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地域農業の動向

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年3月29日更新

担い手の動向

2015年農業センサスの管内の基幹的農業従事者の年齢別構成は,40歳未満が約8.7%,40歳代が約4.3%,50歳代が約13.5%,60歳以上が約73.6%となっています。なかでも65歳以上は約57.2%と,基幹的農業従事者の半数以上を占めています。
平成22年(2010年農業センサス)と比較すると40歳代及び50歳代の農業従事者の構成比率が減少しており,震災による農業就業人口の減少が進む中,担い手の高齢化が一層進んでいると推察されます。

認定農業者

認定農業者については,農業経営基盤強化促進法に基づき認定された「農業経営基盤の強化に促進に関する基本構想」を平成27年に見直しを行いました。また,名取市,岩沼市,亘理町では平成17年度に,山元町では平成19年度に,それぞれ担い手育成総合支援協議会を設置し,認定農業者等の担い手の確保・育成を推進してきました。その結果,認定農業者の目標数701経営体に対して平成28年3月現在で608経営体となっており,震災前(平成22年3月現在)の570経営体を超えた認定農業者数となっています。

管内の「家族経営協定」の締結状況は,平成28年度末現在67件(名取市24件,岩沼市3件,亘理町21件,山元町19件)で,うち13件が震災後に締結したものです。

法人

震災後の農地復旧と大区画ほ場整備事業の実施と生産体制の再編により,特に沿岸部において農業生産法人による営農再開が進み,農業経営基盤強化促進法による認定を受けた農業生産法人は,震災前の12法人から,平成28年3月現在で34法人に増加しています。

新規就農者

新規就農者は,平成23年から27年までの5か年間で25名です。他産業からの新規参入者は6名で,平成26年度から調査を行っている雇用就農者は,21名となっています。
農業従事者の減少と高齢化は進んでいるものの,園芸農家の後継者は継続して就農している傾向にあります。近年は新規参入者や雇用就農者が増加傾向にあり,特に園芸部門の相談件数が増加しています。

多様な担い手

震災前には,外食産業の子会社による農業生産への参入が1件見られました。震災後,復旧した沿岸農地に対して野菜栽培などに関心を持つ企業から参入に関する問い合わせや計画が持ち上がりましたが,生産施設の建設コストや農地取得に課題があり,実現には至っていません。

地域農業構造改革の動向

管内市町では,耕地面積の約7割が浸水するなど,震災で大きな被害を受けました。平成27年3月12日現在の復旧復興のロードマップよると,平成27年度までに復旧工事が必要な6,130haのうち,約9割にあたる5,725haで復旧工事が完了し,併せて,3,126haでほ場整備事業も実施されています。

整備された大区画ほ場では,沿岸地域を中心に大規模経営体の設立及び営農再開が行われ,畑地における大規模野菜生産法人や土地利用型法人による大規模経営が開始されています。また,農地利用集積円滑化事業や農地中間管理事業による担い手への農地集積制度を活用した農地の利用集積が進んでいます。管内における中間管理事業の活用実績は,平成27年7月現在約205ha(平成26年度実績+機構貸付け見込み)となっています。今後,中間管理事業のモデル地区を中心に,さらなる推進が求められています。また,比較的被害が少なかった内陸部でもほ場整備を契機とした集落営農組織設立に向けた検討が始まっており,農地中間管理事業等を活用した農地集積等が求められています。

震災により,沿岸部を中心にほとんどの水田が作付け不能となりました。主食用米の作付けについては,「地域間調整とも補償」事業を活用し,管内被災地域と被害が少なかった地域の作付け調整を行ってきました。現在,農地の復旧が順次進んでおり,主食用米の生産に加えて,復旧した水田をフルに活用した麦・大豆等の畑作物や米対応の転作作物である備蓄米,加工用米,飼料用米などの作付け拡大,園芸作物やそば等の多様な作物の生産拡大が進んでいます。

耕作放棄地の動向

管内の耕作放棄地は,2015年農林業センサスでは1,053haと,2010年農林業センサスの712haより341ha増加しました。耕作放棄地の増加によって,獣害の増加や食料生産力の低下が懸念されることから,農地中間管理事業などを活用した耕作放棄地対策が課題となっています。

有害鳥獣被害の動向

有害鳥獣による農作物被害は増加傾向にあり,平成26年度の管内における被害額は約2.2千万円となっています。特にイノシシによる農作物被害は深刻になってきており,平成26年度の管内における被害額は約1.5千万円で,鳥獣被害の約67%を占めています。

各市町は対策協議会を設置し,進入防止柵の導入支援などの鳥獣害防止対策に取り組んでいます。今後,集落周辺の環境整備,ほ場の管理,休耕地や耕作放棄地の管理といった野生鳥獣を寄せ付けない営農管理の啓蒙活動を行うなど,関係機関が連携して対策実施に向けた支援が必要な状況です。
なお,名取市では,県の事業を活用したモデル集落を設定し,集落ぐるみでの鳥獣害(特にイノシシ)対策の強化に取組んでいます。

産直等の動向

管内の産直活動は,農協や市町が設置した4か所を含めた19か所の直売所が運営されていました。現在,震災により休止した直売所がある一方,量販店からの要請でインショップでの販売は増えています。管内の農産物直売所は,平成29年3月現在17か所となっています。

管内における観光活動に関しては,いちごの摘み取り園が新たに開設されるなど,被災地のいちご生産の再興を発信しているものの,農家民宿等の取組みは少ない状況にあります。農家レストランは,いちご生産法人が運営を開始するなどの取組みが始まっており,今後の動向が期待されます

地域農産物の高付加価値化や特産品づくりについては,震災後生産を再開したいちご団地や新たに設立されたいちご生産法人において,いちごを使用した新たな加工品開発に取り組んでいるほか,いちじく,アセロラ,りんご等の果実を利用した加工品が生産されています。