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平成31年仕事始め知事あいさつ

平成31年1月4日
県庁2階講堂

1 はじめに

新年明けましておめでとうございます。震災から8度目の新年を迎えました。皆さん、年末年始はゆっくり休めたでしょうか。

今年は「発展期」の2年目となります。復興の完成度を高めていく重要な年になります。今年は亥年(いのししどし)でありますので、復興の完遂に向けて一直線に進んでまいりたいと思います。

私は、例年どおり、仕事初めからエンジン全開で突っ走ってまいります。どうか今年もよろしくお願いします。

2 平成31年のトピック

震災復興

まず、最優先の課題であります震災復興については、生活に密着したインフラの復旧は概ね完了し、災害公営住宅と防災集団移転促進事業についても、今年には工事が完了する予定となっております。しかし、未だ1,000人余りの方々が仮設住宅で生活されておりますので、一日も早い生活再建に向けて、引き続き市町とよく連携しながら、事業を進めてほしいと思います。また、その他の復興事業についても、復興・創生期間内に完了できるよう、しっかりと取り組んでください。

一方で、震災復興については、被災者の心のケアなど、復興・創生期間の終了後も支援が必要なものが数多くあります。昨年、国に対して、平成33年度以降も継続が必要な事業を報告し、調整を進めてきたところでありますが、国が必要と認める具体的な支援の内容はまだ明らかになっておりません。引き続き、被災地にとって必要な支援が確保されるよう、他県や市町と連携しながら、積極的に働き掛けてまいりたいと思います。

また、震災から時がたつにつれて、震災の記憶が風化していくことが懸念されております。各部門が持っている記憶と教訓を風化させずに、しっかりと後世に引き継ぎ、宮城が災害に強く安心して暮らせる「防災の県」と言われるようにしていきたいと思います。

産業振興

震災復興以外の取り組みについては、今年は、次世代放射光施設の建設に向けた準備が本格化してまいります。放射光施設は、幅広い分野で活用が期待され、企業の研究拠点や工場の集積など、地域経済のさらなる発展につながるものです。これまで以上に産学官が緊密に連携しながら対応していく必要があると考えています。

上工下水一体官民連携については、人口減少社会の進展など、今後の厳しい経営環境においても安全・安心な水を安定的に供給していくため、民間の力を最大限活用して経営基盤の強化を図り、持続可能な経営を確立することが急務です。今年は、これまで以上に、県民の皆さまや市町村に対して丁寧な説明と情報発信に努めながら、運営事業者の選定に向けて、本格的な検討を進めてまいります。

また、民営化から3年を迎える仙台空港については、運用時間の延長などで航空会社や利用者にとってさらに使い勝手の良い空港にして、LCCなどの新規就航を呼び込み、地域活性化につなげていきたいと思います。

今年の4月からは、農林水産部を、専門知識を生かして、これまで以上に機動的に対応できる組織に再編したいと考えています。わが県の大きな強みである一次産業で競争力を高められるよう、頑張っていきましょう。

夏には、沿岸部で、アート・音楽・食を楽しむ祭典「リボーンアート・フェスティバル2019」が再び開催される予定となっております。前回よりさらに復興が進んだ、元気な姿を多くの方々に見ていただけるよう、しっかりと支援していきたいと考えています。

東京オリンピック・パラリンピック競技大会まで、あと1年7か月を切りました。今年の4月から、大会運営を支える「都市ボランティア」の募集を始めるなど、準備のペースを上げてまいります。

一方で、大会に向けた機運が高まっていないという懸念の声もあります。「復興五輪」の成功に向けて、全庁が一丸となって地域を盛り上げていかなければならないと考えています。

また、9月からは、ラグビーワールドカップ2019日本大会が開催されます。東北では、岩手県釜石市で、予選の2試合が行われます。大会期間中は、宮城県にも国内外から多くの方々が訪れることでしょう。来年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の前哨戦となります。最高のおもてなしでお迎えいたしましょう。

3 国の政策や社会情勢への対応

今年は、重要な社会制度の変更が予定されています。

10月には消費税率の引き上げが行われます。昨年の県内の経済活動は、緩やかな回復基調にはあったものの、生産や雇用などで弱い動きが見られるようになってきました。消費税は社会保障財源として重要なものでありますが、増税による復興や県内景気への影響が最小限になるよう、県としても注視していく必要があると考えています。

同じく10月から、消費税を財源として、幼稚園・保育所、認定こども園の無償化措置が行われる予定です。私は、この取り組みと、待機児童ゼロの実現によって、子育て世代の負担を軽減し、少子化の解消につなげていかなければならないと考えています。県内においても円滑に制度が運用されるよう、努力してほしいと思います。

平成も残すところあと4か月となり、5月からは元号が改められます。県でも、改元に合わせて、申請書類の修正や、情報システムの改修などを行う必要がありますが、県民生活に支障が生じないよう、丁寧に進めてください。

最近、会計や決算等における事務処理のミスが増えています。もう一回、別の職員がチェックすれば防げたであろうミスが顕在化しているのであります。そうしたミスを未然に防ぐためのチェック体制を構築するよう組織の機能強化を指示いたしました。しっかりと検討してまいりたいと思います。併せて、内部統制の徹底と職員研修の充実なども進めてまいります。

職員の皆さんは、これまで以上に緊張感を持って業務に当たってください。よろしくお願いいたします。

4 平成31年の仕事の進め方

昨年発表された平成28年度の県内総生産の速報値では、名目で約9.4兆円という数字でありました。目標の10兆円まではもう少しのところでありましたが、前年から減少となりました。いよいよ、復興需要の収束が数字に表れてきたものと思います。

今後、生産年齢人口が減少していく中で、復興需要のような特殊要因に頼らず、持続的な地域経済を成長させていくことは、大変重要な課題であります。今年1年、仕事を進めるに当たっては、それぞれの部局・担当において、持続的な成長のためにできることは何か、突き詰めて考えてほしいと思います。その中でも、県内経済を民間需要主導型にシフトさせていくための方策が特に重要であると考えています。

今日は、そのヒントとなる2つの視点からお話をさせていただきます。

民間需要主導型経済へのシフト 視点(1)

1つ目の視点は、持続的な成長のために世界的なトレンドとなっております「ESG」であります。

ESGとは、英語の環境・エンバイロンメント、社会・ソサエティー、統治・ガバナンスの頭文字であります。財務情報の他に、この3つの要素がしっかりとしている組織は、環境への配慮と社会貢献、自律的な経営によって、持続的に成長できる有望な投資対象と判断されます。

ESGの取り組みは、特別なものではありません。

3つの要素の具体的な取り組みの例を挙げますと、「環境」がCO2削減やリサイクルなどの自然環境への対策、「社会」が従業員のワーク・ライフ・バランスや人権保護などの社会的課題への対策、「統治」が情報開示や汚職防止などの組織運営の構築などで、事業活動を通じて、社会に貢献しようとするものなのであります。

ESGに対する世界規模の投資額は、アメリカやヨーロッパを中心に、2,500兆円以上といわれており、大きなインパクトがあります。

日本での運用はまだあまり多くはありませんが、昨年、わが国の年金積立金管理運用独立行政法人GPIFが、資産の運用について運用先がESG投資を適切に実践しているかどうかで判別するという方針を示しました。こうした動きなどに対応して、わが国の大企業や金融機関でも、ESGに取り組む動きが出ており、こうした流れは今後加速していくと思われます。

私は、こうした新しいトレンドへの対応を新たな投資を呼び込むための一つの手段としていきたいと考えています。わが県の事業者においても、ESGの考え方を取り入れて成長することができないか、ぜひ一緒に考えてみてほしいと思います。

民間需要主導型経済へのシフト 視点(2)

2つ目の視点は、幅広い分野で民間と積極的、徹底的に連携するということであります。

公共施設の整備や、利活用促進を成功に導くためには、民間企業や大学など、民間活力との連携・タイアップをしっかりと進めることが重要であります。

例えば、公共施設を整備する場合に、行政がとりあえずハードを整備すれば、成果は後からついてくるという考え方では、そのプロジェクトは失敗するでしょう。設計段階から利用者のライフスタイルやニーズを的確に把握し、それらを満たすためには民間事業者とどのように連携するのがよいのかという発想からスタートすることが必要なのであります。

民間企業や大学はアイデアが豊富であります。行政だけでは考えつかないような新しい取り組みが生まれてくるでしょう。積極的に交流して、プラスアルファを考えてほしいと思います。

市町村や他県などでも、参考にすべき先進事例が多数出てきております。アンテナを高くして、先進事例から良いところを取り入れ、ポスト復興の動きを加速させてまいりましょう。

5 職員へのメッセージ

最後になりますが、我が県の最優先課題である震災からの復興に向けて、計画期間は残り2年3か月となりました。今年は、ラストスパートの速度をさらに上げてまいりたいと考えており思います。

それでは、今年も「前向きな行動力」のM、「明るさ」のA、「知恵」のC、「根性」・「風通し」のK、MACK2で、1年頑張ってまいりたいと思いますので、皆さんよろしくお願い申し上げます。

お問い合わせ先

広報課企画報道班

宮城県仙台市青葉区本町3丁目8番1号

電話番号:022-211-2281

ファックス番号:022-263-3780

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