ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

損害賠償について

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年9月4日更新

質問

先日,会社の車を運転中に,私の不注意でガードレールに接触してしまいました。会社から修理代金の全額を請求されていますが,支払いに応じなければならないのでしょうか?

回答

労働者が仕事をする中で会社に損害を与えた場合,損害賠償責任を負いますが,その損害賠償額は,故意による違法行為を除き,減額されるのが一般的です。会社の車にかけられている損害保険から補填される額については,原則として弁償する必要はありません。

なお,会社が一方的に労働者の賃金から損害金を天引きした場合は,「賃金の全額払い」に反することになるため(労働相談 Q&A「賃金の5原則について」参照) ,未払賃金として請求できます。

まずは,会社とよく話し合うことをおすすめします。それでも解決されない・話合いに応じてくれない等の場合には,宮城労働局または労働基準監督署内の総合労働相談コーナーに御相談ください。

参考

労働者の損害賠償責任と責任制限

労働者が仕事をする中で,必要な注意を怠って会社に損害を与えた場合,損害賠償責任を負う場合がありますが【民法第415条・第416条・第709条・715条】,事業によるリスクはそれにより利益を得ている使用者が負うべきであるという「危険責任・報償責任の原則」や,使用者と労働者の経済的な格差も考慮する必要があります。

そこで裁判所は,信義則などを理由づけとして,使用者から労働者に対する損害賠償請求に制約を加えるという考え方をとっています。

しかしながら,労働者が横領を行った場合のように,故意の違法行為がなされた事案では,特に責任制限は認められません。また,労働者が競業避止義務(労働相談Q&A「同業他社への就業・転職制限(競業避止義務)」参照)に違反したような場合でも別個の問題となります。

労働者に損害賠償責任が認められた判例
【名古屋地判昭和62年7月27日大隈鐵工所事件】

労働者が居眠りにより操作を誤って機械を破損した事案において,裁判所は,使用者は労働者に重過失がある場合にのみ損害賠償を請求しうるとしたうえ,損害額の2割5分に限って賠償責任を認めました。