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高等学校入学者選抜審議会では,「県立高等学校の通学区域(学区制)の在り方について」(答申素案)について,平成18年7月21日から平成18年8月31日の間,ホームページ等を通じ県民のみなさまのご意見等を募集しました。
この結果,128人(うち氏名及び住所の記載が無いため参考意見とした者9人)から合計449件(うち参考意見18件)の貴重なご意見・ご提言をいただきました。
ご意見等につきましては,平成18年11月20日に県教育委員会教育長に答申した「県立高等学校の通学区域(学区制)の在り方について」(答申)作成の参考とさせていただきました。ご協力ありがとうございました。
いただきましたご意見等に対する高等学校入学者選抜審議会の考え方につきまして,以下のとおり回答いたします。
No. | ご意見・ご提言の内容(要旨) | 高等学校入学者選抜審議会の考え方 |
---|---|---|
1 | なぜ撤廃という結論になったのかがよく分からない。 (類似 5件) |
当審議会では,平成18年3月に取りまとめた今後の学区制の在り方についての中間報告で見直しの具体的な方向として併記した「学区の撤廃」と「3%枠の拡大」の両論について様々な観点から比較検討した結果,生徒の学校選択の自由の機会を確保するという観点や魅力ある学校づくりによる高校教育全体の活性化という観点などから,答申素案において「学区撤廃が望ましい」としたものです。 なぜ撤廃という結論になったのか分からないという点につきましては,これまでの検討の経緯等を分かりやすく説明した資料を答申の附属資料として作成しました。 |
2 | 学区制導入の経緯,学区制についての検討や評価が不十分だったり,通学区域の今後の方向性の検討などで,記述の根拠があいまいな部分がある。(類似 12件) | 当審議会では,学区制導入の経緯と,その果たしてきた役割,成果を確認するとともに,3%枠の活用状況,総合学科等への受検者及び入学者の動向や全国の動向についても調査を行い,慎重に検討してまいりました。 また,通学区域の今後の方向性についても,通学区域の維持・縮小・拡大・撤廃の4つの選択肢のそれぞれについて検討し,意識調査結果も踏まえ判断したものです。 なお,答申に当たっては,検討の経緯等を分かりやすく説明した資料を答申の附属資料として作成しました。 |
3 | アンケート調査の手法や分析に問題がある。必ずしも学区撤廃の意見は多くない。(類似 11件) | アンケート調査(意識調査)については,対象の選定については人口よりも地域性を重視し,説明文についても特定の方向に偏ることのないよう配慮するなど,公平性・公正性に十分留意して実施しております。 また,その結果については,「学区拡大」と「学区撤廃」を合わせると,生徒,保護者,教員及び一般県民ともに3分の2程度を占めており,学校選択の自由を拡大する方向での見直しを求める意見が多くありました。このようなことから総合的に判断し,学区撤廃としたものです。 |
4 | 3%枠の活用や拡充で十分である。学区は縮小すべき・小学区制が良い。(類似 6件) | 3%枠の活用については,かなり狭い枠であることから心理的制約があることなどの課題が指摘されております。 また,枠を拡大したとしても心理的制約が残るという課題があり,また一方,例えば30%~40%程度にした場合は,実質的には撤廃と同じ効果となるものと考えております。 さらに,学区の縮小については,これまで,生徒のニーズの多様化などに対応し,学校選択の幅を拡大する方向で改正を行ってきていることもあり,生徒の自由な学校選択の機会を保障し,高校教育の活性化を図るという観点からは,通学区域を縮小するという選択肢は適当ではないと考えたものです。 |
5 | 学区制により,切磋琢磨の機会が失われ,学力が低下するなどの問題が生じている。法律や制度で生徒をしばるべきではない。社会経済情勢も変化しており,学力向上や高校の活性化の観点からも学区の撤廃が望ましい。(類似 28件) | 生徒の学校選択の自由を拡大し,本県の県立高校のさらなる活性化と魅力ある学校づくりを願う見地から,当審議会としても,現在の通学区域は撤廃し,全県一学区にすることが望ましいと判断しました。 |
6 | 生徒の立場に立ち,生徒が入りたい高校に入れるようにすべきである。住む場所によって,受けられる高校が制約されるのは問題がある。懸念が指摘されているが,学区を撤廃しても心配するほど大きな影響はない。(類似 26件) | 当審議会では,生徒の自由な学校選択の機会を確保し,本県の県立高校のさらなる活性化と魅力ある学校づくりを願う見地から,現在の通学区域は撤廃することが望ましいと判断しました。 なお,通学区域の撤廃は,生徒の学校選択や中学校での進路指導に大きな影響をもたらすものであり,また,特定の地区・学校への志願者の集中や学校間格差の助長などの懸念もあることから,県教育委員会においては,新制度の十分な周知を図り,生徒が適切に学校を選択できる環境を整備するとともに,住民や市町村との連携のもと,地域から信頼される「魅力ある学校づくり」をこれまで以上に推進する必要があることを答申に盛り込んでおります。 |
7 | 懸念される事柄についての対策が具体的に示されていない。魅力ある学校づくりなど,各地域の高校の充実が必要である。(類似 21件) | 当審議会では,学区撤廃に伴い懸念される事柄について,各地域での魅力ある学校づくりが着実に実績を上げつつある状況を踏まえ,今後,このような取組をより一層積極的に推進することや,生徒が適切に学校を選択できる環境整備を推し進めることによって,懸念は解消されるものと考えております。 懸念される事柄に対する対策の具体化については,より明確化する方向で答申素案の記述を修正しました。 なお,魅力ある学校づくりに関する現在の取組状況を整理した資料を答申の附属資料として作成しました。 |
8 | 学区撤廃で更に志願者が集中し競争が激化したり,高校の序列化や学校間格差が拡大するなどの弊害が出る。国会の附帯決議にも反する。 (類似 71件) |
答申では,特定の地区・高校への集中や学校間格差の助長等を,学区の撤廃に伴って懸念される事柄として挙げています。 当審議会では,こうした懸念事項について,現在,各地域での魅力ある学校づくりが着実に実績を上げつつある状況を踏まえ,今後,県教育委員会において,このような取組をより一層推進することが重要であると考え,答申に盛り込んでおります。 なお,既に学区を撤廃した他の10都県の撤廃後の状況について調査したところ,8都県で主要進学校あるいは特定地区への生徒の集中は見られなかったことを確認しています。 |
9 | 地元の高校に通えなくなったり,遠距離通学や不本意入学など,子どもの負担が増す。親の負担も増え経済格差が教育格差につながる。 (類似 51件) |
生徒が学校を選択するに当たっては,学力や地理的条件だけでなく,将来の職業,部活動や教育理念など,各高校の特色を見極め,それぞれの視点で,それぞれに合った高校が選択されるものと考えられます。 当審議会としては,そのことが可能となるよう,生徒と保護者の意向を踏まえながら,適切な進路指導が行われることが重要であると考えております。 このため,学区を撤廃する場合には,生徒が適切に学校を選択できる環境づくりを提言しております。 |
10 | 地方の高校の志願者が減少し,定員割れになったり,活力が低下する。郡部の高校の統廃合につながる。高校と地域のつながりが希薄化し,地域にも影響が出てくる。 (類似 32件) |
当審議会としては,地元の高校で生徒一人一人の進路希望が実現されることが進路選択の基本であると考えております。 この点については,現在,各地域での魅力ある学校づくりが着実に実績を上げつつあり,学校の特色づくりも進展しております。 学区が撤廃された場合にも,各学校の伝統や個性を生かしながら,時代の要請を踏まえ,住民や市町村との連携のもと,地域と一緒になって高校の魅力づくりを進めることにより,地元の生徒を引きつけ,高校と地域のつながりも維持されるものと考えております。 |
11 | 選択の自由が拡大するのは一部の生徒だけで,大多数の生徒には自由は保障されない。機会均等が失われる。(類似 26件) | 当審議会としては,生徒が自由に高校を選択できる機会を確保することが重要であると考えています。 今回の答申では,このような考え方から,通学区域の撤廃が望ましいとしたものです。 なお,機会均等という観点で見た場合,全日制課程の専門学科(工業,商業,農業,理数科,英語科等)及び総合学科は既に全県一学区であり,学区により学校選択の制限が設けられているのは全日制課程普通科だけであるという現状にも留意する必要があると考えております。 |
12 | 交通利便性が向上したのは一部地域であり,地方ではバス・鉄道の廃止等により不便になったところもある。(類似 5件) | 地方路線バスの廃止やくりはら田園鉄道の廃止予定に伴い,一部の生徒の通学手段に影響が出る,あるいは出る可能性があることは確認しましたが,地元市町による代替交通手段の確保や保護者の送迎などによって対応が図られることも調査で確認しました。 なお,正確性を期すため,答申素案の記述を修正しました。 |
なお,「県立高等学校の通学区域(学区制)の在り方について」(答申)及び附属資料は以下のとおりです。
「県立高等学校の通学区域(学区制)の在り方について」(答申)及び附属資料一式(PDF:470KB)
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