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掲載日:2019年11月25日

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第三百七十回宮城県議会知事説明要旨

令和元年11月25日

本日ここに第三百七十回宮城県議会において、令和元年度一般会計補正予算案をはじめとする提出議案を御審議いただくに当たり、最近の県政の動きと議案の概要を御説明申し上げます。

説明に先立ちまして、先月二十二日、天皇陛下におかれましては、即位礼正殿の儀において、国の内外に御即位を宣明されました。県民一同心よりお慶び申し上げますとともに、令和の御代の平安と皇室の弥栄をお祈り申し上げます。

また、先ほど議長より御披露と伝達がありました坂下賢議員、岸田清実議員におかれましては、長年にわたり地方自治の発展に尽力された御功績により、全国都道府県議会議長会から表彰をお受けになりました。県民の皆様とともに心からお祝い申し上げ、多年の御功労に対しまして深く敬意を表するものであります。なお一層御自愛の上、県勢発展のため今後とも御活躍いただきますよう御期待申し上げます。

それでは御説明いたします。

初めに、令和元年台風第十九号による豪雨被害への対応についてであります。

先月十二日から十三日にかけて、関東・東北の各地で激しい雨に見舞われ、県内では丸森町や大郷町、大崎市をはじめとする地域で河川における堤防決壊や越水が相次ぐとともに、広範囲にわたって浸水し、多くの尊い命が奪われる事態となりました。住宅の被害は全壊及び半壊、床上・床下浸水などおよそ一万九千棟に上り、農作物の被害面積は七千ヘクタールを超えたほか、被害額については、現在、河川施設や農地・農業用施設を中心に取りまとめを行っているところであります。また、公共土木施設や農地、中小企業などに係る被害について激甚災害に指定され、本県では東日本大震災以来となる特定非常災害の指定も受けることとなりました。ここに改めてお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。

現在、堤防等の復旧に全力を挙げると同時に、被災した道路・橋りょう、林道、農地・農業用施設などの復旧や、被災された方々の生活・生業支援及び災害廃棄物の処理について対応を急いでいるところであります。当面の応急復旧及び応急救助等に係る補正予算や各種使用料及び手数料等の減免を行うための条例改正などは、今議会に追加提案する予定としているほか、本格復旧等については、今後、災害査定などの状況を見ながら必要な予算措置を行い、災害に強い県土づくりを目指してまいる所存でありますので、議員各位そして県民の皆様の御理解を賜りますようお願い申し上げます。

次に、東日本大震災に係る復興・創生期間後の国の支援体制及び財源の確保につきましては、今月開催された復興推進委員会において、復興庁の存続期間を十年延長するほか、地震・津波被災地域の復興事業について、復興・創生期間終了後五年間での完了を目指す方向性が示されました。復興庁の存続につきましては、大いに評価できるところでありますが、復興事業の期限については、一律五年間とするのではなく、被災地の実態を踏まえ、一定程度柔軟に対応していただく必要があるものと考えており、引き続き国に対して強く要望してまいります。

次に、震災復興計画の推進と宮城の将来ビジョンの実現に向けた取組状況についてであります。

気仙沼大島は、四月に開通しました気仙沼大島大橋の効果もあり、大型連休や夏休み期間を中心に多くの観光客が訪れ、橋の開通から大島を訪れた方の数は既に五十万人を超えているとのことであります。また、先月、石巻市牡鹿地区に観光物産交流施設やビジターセンターを備えた「ホエールタウンおしか」が一部開業いたしました。復興事業の進展により、甚大な被害を受けた地域のにぎわいが戻りつつあるのは大変喜ばしく、両地区とも今後新たな施設のオープンも控えていることから、更なる地域活性化につながるものと大いに期待しております。

加えて、九月に宮城オルレ三コース目となる「大崎・鳴子温泉コース」がオープンいたしました。「大崎・鳴子温泉コース」は鳴子峡や奥の細道ゆかりの名所、温泉などを巡る内陸部での初めてのオルレとなります。今回のオープンにより、既存の二コースと合わせ、宮城の美しい自然や歴史、食などの魅力を体験できることとなり、インバウンドをはじめとする観光客の増加が期待できるものと考えております。

本格デビューから一年が経過いたしました宮城米の新品種「だて正夢」につきましては、作付面積を昨年度の倍に拡大するとともに、先月、JR仙台駅において出陣式を開催し、令和元年産米の販売がスタートしました。また、県育成いちご新品種「にこにこベリー」につきましては、今年度、県内各地で栽培が開始されており、今月二十二日に仙台市内においてデビューイベントを開催いたしました。引き続き、認知度向上と販路拡大を推し進めることにより、宮城を代表する農産物としての魅力を発信してまいります。

仙台空港は民営化から四年目を迎え、先月からタイ国際航空のバンコク便、今月から中国国際航空の大連便の運航が再開されるなど、本県のみならず、東北の玄関口としての役割が大きくなっております。LCCをはじめとする新規路線誘致のためには、運用時間の延長等による仙台空港の機能強化が必要であると考えており、引き続き、地元の皆様に御理解いただけるよう、仙台国際空港株式会社とともに丁寧な説明を続けてまいります。

喫緊の課題であります介護人材の確保策については、四月に外国人労働者の受入拡大に向けた改正出入国管理法が施行されたことなども踏まえ、外国人材の活用を進めているところであり、先月、介護事業者向けの外国人介護人材活用に関するセミナーを開催いたしました。需要が増大している外国人介護人材の更なる受入れを目指し、EPAや技能実習などの制度を積極的に活用していく必要があるものと考えており、引き続き制度の周知やワンストップ窓口での相談対応などにより、介護事業者の人材確保の取組を支援してまいります。

上水道、工業用水道、下水道三事業の一体化につきましては、官民連携で運営する「みやぎ型管理運営方式」の導入を目指し、九月に実施方針の素案を公表いたしました。また、パブリックコメントを実施し、広く県民の皆様の意見を募集したほか、県内各地において出前講座を実施するとともに、関係市町村に対しても事業の詳細説明を行ってまいりました。今回の運営スキームは、民間事業者のノウハウを活かすコンセッション方式により、今後人口減少が急速に進むことが予測される本県にとって、将来の県民負担の軽減につながるものであり、今議会に「みやぎ型管理運営方式」を実施するための条例改正案を提出しているところであります。

開催まで一年を切った東京二○二○オリンピック・パラリンピック競技大会につきましては、先月より、都市ボランティアの共通研修を開始いたしました。研修では、応募をいただいたおよそ二千人の方々に、オリンピックの概要や活動時の基礎的知識のほか、ボランティアとしての心構えも習得していただいております。復興に進む姿を発信し支援への感謝を伝える「復興五輪」を成功に導くためにも、本県を訪問される方々をしっかりとお迎えできるよう、引き続き、都市ボランティアの育成をはじめとする様々な取組に全力で取り組んでまいります。

なお、先月の議員全員協議会で説明いたしました石巻市立大川小学校国家賠償等請求事件に係る損害賠償金等については、石巻市議会の議決を踏まえ、二十億五千六百八十万円余の補正予算を先月二十一日に専決処分するとともに、県から原告の方々に全額の支払いをいたしました。今後は、県と石巻市との覚書に基づき、十年間をかけて石巻市から同額の支払いを受けることとしております。

経済情勢については、先月発表された国の月例経済報告によれば、景気は緩やかに回復しているものの、輸出を中心に弱さが長引いているほか、生産は弱含んでいるとされ、景気判断は下方修正されております。また、中国経済の先行きや消費税率引上げ後の消費者マインドの動向に留意する必要があるとされていることから、我が国経済を取り巻く情勢は予断を許さない状況にあり、今後の景気動向に注意を払っていかなければならないと考えております。

次に、今後の県政運営の基本的な考え方につきましては、来年度の予算編成に先立ち、先月下旬に「令和二年度政策財政運営の基本方針」を策定いたしました。現在、創造的な復興の実現に向け一歩一歩前に進んでおりますが、被災地においては、なお復旧・復興事業の進捗や経済・産業の回復に差が生じているほか、人口減少も進むなど厳しい環境にあります。このような状況を踏まえ、震災復興計画の最終年度においては、復興の総仕上げに総力を結集するとともに、復興の進展に伴い生じている様々な課題等にきめ細かく、かつ、スピードを重視しながら対応していくことが重要であります。このため、来年度は、「力強くきめ細かな震災復興」をはじめとする四つの政策推進の基本方向の下、復旧・復興の完遂に向けた施策を最優先とし、富県宮城の更なる発展や教育・福祉の充実などの取組に加え、働き方改革や各分野における人材の育成・確保に一層力を入れてまいります。また、SDGsの理念を反映した次期総合計画の策定を進めるとともに、人口減少・少子高齢化対策、持続可能な地域社会づくりへの対応などの課題解決を目指し、魅力あふれる地域づくりを進めてまいります。

財政の見通しにつきましては、来年度の地方財政収支の仮試算において、歳入面では国庫支出金や臨時財政対策債の発行額の増加のほか、歳出面では社会保障経費をはじめとする一般行政経費の増が見込まれております。また、先月から実施されております消費税率引上げによる幼児教育・保育の無償化や来年度から新たに制度化される高等教育の修学支援、会計年度任用職員に係る経費などについては、来年度以降、地方財政計画の歳出に計上される予定であり、制度の安定的な継続に向け、確実に歳出計上されるよう予算編成過程をしっかりと注視していく必要があります。

これらを踏まえ、来年度予算につきましては、復興の総仕上げのための各種施策の推進と復興期間後に向けた地方創生をはじめとする富県戦略に掲げる施策に全力を注いでまいります。また、「新・みやぎ財政運営戦略」に基づき中長期的な財政の健全性維持に最大限配慮するとともに、復興・創生期間の終了後を見据え、持続的な地域社会の構築等の新たなニーズに対応する人員・財源を生み出した上で重点的に配分すべく、既存事業の見直しを徹底しながら予算編成を進めてまいります。

(東日本大震災関連事業)

補正予算案の主な内容ですが、震災関連としましては、先月国に提出した東日本大震災復興交付金の第二十五回申請額を基金に積み立てるとともに、津波被災農地のほ場整備や漁港施設の整備に係る経費を追加しております。

(その他の主な事業)

次に、震災関連以外の事業としては、地方財政法に基づいて平成三十年度一般会計決算剰余金を財政調整基金に積み立てるほか、養豚場における家畜伝染病対策として野生イノシシの侵入防止柵の設置を支援する経費を計上しております。また、東京二○二○オリンピック・パラリンピック競技大会の都市ボランティア運営等の業務委託費について債務負担行為を設定するほか、河川管理及び道路の除融雪など今年度末から来年度初めにかけて行う必要のある公共事業費や指定管理者制度による公共施設管理運営業務委託費についても債務負担行為を設定しております。

なお、一般職の職員の給与については、先月、人事委員会から月例給、ボーナスともに引き上げることを骨子とする勧告があったところですが、その取扱いを慎重に検討した結果、勧告どおり改定することとし、これに合わせて、知事等の特別職についても期末手当を引き上げることといたしました。これら給与の改定に関する条例改正は今議会に提案しているところでありますが、これに伴う人件費の増額分は、今年度の異動等に伴う減額分と併せて既決予算の範囲内で対応できる見込みであり、最終の補正予算で整理してまいりたいと考えております。

以上、補正予算案の主な内容について御説明申し上げましたが、今回の補正規模は、一般会計及び総計ともに三百九十四億五千九百余万円となります。財源としては、繰越金百九十億五千二百余万円、国庫支出金百四十七億七百余万円、繰入金五十二億五千四百余万円などを追加しております。

この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆一千六百三十四億一千四百余万円、総計で一兆六千四百八十八億五千余万円となります。

次に、予算外議案については、条例議案十四件、条例外議案三十件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。

まず、条例議案でありますが、議第百八十五号議案は、土砂等の埋立て等の規制に関し必要な事項を定めようとするもの、議第百八十六号議案及び議第百八十七号議案は、人事委員会の勧告を受け、一般職の職員の給与を本年四月に遡及して改定するとともに、勤勉手当を引き上げ、また、これに準じて特別職の期末手当の支給割合を引き上げようとするもの、議第百九十号議案は、産業廃棄物税の適用期間を延長するため所要の改正を行おうとするもの、議第百九十一号議案は、廃止措置中の原子炉について核燃料税の出力割の課税を可能にする改正を行おうとするもの、議第百九十七号議案は、宮城県上工下水一体官民連携運営事業、いわゆる「みやぎ型管理運営方式」を実施するため所要の改正を行おうとするものであります。

次に、条例外議案でありますが、議第百九十九号議案は、令和二年度における自治宝くじの発売限度額について、議第二百号議案ないし議第二百十号議案は、指定管理者の指定について、議第二百十一号議案は、調停案の受諾について、議第二百十二号議案及び議第二百十三号議案は、財産の処分について、議第二百十四号議案ないし議第二百二十三号議案は、工事請負契約の締結について、議第二百二十四号議案ないし議第二百二十七号議案は、工事請負変更契約の締結について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。また、議第二百二十八号議案は、石巻市立大川小学校国家賠償等請求事件に係る損害賠償金等の支払いに伴う令和元年度宮城県一般会計予算の補正について、専決処分を行いましたので、その承認をお願いしようとするものであります。

以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。

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