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掲載日:2023年10月23日

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王城寺原演習場周辺における障害と国による損失補償及び事務所の設置経緯

防衛省の前身である調達庁(昭和27年4月1日設置)は、駐留軍の活動に伴う被害に対して必要となる河川改修工事や農業用用排水路工事等の特別損失防止対策事業を「日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊等の行為による特別損失の補償に関する法律」(昭和28年法律第246号)に基づいて実施することが可能となっていたものの、王城寺原演習場が昭和33年1月に米軍から全面的に返還されるまでの間は、被害が発生しても事業を実施する情勢にはありませんでした。

旧陸軍時代の演習行為は、歩兵の徒歩演習によるものであったため演習場が荒廃するまでには至りませんでしたが、駐留米軍及び返還後の陸上自衛隊の演習は、その使用頻度も高く、近代装備の車両の走行、重火器の実弾射撃、キャンプ場や壕の設置及び場内道路の開設等により、山肌の剥離、地層攪乱及び立木の伐採や焼失などから場内の荒廃が進みました。

これに伴い農作物の減収被害補償が問題となり、昭和31年から昭和34年までの4か年分として、色麻村、大衡村、大和町、三本木町に係る総被害面積1,970ha(農家戸数1,589戸)に対して補償金6億692万円が支払われたほか、昭和35年以降の補償金については、その損失補償にかえて、防災工事(特損防災工事)を実施するという行政措置が講じられることとなったものです。

 また、演習場の荒廃拡大により、地域の基幹産業であった農業の用水源であるため池において、降雨時の土砂流出や干天時の保水力減退などの影響が顕著となっていたため、昭和34年から昭和35年に仙台調達局の直轄工事で4か所のため池工事が実施されました。

しかし、水源涵養能力の減退から洪水や土砂流出の増大を招き、農地、公共施設に被害を与えるとともに、地下水位の低下や河川低水量の減少により、農業用水の不足に拍車をかけることになり、農業経営に多大なる被害が発生しました。

昭和35年以降に実施されることとなった特損防災工事の事業主体は、基本的に演習場内が国、演習場外は演習場周辺の地方自治体となります。国は、障害を受けているのは演習場外の住民等で、その実体を最も把握しているのは町村であり、施工にあたっても周辺住民にとって身近なため民生安定上も効果的であるとの立場をとっていました。

 演習場は、大和町、大衡村、色麻村にまたがる4,651.4haの防衛施設であるとともに、特損防災工事は、三本木町、松山町を加えた演習場周辺の3町2村の広範な地域で行う必要があったため、各町村が別々に事業主体になって実施することには、協議・調整をはじめ様々な課題が生じて不合理に繋がるため、事業推進上の支障になる懸念がありました。

こうしたことから、演習場周辺の特別損失防止対策事業による特損防災工事(障害防止工事)を農業土木技術に精通した職員により、専門的に実施する行政機関の必要性が社会的に求められるとともに、地元の強い要望と熱意により、昭和35年5月に宮城県王城寺原補償工事事務所が設置されるに至ったものです。

以来今日に至る60年余りにおいて、特別損失防止対策・障害防止対策として、河川改修、砂防堰堤、洪水調節ダム、用水ダム、用排水路の新設改修等の工事を関係市町村に代わって宮城県が実施しています。

 

旧事務所 新庁舎

 

 

 

 

お問い合わせ先

王城寺原補償工事事務所 

黒川郡大衡村大衡字平林63-1

電話番号:022-345-5175

ファックス番号:022-345-5176

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