女性のチカラを活かす企業認証
ゴールド認証
人事部 労務担当 専任課長 / 荒木 昌子さん(左)
人事部 人事キャリア担当 担当課長 / 髙橋 由佳さん(右)
1819(文政2)年創業の老舗百貨店である藤崎は、男女に関わらず従業員の働きやすさをずっと追求し続けています。人事部の荒木さんと髙橋さんに、取組について伺いました。
荒木:百貨店として仙台市一番町に本店を構え、東北の各地に地域店舗を17店舗展開し、商品の販売はもとより、マーケティングや商品開発、オンラインビジネスなどを行っています。2019年に創業200年を迎え、これまでの百貨店のビジネスモデルにとどまることなく、よいモノ、よいコト、よいヒトをつなげ、新たな価値を創造し、宮城県内はもちろん、東北のお客さまのよりよい暮らしに貢献していきたいと考えています。
荒木:現在、従業員の約68%が女性です。昔から多くの女性が働いており、出産や育児などのライフイベントはもとより、女性活躍が当たり前の企業風土が育まれていました。また、男女に関わらず従業員の働きやすさに関して、会社は労働組合と協力しながら進めております。認証を受けようと思って受けたというよりは、働きやすさに取り組み続けている中で、宮城県からお声がけをいただいて認証を受け、継続している形です。
荒木:男性だけ、女性だけという区別はなく、すべての社員は入社年数によって段階的な研修を行い、能力を発揮できる仕組みにしています。
髙橋:研修はまず、入社前の内定者研修から始まります。3年間は育成期間と捉え、基礎教育として年に何回か研修を行い、商売の基礎を身につけていただきます。4年目以降は、例えばバイヤー、アシスタント、マネージャーなど、それぞれの役職、役割についての職務別研修を行い、職種による細かな研修でキャリアアップを図っています。入社7・8年目になりますと、管理者研修を受けるようになっています。
荒木:その管理者研修を受けることが、管理職にチャレンジする要件のひとつで、自分がマネジメントをする準備を始める期間になります。
髙橋:同時に適性検査も受けるようにしており、自分の特徴を踏まえながら、どこを改善していけばいいのかを見つけ、キャリアアップにつなげていけるようにしています。
荒木:当社では女性管理職15%を目指しています。女性が多いので30%くらいでもおかしくはないのですが…。女性活躍が謳われる前から女性管理職は10%前後でしたので、どうしたら15%を超えていけるのかを会社として本気で取り組み始めたところです。
荒木:働きやすい環境づくりを推進することで、当社では定年退職を迎える女性が多くいらっしゃいます。長く勤められる方が多いので、男女ともに介護休暇を取られる方が多いのが特徴かもしれません。通常の有給休暇とは別の有給休暇にしているので、休職でしっかり休むのではなく、病院の付き添いなどに使っている方が多いですし、取りやすい環境になっていると思います。出産休暇も無期雇用の方は100%給与を保証していますので、出産の間の給与はどうしようという悩みは少ないと思います。
荒木:育児短時間勤務制度は、2013年までは7年の期間を設けていましたが、2人目3人目になると小さいうちに7年が過ぎてしまい、退職せざるを得ない社員がいる状況でした。問題解決のため思い切って無期限にしたところ、制度変更当初は順調でしたが、お子さんが中学生、高校生になるまで時短勤務を続けると、本人のキャリアアップに支障が出てくる部分があり、紆余曲折を経て、末子がハーフ成人式を迎える小4までとしたところ、退職率がぐっと減りました。現在は、長く働ける環境は用意できているので、そこからさらに飛躍してもらうためにはどうしたらいいかに軸足をずらしている状況です。
髙橋:育児のために退職する方はほぼいらっしゃらないのですが、時短勤務の方が将来的に管理職に手を挙げるかというと、まだ少ないと感じています。性別によるものなのか、今までの世の中の流れなのかは分からないのですが、能力が十分にある方は多くいらっしゃいますが、「いえ、私なんか…」となってしまう傾向が多くあります。これまで研修は男女に関わらず行ってきて、そこに差別はないのですが、育児や女性の性質を理解した上で、女性だけを集めて少し背中を押してあげる機会や、個別にキャリアアップを目指すようアプローチをするなど、応援できる教育や仕組みに力を入れていきたいですね。
荒木:当社はユニオン・ショップ制で、組合と協働でさまざまな取組を進めており、時代の流れに沿いながら、従業員の声をしっかりと反映することができていると思います。一人ひとりのライフプランやライフイベントに対して、都度個別で対応できることが当社の強みでもありますので、誰もが働きやすい環境を充実させていければと思っています。
髙橋:1年に1回、自己申告書を提出いただいています。今後のキャリアをどのように考えているか、育児や介護などのご家庭の事情、人事異動で配慮してほしいことなど、すべての意見に人事部長が目を通し、翌期の配属に活かしています。また、入社3年目までの若手社員は毎年1回面談を行い、それ以上の社員は、たとえば初めてバイヤーになった方など、新しい役割を担う方にも面談を行い、フォローアップやモチベーション向上につなげられるようにしています。
荒木:より人とのつながりが深くなることですね。社会人になって、いろいろな人と関わり合う中で、自分の幅が広がり、世界が広がるかなと思います。
髙橋:学生時代は自分の成績を上げることが重要でしたが、社会人だと苦手なことがあってもいいと思えるようになりましたね。足りないところは補い合い、自分の強みを活かし、チームで最終的なゴールにたどり着くという、チーム戦で物事を考えられるようになります。当社は200年の歴史があり、先輩たちが培って下さったネットワーク資産があることも強みですね。
Interviewer
山田 うみさん 東北学院大学
CORP.INFORMATION企業情報
卸売業・小売業
仙台市青葉区一番町3丁目2-17
022-261-5111
633人
69%
えるぼし3段階目
※記載内容は取材・申請当時のものです。