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知事室へようこそ
令和7年12月26日
令和7年の仕事納めに当たり、挨拶をいたします。
今年は、7月にカムチャツカ半島付近でマグニチュード8.8の巨大地震が発生し、沿岸部の各地で津波が観測され、養殖施設等に大きな被害が生じました。
また、今月8日の深夜に青森県東方沖で発生した地震では、津波注意報により暗い中での避難を余儀なくされ、初めて北海道・三陸沖後発地震注意情報も発令されるなど、緊張が走りました。
さらに、今年の夏は例年にない猛暑となり、農作物や家畜の管理に細心の注意を払う必要が生じたほか、記録的な少雨もあって、農業の現場では大変ご苦労の多い1年だったと思います。
全国的に見ても、1月に埼玉県八潮市で発生した道路の陥没事故、岩手県大船渡市における2月から4月にかけての大規模な森林火災、そして全国各地で生活圏へのクマの出没が相次ぎ、それに伴う人身被害も数多く発生するなど、これまでに例のない事案への対応が重なったところです。
職員の皆さんには、他県への応援も含め、これらの事案に迅速かつ丁寧に対応していただきました。感謝を申し上げますとともに、県民の安全・安心の確保などに、引き続き万全の対応をお願いいたします。
さて、この1年を振り返ってまいりますが、まずは震災復興についてであります。
6月に行われた国の「復興推進会議」において、第3期復興・創生期間における国の基本姿勢や各分野の取組などが示されました。この中では、心のケアなど中長期的に取り組むべき課題にも言及されており、県においても被災者の心のケアや地域コミュニティの再生、産業やなりわいの回復などのきめ細かなサポートのほか、震災の記憶・教訓の伝承に継続して取り組んでまいります。
また、処理水への対応につきましても、一部の国で水産物の輸入禁止措置が続いていることから、今後も事業者に寄り添った支援を行ってまいります。
次に、7月に開催した「第61回献血運動推進全国大会」についてであります。秋篠宮皇嗣妃殿下がお成りになられ、式典ではお言葉を賜りました。少子高齢化に伴う献血可能人口の減少や若い世代の献血率低下といった課題がある中、今回の大会を通じて、特に若年層の献血機運の醸成に繋げていきたいと考えております。
10月には、秋篠宮皇嗣同妃両殿下の御臨席を賜り、「第48回全国育樹祭」も開催しました。国立花山青少年自然の家南蔵王野営場で行われた「お手入れ行事」には約240名、グランディ・21での「式典行事」には約2,700名もの方々に御参加をいただきました。今回の育樹祭は、長年、林業や緑化活動に従事されてきた関係者の皆様にとりましても、大きな励みになったものと思います。今後も「木を使い、植え、育てる」という森林の循環を推進し、環境と調和した持続可能な社会の実現に向けた取組を進めてまいります。
開催に当たり、職員の皆さんには時間と労力をかけて入念に準備をいただき、当日も全庁挙げて対応していただきました。無事、成功裏に終了することができただけでなく、我が県の魅力も存分に発信することができたことに、改めて御礼を申し上げます。
次に、仙台医療圏の病院再編についてです。東北労災病院の富谷市移転は5月に協議終了となりましたが、仙台赤十字病院とがんセンターとの統合新病院の整備に向けた協議や、精神医療センターの建替えに向けた検討を着実に進めることができました。
また、東北労災病院の移転断念を受け、かねてより救急医療・急性期を担う総合病院を切望してきた富谷市では、公募による病院誘致を行い、その結果、東北医科薬科大学との間で覚書の締結に至りました。
今後とも、仙台医療圏における病院再編を確実に実現できるよう、必要な財政支援の検討などに取り組んでまいります。
そして、今年は知事選挙もありました。非常に厳しく、落選も覚悟しながらの選挙でありました。6期目の初日の挨拶でも述べたとおり、今期が最後の4年間という思いで、そして厳しい御意見も謙虚に受け止めながら、様々な課題の解決、富県宮城の実現への取組を全力で進めてまいります。
人口減少対策については、自然増・社会増へ向けた施策や、人手不足に対応した取組に加え、今年度からは男性育休取得奨励金を新設するなど、「若者・女性に魅力ある地域づくり」も視野に入れた取組に力を入れました。人口減少は様々な要因が複雑に影響しており、来年も多様な視点からのアプローチを進めて行きたいと思います。
デジタル身分証アプリについては、全庁挙げての取組のおかげで、今月15日までの登録者数が約76万6千人、普及率は約34%となりました。現在も「みやぎ防災」と「みやぎポイント」を登録された方を対象に、3,000円相当のポイントをプレゼントするキャンペーンを行っているほか、先月からは、今年4月以降に赤ちゃんが生まれた御家庭が「子育て支援パスポートアプリ」を登録された際に、10,000ポイントをプレゼントしております。さらに、今月は、川島隆太博士が監修したミニアプリ「みやぎ脳トレ」をリリースしました。職員の皆さんはもちろん、年末年始の機会を通じて、ご家族やご友人などに「みやポ?まだポ?」をキャッチフレーズにどんどん紹介してください。
また、生成AIの活用については、庁内の意識改革、能力の定着を目指し、複数回にわたり、私や副知事も参加して研修会を実施しました。私たち行政が、業務効率化や県民サービスの向上を実現する「最強の武器」として生成AIを使いこなすだけではなく、そのノウハウを人手不足に悩む現場へ広げていきたいと考えています。そのためにも、まずは職員の皆さん一人一人が生成AIを日々の業務で使ってみることが大切です。ぜひ積極的に取り組んでください。
その他、私が全国知事会長の職務や選挙活動等もあって県庁を不在にすることが多かった中においても、来月からの宿泊税の開始に向けた対応、宮城県民会館・NPOプラザ複合施設の起工、「(仮称)第4期県立高校将来構想」の検討、「アジア・トレイルズ・カンファレンス」の開催、高温登熟耐性に優れた水稲「東北247号」の育成、仙台空港から国内外への新たな航空路線の就航など、職員の皆さんには、様々な分野で困難な業務や新たな事業に取り組んでいただきました。この場を借りて、御礼を申し上げます。
結びになりますが、私は、今年が5期目最後の年、重要施策が目白押しの年であるという思いから、今年の漢字を「要」といたしました。ここまで今年1年を振り返ってまいりましたが、皆さんのおかげで、様々な重要施策を着実に、一歩一歩、前に進めることができました。本当にありがとうございました。
今年の年末年始も長い休みとなっています。しっかり休息を取ってリフレッシュしていただきたいと思います。また、私のこの挨拶を聞くことができていないと思いますが、他県で復旧・復興業務に携わっている応援派遣職員の皆さんも、年末年始はゆっくりとご家族でお過ごしください。ただし、冒頭でもお話したとおり、不測の事態への備えは怠りなく、しっかりとお願いいたします。
来年も皆さんと仕事ができることを楽しみにしています。それでは良い年をお迎えください。
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