東日本大震災災害公営住宅等入居者健康調査検証事業報告書(平成23年度～令和2年度)

　検証事業報告書の詳細は,こちらのページをご覧ください。

1　報告書の目的

　平成23年度から令和2年度までの10年間に,県と市町村が共同で実施してきた災害公営住宅等入居者健康調査について,実施状況や10年間の調査結果の分析等をとりまとめ,これまでの取組を振り返るとともに,将来の大規模災害時の対策等に活用するもの。

2　調査結果の分析の概要

(1) 住宅種別（プレハブ,民間賃貸借上,災害公営）ごとの健康状態の経年変化

　住宅種別ごとに入居者の健康状態の経年変化を分析した結果,健康状態を示す項目については,総じて経年的に改善していた。

(2) 転居の影響

　災害公営住宅への転居時及びその前後の被災者の健康状態の変化について分析した結果,「心の問題」と「行事への参加がない」の項目が改善するなど,災害公営住宅への転居は入居者にプラスに働いたことが推定された。

(3) 健康状態に影響するリスク因子

　健康状態を示す項目とリスク因子との関連について分析した結果,「相談相手がいない」や「体を動かす機会の減少」のリスク因子が健康状態に大きく影響しており,ソーシャルサポートの重要性が改めて明らかになった。

3　健康調査を振り返って

　健康問題を抱える人を早期に把握し,必要な支援につなぐなど有効に活用できた。また,調査結果から地域の健康課題が把握され,必要な取組・事業等が展開された。さらに,今回の大震災の様に災害が広域にわたる場合において,県と市町村が統一した調査票を使用することで,調査結果の集計や分析の効率的な実施につながった。