰入金十五億四千五百余万円などを追加しております。
 この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆一千二百十八億九千八百余万円、総計で一兆六千七十三億三千四百余万円となります。

 次に、予算外議案については、条例議案十二件、条例外議案十六件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。
 まず、条例議案でありますが、議第百四十七号議案は、地方公務員法及び地方自治法の改正に伴い会計年度任用職員の給与等について必要な事項を定めようとするもの、議第百四十八号議案は、看護師の地域偏在を解消するため新たな修学資金貸付制度を創設しようとするもの、議第百四十九号議案は、主要農作物種子の生産及び普及に関し必要な事項を定めようとするもの、議第百五十七号議案は、水道用水供給料金を改定しようとするものであります。
 次に、条例外議案でありますが、議第百五十九号議案ないし議第百六十一号議案は、土地改良事業の実施に伴う市町の境界変更について、議第百六十二号議案は、財産の取得について、議第百六十三号議案ないし議第百六十八号議案は、工事請負契約の締結について、議第百六十九号議案ないし議第百七十四号議案は、工事請負変更契約の締結について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。

 以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。