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掲載日:2013年7月8日

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意見書(平成25年6月定例会)

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地方財政の充実・強化を求める意見書

 国は、東日本大震災の復興財源を確保するため、平成25年度の地方財政計画において、地方公務員の給与削減を前提とした地方交付税減額を推し進めた。このことは、地方財政制度の根幹を揺るがすものであり、憲法が保障する地方自治の本旨からみて、容認できるものではない。
 地方交付税は地方の固有財源であり、地方交付税法第1条に規定する「地方団体の独立性の強化」、「地方行政の計画的な運営」に資するものでなければならない。この法の目的実現のためには、地方財政計画のあり方及び地方交付税の総額については、国の政策方針のもとに一方的に決するべきではなく、国と地方による十分な協議を行った上で、決定するべきである。
 さらに、被災地における復興事業のほか、子育て、医療、介護などの社会保障施策、環境対策など地方自治体が担う役割は増大しており、地域の財政需要を的確に見積もり、これに見合う地方交付税総額を確保する必要がある。
 よって、国においては、平成26年度の地方財政計画について地方交付税法第1条の目的実現を図り、公共サービスの質の確保と地方自治体の安定的な行政運営を実現するため、次の措置を講ずるよう要望する。

1 地方財政計画、地方交付税総額の決定に当たっては、国の政策方針に基づき一方的に決するのではなく、国と地方の協議の場で十分な協議を行った上で決定すること。

2 社会保障分野の人材確保、農林水産業の再興、環境対策などの財政需要を的確に把握し、地域の財政需要に見合う地方財政計画、地方交付税総額の確保を図ること。

3 被災自治体の復興に要する地方負担分については、国の責任において通常の予算とは別枠として確保すること。

4 被災自治体の職員不足は依然として深刻な状況であることから、人材確保の取り組みを支援するため、震災復興特別交付税を確保すること。

5 平成24年度末に決定した地方公務員の給与関係費等に係る財源削減については継続しないものとし、次年度に係る地方交付税の算定に関しては、地方自治体との協議、合意に基づいて検討すること。

6 地域の防災・減災に係る必要な財源は通常の予算とは別枠で確保するとともに、地方交付税などの一般財源と地方債などの特定財源の振り替えは厳に慎むこと。

7 地方交付税の財源保障機能・財政調整機能の強化を図り、小規模自治体に配慮した段階補正の強化、市町村合併の算定特例の終了を踏まえた新たな財政需要の把握について、対策を講ずること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成25年7月8日

宮城県議会議長 中村 功

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
総務大臣
国土交通大臣
復興大臣   あて

介護保険制度の運営基盤の強化と適正な制度確立を求める意見書

 介護保険制度については、現在、社会保障制度改革国民会議(以下「国民会議」という。)において、公的年金、医療保険及び少子化対策と併せて総合的・集中的改革のための議論が行われており、本年8月までに改革の基本的方向性を定め、社会保障審議会介護保険部会等の議論を経て、平成27年4月に介護保険法が改正される予定となっている。
 介護保険制度の改革に当たっては、持続可能なサービス利用権が保障される制度とすべきであるが、国民会議では、介護給付の重点化・効率化や公平負担に基づく施策等、介護給付費の抑制を主眼とした方向で議論が集約されつつある。
 よって、国においては、平成27年度の介護保険制度の改正に当たり、介護保険制度の運営基盤が強化され、適正な制度が確立されるよう、次の事項の速やかな実施について強く要望する。

1 介護職員の処遇改善によって安定的な人材確保が可能となるよう、介護報酬の抜本的な改善などにより、課題となっているマンパワーの増強を図る施策を推進すること。

2 介護保険制度の持続可能性を確保する施策として、保険の給付範囲や公平負担の観点での見直しにあたっては、低所得者に配慮するとともに、予防給付の保険制度からの切り離し、多床室の給付範囲の見直し等については慎重に検討すること。

3 地域包括ケアシステムの構築にあたっては、地域で生活する利用者に良質なサービスが提供されるよう、区分支給限度額の引き上げ、24時間対応の訪問サービス等の報酬改善、サービス付き高齢者向け住宅の活用、認知症施策の充実等を図ること。

4 介護施設においても入居者への良質なサービスが保障されるよう、特別養護老人ホーム、老人保健施設、特定施設等の計画的整備を行うとともに、多床室報酬の再引き上げを含む介護報酬の抜本的改善を行うこと。

5 介護保険料の軽減を図るため、国庫負担割合を増やすことも含め検討すること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成25年7月8日

宮城県議会議長 中村 功

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣 あて

「子ども・被災者生活支援法」に基づく具体的施策の早期実施を求める意見書

 「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」(いわゆる「子ども・被災者生活支援法」)が、平成24年6月21日に衆議院本会議において全会一致で可決成立した。
 この支援法は、その地域における放射線量が政府による避難に係る指示が行われるべき基準を下回っているが一定の基準以上である「支援対象地域」からの避難、居住、帰還といった選択を、被災者が自らの意思によって行うことができるよう、国が責任を持って支援しなければならないと定めている。すなわち、支援対象地域に居住し、又は居住していた方のうち、原発事故で避難した方には国の避難指示の有無にかかわらず、移動・住宅・就学・就業、移動先自治体による役務の提供を、避難しない方には、医療・就学・食の安全・放射線量の低減・保養を支援すること、さらに家族と離れて暮らすことになった子どもに対する支援を定めたものである。
 しかし、国が定めることとなっている本法律の理念を実現するために必要な「基本方針」は策定されるに至っていない。さらに「支援対象地域」の具体的な基準も定められていない。特に「基本方針」の策定の過程においては、困難な状況に直面する被災者・避難者の方々の声に真摯に耳を傾け、被災者・避難者の方々の参加を実現し、必要な施策がなされるような配慮が必要である。また、一人一人の被災者、特に子どもたちに対する具体的施策については早期に実現し、充実させていく必要がある。
 よって、国においては、次の事項について早期に実現するよう強く要望する。

1 住民が安全・安心に暮らしていくための放射線量を検討し、「支援対象地域」を速やかに指定すること。

2 原発事故によってこれまでの生活を奪われ、被災生活を余儀なくされている方々の力となるよう、原子力災害による被災者支援施策パッケージに盛り込まれた施策を早期に実施すること。

3 健康被害の未然防止の観点から、法に規定された定期的な健康診断や医療費の減免を早期に実施すること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成25年7月8日

宮城県議会議長 中村 功

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
総務大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣
復興大臣   あて

放射性物質を含む汚染水対策の徹底を求める意見書

 東京電力福島第一原子力発電所事故から2年3カ月経過しても、事故の全容は解明されておらず、放射性物質を含む汚染水は今も増え続けており、事態は全く収束の目途が立っていない状況である。
 汚染水が日々増加する要因は、原子炉内にある溶け落ちた燃料を冷却するために注入し続けている水が汚染水となるほか、原子炉建屋に1日約400トンとも言われる地下水が流入し、放射性物質に汚染され滞留していることによるものである。
 東京電力は増え続ける汚染水を減らすため、敷地内に井戸を掘削して地下水をくみ上げ、海へ放出すること(いわゆる地下水バイパス)を目指しているが、地下水の放射性セシウムについて、誤った方法で測定されたことから、測定結果への信頼が揺らいでおり、海洋汚染や風評被害に対する懸念が生じている。その上、汚染水を貯蔵するタンクからの汚染水漏れが起きたこと、海近くの観測用井戸水からの高濃度の放射性物質の検出について、2週間以上も公表せず、原子力規制庁へ報告しなかったことは由々しき事態である。
 このような状況は、東日本大震災からの水産業再生の加速に向け全力をあげている水産県宮城として、到底容認できるものではない。
 よって、国においては、東京電力に汚染水の流出防止対策を徹底させるとともに、太平洋沿岸における海水や海底土の放射能濃度モニタリングを徹底し、これ以上風評被害が拡大することのないよう万全を期すことを強く要望する。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成25年7月8日

宮城県議会議長 中村 功

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
農林水産大臣
経済産業大臣
環境大臣
復興大臣   あて

仮設店舗・事業所の撤去費用が市町村負担とならないよう国に万全の対策を求める意見書

 仮設施設整備事業により中小企業基盤整備機構が整備した仮設の店舗や事業所(以下、「仮設施設」という。)は、市町を通じて被災中小企業等に貸与され、早期の営業再開に寄与してきた。仮設施設は、建設用地を市町が準備し、中小企業基盤整備機構が国の交付金により施設を整備した上で、一たん、市町に無償貸付された後、市町に無償譲渡され、施設を撤去する際の費用については市町が負担することとされている。
 津波により甚大な被害を受けた本県の沿岸北部では、大半の公有地が仮設住宅用地に充てられたことから、仮設施設用地のほとんどについて民有地の借り上げにより対応している状況にある。こうした民有地の貸借契約期間は2年程度となっていることが多く、東日本大震災から2年3カ月が経過し、今後、地権者が貸借契約を延長せず、土地の明け渡しを求めることが頻発した場合、多額の施設撤去費用が市町の財政を圧迫するおそれが生じている。
 例えば、気仙沼市では建設中も含め63カ所の仮設施設を抱えているが、すべて民有地に設置されており、今後地権者から明け渡しを求められた場合の撤去費用は最大10億円になることが見込まれ、到底、市で対応することは困難である。
 よって、国においては、被災自治体の財政事情を考慮し、仮設施設の撤去費用を自治体負担としない特別の財政措置を講ずるよう強く求める。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成25年7月8日

宮城県議会議長 中村 功

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
経済産業大臣
復興大臣   あて

お問い合わせ先

議会事務局 政務調査課政策法令班

仙台市青葉区本町三丁目8番1号

電話番号:022-211-3593

ファックス番号:022-211-3598

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