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水稲栽培における米の高品質化,差別化に向けた取組の一つとして,衛星画像を利用してNDVI(正規化差植生指数)を算出し,生育状況を広域的に解析する技術が普及しつつありますが,衛星画像が高額であるため,県単位又はJA単位での取組が主流となっています。一方,近年はドローンや画像解析ソフトの高性能化及び低価格化が進んでいることから,個々の生産者レベルでも同様の解析が実施できる環境が整いつつあります。
宮城県の津波被災地域では,農地復旧と併せて農地の大区画が進み,水田だけでなく畑地においても,数haから数百haに及ぶ畑作団地が整備されています。被災地域では人口減少が問題となっており,限られた担い手での大面積のほ場管理を余儀なくされていることから,各ほ場の生育状況及び土壌条件を迅速に把握し,施肥,土壌改良等の作業を効率的に実施することが求められています。
本研究では,ドローンを使用して大規模露地野菜ほ場を空撮し,画像解析により生育不良場所の特定及びその原因解明を行う技術の確立を目的としています。通常,肥料・資材の施用及び排水対策はほ場全面に均一に行いますが,空撮画像解析により生育不良場所及びその原因を推定することで,ピンポイントで的確な対策が可能となり,生育の高位安定化に寄与するとともに肥料・資材コスト及び労働時間の削減につながることが期待されます。
具体的な研究内容として,ブロッコリー及びネギを対象とし,空撮画像(近赤外+赤色)から算出するNDVIによる生育・収量と土壌の空撮画像(近赤外+赤色あるいは熱赤外)に基づく土壌水分の推定精度等を検証するとともに,これら技術を用いて大規模ほ場の野菜生育状況や土壌水分分布を見える化し,Web等で俯瞰できるようにする予定です。
(本研究は,福島県を中核とする食料生産地域再生のための先端技術展開事業「大規模露地野菜の効率的栽培管理技術の実証研究(2018~2020年度)」の中で実施するものです。)
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