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公共用水域における環境ホルモン調査結果(平成14年度)

印刷用ページを表示する 掲載日:2006年2月24日更新

宮城県が14年度に公共用水域中の環境ホルモンについて行った調査結果の概要は、次のとおりです。

1.調査目的

 環境ホルモン対策については、環境省において「環境ホルモン戦略計画SPEED'98(平成12年11月改正)」を策定し、全国一斉調査の実施や調査研究の推進などを図っておりますが、宮城県では国の対策と連携し必要な対策を遅滞なく実施するために、県内の主な河川、湖沼及び海域における環境汚染状況及びアルキルフェノール類の詳細調査を実施しました。また、有機スズ汚染が原因とされるインポセックス(巻貝類の雌に雄の生殖器官が形成されて発達する現象)の発現の有無を平成11年度に引続き調査しました。

2.調査内容及び結果

(1)環境汚染状況調査

1 調査時期

 平成14年11月

2 調査地点

  1. 河川 10地点…大川(館山大橋)、迫川(西前橋)、吉田川(二子屋橋)、砂押川(多賀城堰)、白石川(船岡大橋)、増田川(毘沙門橋)、五間堀川(矢の目橋)、出来川(小牛田橋)、川内沢川(川内橋)、江合川(清水閘門)
  2. 湖沼 1地点…長沼(長沼出口)
  3. 海域 4地点…松島湾(港橋)、石巻湾(長浜沖)、女川湾(魚市場前)、気仙沼湾(神明崎沖)

 計15地点

3 調査媒体

 水質

4 査対象物質

 環境ホルモン作用を有すると疑われる化学物質(26物質)及び関連物質(3物質)

 合計29物質

5 調査結果

 調査対象物質29物質のうち次の6物質が検出された。

環境ホルモン作用を有すると疑われる化学物質
 物質名検出地点数最大値(μg/L)
1ノニルフェノール8/150.80
2ビスフェノールA4/150.019
32,4-ジクロロフェノール2/150.015
4フタル酸ジエチル8/150.062
5フタル酸ジ-2-エチルヘキシル11/150.084
関連物質
 物質名検出地点数最大値(μg/L)
117-β-エストラジオール15/150.00068

 検出された濃度は、宮城県でこれまでに調査した結果と同レベルでした。

別紙

平成14年度環境ホルモン調査結果

平成14年度環境ホルモン調査結果地点別

(2)アルキルフェノール類の詳細調査

1 調査日時

 平成14年11月25日午前及び午後各1回

2 調査地点

 (1)吉田川

  1. 籠釣橋/上流 
  2. 悟渓寺橋/中流
  3. 二子屋橋/下流

 (2)増田川

  1. 河原前橋/上流
  2. 舟橋/中流
  3. 柚の木橋/下流)

3 調査媒体

 水質

4 調査対象物質

 環境ホルモン作用を有すると疑われる化学物質(26物質)及び関連物質(3物質)
合計29物質

5 調査結果

 吉田川では、全ての地点でアルキルフェノール類は、検出されませんでした。増田川では、ノニルフェノールが舟橋及び柚の木橋から最大で0.08μg/L検出されました。この濃度は、環境省が魚類への作用影響が無いと考えられる濃度として提示している予測無影響濃度0.608μg/Lを下回っていました。

吉田川調査結果
物質名 吉田川(上流)吉田川(中流)吉田川(下流)
龍釣橋悟渓寺橋二子屋橋
平成14年11月25日平成14年11月25日平成14年11月25日平成14年11月25日平成14年11月25日平成14年11月25日
11時03分14時10分10時40分13時45分9時51分13時10分
4-t-ブチルフェノール<0.001<0.001<0.001<0.001<0.001<0.001
4-nーペンチルフェノール<0.001<0.001<0.001<0.001<0.001<0.001
4-nーヘキシルフェノール<0.001<0.001<0.001<0.001<0.001<0.001
4-nーヘプチルフェノール<0.001<0.001<0.001<0.001<0.001<0.001
4-tーオクチルフェノール<0.001<0.001<0.001<0.001<0.001<0.001
4-nーオクチルフェノール<0.001<0.001<0.001<0.001<0.001<0.001
ノニルフェノール<0.002<0.002<0.002<0.002<0.002<0.002
増田川調査結果
物質名増田川(上流) 増田川(中流)増田川(下流)
河原前橋舟橋柚の木橋
平成14年11月25日平成14年11月25日平成14年11月25日平成14年11月25日平成14年11月25日平成14年11月25日
11時30分14時45分10時41分14時15分10時17分13時55分
4-t-ブチルフェノール<0.001<0.001<0.001<0.001<0.001<0.001
4-nーペンチルフェノール<0.001<0.001<0.001<0.001<0.001<0.001
4-nーヘキシルフェノール<0.001<0.001<0.001<0.001<0.001<0.001
4-nーヘプチルフェノール<0.001<0.001<0.001<0.001<0.001<0.001
4-tーオクチルフェノール<0.001<0.001<0.001<0.001<0.001<0.001
4-nーオクチルフェノール<0.001<0.001<0.001<0.001<0.001<0.001
ノニルフェノール<0.002<0.002<0.0020.080.040.03

(3)生物影響調査

1 試料採集時期

 平成14年6月

2 試料採集地点

 松島湾8地点、女川湾4地点、気仙沼湾7地点計19地点

3 調査対象

 イボニシ、チヂミボラ、レイシガイ

4 イボニシ等海産巻貝を採取し、インポセックスの発現の有無を計測した。

5 調査結果

 平成11年度の調査に引続き、インポセックスを発現した個体が依然高頻度で発見されましたが、外洋に面した地点でイボニシの正常な雌の個体が確認されたほか、チヂミボラやレイシガイでは、インポセックスの発現率に若干の減少が確認されました。

個体毎の発現率は次のとおりです。

生物影響調査
 平成14年度平成11年度
検査個体数発現個体数発現率検査個体数発現個体数発現率
イボニシ15014697%8484100%
チヂミボラ402460%766180.3%
レイシガイ 302790%8484100%

3.今後の対応等

  1. 環境汚染状況調査については、平成10年度から平成14年度まで県内の主要な公共用水域の汚染状況について把握してきました。今後は、環境省が実施している環境ホルモン作用が疑われる物質の有害性の有無についての評価結果を踏まえて詳細な調査を行っていきます。
  2. アルキルフェノール類の調査の結果並びに平成10年度から実施してきた汚染状況調査から河川におけるアルキルフェノール類の濃度は、かなり変動していることが確認されました。アルキルフェノール類に属するノニルフェノールやオクチルフェノールは、環境省が実施している生物影響評価でメダカの精巣に卵を形成する内分泌攪乱作用を有する物質であることが確認されていることから、平成15年度も、地点数や回数を増やすなどして汚染状況の把握に努めます。
  3. 生物影響調査の結果からイボニシのインポセックスは、平成11年度に引続き平成14年度においても高発現率で確認されたことから、平成17年度においてもその発現状況について調査を行うことにします。また、インポセックスとの因果関係が明確になっている有機スズ化合物は、過去に検出されたこともあるので、平成15、16年度に内湾における有機スズ化合物の濃度分布について詳細な調査を実施することにしております。

参考

有害性評価

 環境省では、「環境ホルモン戦略計画SPEED’98」掲載の内分泌攪乱作用が疑われる物質について、平成12年度からのミレニアムプロジェクトにより、優先順位の高いものから、順次、有害性評価を行っている。この評価の中でこれまでに,ノニルフェノール及び4-オクチルフェノールが雄のメダカの精巣に卵を形成する内分泌攪乱作用を有することが確認されている。また、この中で環境省は魚類への作用影響が無いと考えられる濃度(予測無影響濃度)としてノニルフェノール0.608μg/L、4-オクチルフェノール0.992μg/Lを提示している。

インポセックス

 巻貝類の雌に雄の生殖器官(ペニスや輸精管)が形成されて発達する現象を表す造語。有機スズ化合物が原因物質といわれており、雌のイボニシにインポセックスを誘発した濃度は、0.001μg/Lと報告されている。(独立行政法人国立環境研究所、堀口主任研究員他)

有機スズ化合物

 トリブチルスズやトリフェニルスズなどを指し、船底防汚剤等に用いられた。日本では、有機スズ化合物が海洋生物に与える悪影響等を早期に認識し、1992年から国内造船所での完全使用自粛、1997年から国内の塗料工場での製造中止等、船舶用塗料に係る規制を自主的に推進してきた。しかし、未規制国の船舶の寄港による汚染などの問題から、「船舶についての有害な防汚方法の管理に関する国際条約」が採択されるなど、国際的な規制が進んでいる。