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普及に移す技術第91号/普及技術6

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年4月8日更新

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普及技術(平成27年度)

分類名〔野菜〕

水稲育苗箱を用いたミズナ,リーフレタス等の簡易養液栽培

[PDFファイル/309KB]

宮城県農業・園芸総合研究所

1 取り上げた理由

水稲の育苗ハウスなどは3から5月の水稲育苗以外は使わない場合が多く,また水稲育苗の効率からハウス内土壌が固く締められていたりと野菜の栽培に不適なハウスが多い。今回ハウス内の土壌を使用せずに,水稲用育苗箱に培土を充填して各種葉菜類を栽培する場合の栽植密度,栽培方法を明らかにしたので,普及技術とする。

2 普及技術

1)栽培方法
ハウス内にビニールマルチを敷いた後に,空の育苗箱を配置し市販培土を充填する。または既に培土を充填した育苗箱を配置する。育苗箱を配置した後,灌水チューブを1箱につき2本配置し,塩ビ管,タンク,電磁弁,水中ポンプ等へ配管を行う。その後,播種または定植を行い,1から2週間程度水道水を手かん水をした後,タイマー制御で電磁弁及び水中ポンプを制御し,肥料を溶かした養液(EC約1.2から2.6dS/m)をかん水チューブに通水し栽培を行う(図1)。1回の給液量や給液間隔は栽培時期と品目により異なるので,生育を確認しながら調整する。
この栽培における定植とは育苗箱の培土にセル苗が入るくらいの穴を空け,苗を入れ周りの土となじませることをいう。
2)使用培土
窒素が添加されていない培土を用いるとミズナの場合初期生育が劣るが,収穫中期以降はどの培地を用いても1株重は同等となる(表1)。また,新規培土で一度栽培した後,次の作で同じ培土を連用して使用することも可能である(表1,表3,表4,表5,表6)。
3)各品目の播種・定植方法
 a ミズナは育苗箱に対し3条植えすると収穫株数が多くなるが,1株当たりの重量は2条植えが重くなり育苗箱当たりの収量は同等となることから,育苗箱に対し2条植えで各7から8箇所(株間約7から8cm間隔)2から3粒を直播きするのが適している(図2,図3,表2,表3)。
 b 小松菜は育苗箱に対し2から3条植えで各7から8箇所2から3粒を直播きする(図2,表4)
 c リーフレタスは9月下旬に128穴セルトレイに播種し,10月中旬育苗箱に定植する。育苗箱1枚に対し苗を3株から4株植え (789から1052株/ a)で千鳥で定植する(図2,図4,図5,表5)。
 d チンゲンサイは10月上旬に128穴セルトレイに播種し,10月中旬に2条植えで各5か所(株間約12cm,育苗箱あたり10株)に定植する(図2,表6)。

3 利活用の留意点

1)この栽培は水と電気が使用できることが前提となる。また,害虫等の侵入を軽減するためにハウスのサイド,入り口等に防虫ネットを設置する。
2)この栽培に当たっては必ず養液を用いて栽培する。
3)一般的にミズナは,気温が25℃以上では葉が徒長するので葉数の確保が難しく,かつ高温期には過湿による軟腐病が多発しやすいことから,春,晩夏から秋まきが作りやすいとされている。また,他の葉菜類より十分な水を必要とするとされているので,ミズナのみの給液系統で栽培するのが望まれる。
4)レタスは高温期に抽台する性質があるので,各品種の種子袋等に書いてある適期表を参考にする。
5)連用培土の使用の際は,播種または定植前に一度手かん水したのち播種または定植する。播種の場合はその後新規培土で約1cm程度覆土する。
6)粗収益,設置経費等の参考値を表7,表8に示した。
(問い合わせ先:宮城県農業・園芸総合研究所園芸栽培部 電話022-383-8132)

4 背景となった主要な試験研究

1)研究課題名及び研究期間
宮城から提案する新規園芸品目の生産技術の開発(平成26-27年度)
2)参考データ

図1試験に用いた簡易養液栽培装置(左)と実際の栽培の様子(中)及び試験における畝設定(右)
図1 試験に用いた簡易養液栽培装置(左)と実際の栽培の様子(中)及び試験における畝設定(右)

図2播種,定植様式図
図2 播種,定植様式図

図3二条及び三条植えのミズナ

表1異なる培土を使用した場合のミズナ及びロメインレタスの収量(平成27年)
表1 異なる培土を使用した場合のミズナ及びロメインレタスの収量(平成27年)

表2ミズナの簡易養液栽培における条間を変えた場合の収量及び最大葉長(平成27年7月10日)
表2 ミズナの簡易養液栽培における条間を変えた場合の収量及び最大葉長(平成27年7月10日)

表3ミズナの簡易養液栽培における条間・播種方法・培土を変えた場合の収量及び最大葉長(平成27年)
表3 ミズナの簡易養液栽培における条間・播種方法・培土を変えた場合の収量及び最大葉長(平成27年)

表4小松菜の簡易養液栽培におけるの条間・培土を変えた場合の収量及び最大葉長(平成27年)
表4 小松菜の簡易養液栽培におけるの条間・培土を変えた場合の収量及び最大葉長(平成27年)

表5リーフレタスの簡易養液栽培における栽植密度と培土を変えた場合の収量(平成27年)
表5 リーフレタスの簡易養液栽培における栽植密度と培土を変えた場合の収量(平成27年)

図4栽培中の様子(平成27年11月25日)
図4 栽培中の様子(平成27年11月25日)

図5栽植密度別のリーフレタス(平成27年12月15日)(連用培土区,品種「フリルレタス」)
図5 栽植密度別のリーフレタス(平成27年12月15日)(連用培土区,品種「フリルレタス」)

表6チンゲンサイの簡易養液栽培における培土を変えた場合の収量及び最大葉長(平成27年)
表6 チンゲンサイの簡易養液栽培における培土を変えた場合の収量及び最大葉長(平成27年)

表7簡易養液栽培をミズナで2作行った場合の粗収益(a当たり252箱設置と試算)
表7 簡易養液栽培をミズナで2作行った場合の粗収益(a当たり252箱設置と試算)

表8設置にかかる資材費試算(a当たり252箱設置と試算)
表8 設置にかかる資材費試算(a当たり252箱設置と試算)


3)発表論文等
a 関連する普及に移す技術 なし
b その他
a)日向真理子(2016)平成27年度園芸学会春季大会(予定)
4)共同研究機関 なし

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