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職人としての心構えの醸成【通年】
職人として長く働けるように、作業に取り組む姿勢・段取り・言葉使い・マナーなどの基本的な事柄を教えます。また、作業の正確性やスピードを養うため技能検定試験に臨みます。

即戦力となる技能者の育成【1年次】
基本的な手工具・木工機械の使い方を知り、基礎コンクリート実習を始め、在来軸組構法による実物大の家屋の設計及び施工を行い家づくり全般の工程を学びます。

伝統技能の習得【2年次】
日本古来の木造技術である伝統構法(ユネスコ無形文化遺産)の家づくりに挑戦することで、更なる知識・技能の向上を図り、将来の建築現場における多種多様なニーズに適応できる能力を養います。

少人数制によるきめ細かな指導
指導員と密接なコミュニケーションを取ることができ、進捗格差が少ないというメリットがあります。また、学生同士のコミュニケーションも生まれやすく、互いの能力を高めあうことができます。

高い就職率と定着率
就職率はほぼ100%で、1年後の定着率も高い割合となっています。このことは、求人企業先でのインターンシップの実施、少人数の中で一人ひとりが認められ、それが自信となり働く意欲に繋がっているものと考えています。

関連資格取得,大学校への進学
建築大工の資格の他に関連資格にも挑戦します。さらに専門的に学びたい場合、東北職業能力開発大学校(栗原市)の「建築施工システム技術科」の受験が可能になりました。
※以下に示す資格は、建築大工及び建築技術者にとって大変重要な資格です。
ほとんどの学生は、建築大工として工務店、建設会社、ハウスメーカー等に就職しています。
また、宮大工志望者は、社寺専門の事業所に就職しています。


模擬家屋を中心とした実習は、学生自身が考えた1等設計案を基にして行っています。
1年次は現代住宅を基礎からつくり、2年次には土壁塗りを含めた茶室を建築します。
それぞれの構法の特徴を、つくりながらしっかり理解することができます。
〈学科〉
木造建築物の構造や規矩術を中心とした施工法を学びます。
「建築生産、建築計画、建築構造、構造力学、建築設備、安全衛生、関係法規、材料、積算及び仕様、規矩術、測量、木質構造、木造建築施工、工作法、木の家づくり計画」
〈実技〉
手工具等による在来軸組構法の基礎的技能を学びます。
「器工具使用実習、機械操作実習、木造建築施工実習、工作実習、建築製図(CAD含む)、測量実習、木の家づくり設計実習、林業体験実習」


芳賀隆史さん(気仙沼高校卒)
平成30年 木の家づくり科(第1期生)
平成31年4月 有限会社佐藤建設(気仙沼市)入社
「木の家づくり科」の第一期生として、実物大の模擬家屋をはじめ、自分たちが使う実習場の木製床や作業台等、本当にいろいろな物を製作しました。技能検定2級に合格できたのは、そうした様々な作業経験を通して加工技術が向上したためと思っています。
現在は、地元気仙沼市の工務店に就職し、建築大工として住宅建築を中心に頑張っていて、震災復興の一助となっていることを実感しています。

佐藤大輔さん(古川工業高校卒)
平成26年度 建築科(第14期生)修了
第9回若年者ものづくり競技大会(建築大工部門)全国2位
平成27年4月 株式会社遊佐建築(大崎市)入社
「遊佐建築」では古民家を現代風にアレンジした家を多く手がけています。内外の木組がはっきり見えるため、入社当時はかなり緊張しながら加工作業を行っていましたが、高技専で習った伝統的な木組技術の実習のおかげで、落ち着いて仕事ができたと思っています。
最近は初めて棟梁として、築60年の古民家を再生するリフォームを担当しました。まさにテレビ番組のビフォーアフターで、多くの問題を解決しながら徐々に形になり完成した時の達成感と、何より施主さんに大変喜んでもらえたことは私のやりがいと自信につながっています。
これからも妥協しない丁寧な仕事に心がけ、「大輔に任せれば大丈夫」とお客様に紹介してもらえるよう腕を磨いていきます。
本業の傍ら、36年にわたり職業訓練校などで若手大工の育成にあたってきました。大工があこがれる大工になってほしいという想いから、学生一人一人の個性と得意分野を見極め、手本を示し、上達するまでとことん付き合ってきました。外から見えない部分にも美しさと正確さを追求していけば技能は自ずと向上します。これからも家づくりの情熱を伝え続けていきます。

現代の名工 令和2年秋の叙勲受章(瑞宝単光章)
角田勝美 講師(工務店経営)
角田講師以外にも第一線で活躍されている講師が数人おります
「木の家づくり科」は、継手・仕口など日本の伝統的な木組みの構法を中心に、自然素材を生かした住宅建築に特化したカリキュラムを組んでいます。基礎部分から内部・外部の仕上げまで、家づくり全般について学べるとともに、林業体験や企業実習を取り入れ、より実践的で即戦力となる内容になっています。将来の職人を目指して家づくりをしっかり学びたい方はもちろん、家や木材に興味のある方、体を使ったものづくりが大好きな方大歓迎です。
ユネスコは、令和2年12月17日「伝統建築工匠の技 木造建築物を受け継ぐための伝統技術」の無形文化遺産登録を決めました。日本の伝統的な建築文化を支えてきた宮大工や左官職人らが古くから継承してきた17分野の技術価値が世界的に認められたものです。今回の登録を受け、木の家づくり科は教育機関ではありますが、カリキュラムを通じて伝統建築の知識・技能継承の一助となれるよう一層努めてまいります。
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