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掲載日:2024年3月13日

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意見書(令和6年2月定例会)

宮城県議会Top条例・意見書等

 生涯を通じた国民皆歯科健診の実現を求める意見書

 現在、我が国では法的根拠に基づく歯科健診として、1歳6か月児、3歳児における乳幼児歯科保健制度に基づく健診、小学校、中学校、高等学校の児童・生徒に対する学校歯科保健制度に基づく健診が行われ、この年代の全ての国民が歯科健診を受診している。一方で、成人期においては、健康増進法に基づく40、50、60、70歳の歯周疾患検診、高齢者医療確保法に基づく後期高齢者歯科健診が行われているが、その受診率は極めて低いものとなっている。また、事業所における歯科健診は歯科特殊健康診断として有害業務に従事する労働者に限られている。
 現在では多くの研究により、歯の本数と全身の健康状態、歯周病と全身疾患との関係等についての科学的な根拠が明らかになっており、人生100年時代を迎える中で健康寿命を延ばすためには、「8020運動」の取組を更に進めるなど、歯と口腔内の健康維持が極めて重要である。そのためには、ライフステージに応じた切れ目のない歯科健診の受診機会を確保する必要がある。
 こうした中、令和4年6月7日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2022」において、生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)の具体的な検討を行うことが初めて盛り込まれ、更に令和5年6月16日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2023」において、その取組を推進することが盛り込まれた。
 よって、国においては、国民皆歯科健診の実現に向けた具体的な検討を早急に進めるとともに、次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 国民皆歯科健診の制度設計等に関する具体的な検討を進めるに当たっては、地方自治体をはじめ関係者の意見を十分に反映させるための必要な措置を講ずること。
2 国民皆歯科健診の実施に関しては、国において十分な財政措置を講ずること。
3 国民皆歯科健診を実現し、あわせて国民に対して歯と口腔の健康づくり及び歯科健診の重要性についての啓発や健診受診後の定期的な歯科受診の勧奨を行うなど、歯科疾患の発症や再発・重症化予防のための総合的な取組を推進すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和6年3月13日

宮城県議会議長 髙橋 伸二

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣
内閣府特命担当大臣(経済財政政策) 宛て

 若者のオーバードーズ(過量服薬)防止対策の強化を求める意見書

 近年、処方箋がなくても薬局やドラッグストアで購入できる市販薬の濫用・依存が、重大な社会問題となりつつある。市販薬の過量服薬(オーバードーズ)による救急搬送が、平成30年から令和2年にかけて2.3倍に増加したという報告や、精神科医療施設を受診する患者において、原因となった主な薬物が市販薬である患者の割合が、平成24年から平成30年にかけて約6倍に増加したといった報告がある。
 国立精神・神経医療研究センターの令和2年調査によると、全国の精神科医療施設で薬物依存症の治療を受けた10代の患者のうち、原因となった主な薬物が市販薬である患者が全体の56.4%を占めているとのことである。また、過去1年以内に市販薬のオーバードーズの経験がある高校生の割合は、「60人に1人」と深刻な状況にあることも明らかになった。
 不安や葛藤、憂鬱な気分を和らげたいなど、現実逃避や精神的苦痛の緩和のために、若者がオーバードーズに陥るケースが多く、疲労感や不快感の一時的な解消を期待してより過量な服薬を繰り返すことで、肝機能障害、重篤な意識障害や呼吸不全などを引き起こしたり、心肺停止で死亡する事例も発生している。
 市販薬は、違法薬物とは異なり、所持することで罪にはならないことから、オーバードーズが発見されにくい面があると同時に、オーバードーズによる健康被害は、違法薬物よりも深刻になる場合もある。
 よって、国においては、このような市販薬のオーバードーズによる健康被害から一人でも多くの若者を守るために、次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 現在、オーバードーズのおそれがあるとして厚生労働省告示で定める6成分を含む市販薬を若年者に販売する場合は、その氏名や年齢、使用状況等を確認することとなっているが、その際、副作用等の説明を必須とすること。
2 若者への市販薬の販売において、その含有成分に応じて販売する容量を適切に制限すると同時に、対面又はオンライン通話による販売を義務付け、副作用等の説明と併せて、必要に応じて適切な相談窓口等を紹介できる体制を整えること。
3 オーバードーズのおそれがある医薬品の指定を的確に進めると同時に、身分証による本人確認のほか、繰り返しの購入によるオーバードーズを防止するために、販売記録等が確認できる環境の整備を検討すること。
4 若者のオーバードーズには、社会的孤立や生きづらさが背景にあることが多いため、オーバードーズを孤独・孤立の問題として位置付け、若者の居場所づくり等の施策を推進すること。
5 児童、生徒等に対して、オーバードーズによる健康被害や副作用についての教育の充実強化を図り、啓発活動に努めること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和6年3月13日

宮城県議会議長 髙橋 伸二

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣
孤独・孤立対策担当大臣 宛て

 国の補充的な指示の創設に関する意見書

 「国の補充的な指示」については、新型コロナウイルス感染症への対応等で直面した課題を踏まえ、今後も起こり得る想定外の事態に万全を期す観点から、必要性は理解できるが、一方で、憲法で保障された地方自治の本旨や平成12年の地方分権一括法によって構築された国と地方公共団体の関係の一般ルール(以下「一般ルール」という。)に鑑み、国と地方の対等な関係が損なわれることのないよう、その制度化及び運用に当たっては、十分な配慮が必要である。
 国と地方公共団体は、十分に意思疎通し、国が現場の状況を正確に把握しつつ、効果的な施策立案や事業執行を行うことが基本であり、国と地方のパートナーシップをより強化していくことが重要である。
 よって、国においては、「国の補充的な指示」について、今後、法制化等を進めるに当たり、次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 「国の補充的な指示」は、事前に地方公共団体との間で十分な協議・調整等を行うことにより、安易に行使されることのないようにするとともに、現場の実情を適切に踏まえた措置となるようにすること。また、行使後は、国と地方公共団体の間で綿密な情報共有・コミュニケーションを図ること。
2 「国の補充的な指示」は、地方自治の本旨にのっとり、目的達成のために必要最小限の範囲とすること。
3 「国の補充的な指示」は、国と地方公共団体の関係の特例として位置付け、一般ルールとは明確に区別すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和6年3月13日

宮城県議会議長 髙橋 伸二

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
内閣府特命担当大臣(地方創生) 宛て

 会計年度任用職員制度の改善とそのための地方財政措置を求める意見書

 地方公共団体において、多くの行政課題を抱える中で、国民・住民の期待に応え、より質の高い公務・公共サービスを確実に提供していくためには、会計年度任用職員を含む職員の雇用の安定と賃金・労働条件の改善・確保が欠かせない。
 非常勤職員等の適正な任用及び勤務条件を確保するため、令和2年度から会計年度任用職員制度が導入され、令和6年度からは勤勉手当の支給が可能となったが、職務に対する意欲の向上や人材確保の観点からも、会計年度任用職員の良好な勤務環境の確保が必要であり、そのための十分な地方財政措置が不可欠である。
 よって、国においては、次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 会計年度任用職員制度については、地方公共団体によって、直面する行政課題や行政ニーズは様々であることから、地方の実情に応じた柔軟な運用が可能となるよう、制度の改善を進めるとともに、制度の適切な運用に資する技術的な支援を継続して行うこと。
2 会計年度任用職員制度の運用に必要となる財政需要については、各地方公共団体の実情を踏まえ、所要額について地方財政措置を講ずること。
3 特に、令和6年度から支給が可能となる勤勉手当については、地方の財政負担が生じないよう、確実に所要の地方財政措置を講ずること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和6年3月13日

宮城県議会議長 髙橋 伸二

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
内閣官房長官 宛て

 ライドシェアの導入に対する慎重な検討及び地域公共交通を守る施策の推進を求める意見書

 国は、現在、大都市圏や一部観光地におけるタクシーの供給不足を理由にライドシェアの導入に向けた検討を進めているが、ライドシェアは、タクシーだけではなくバスや鉄道の利用者も奪うこととなり、地域公共交通を維持するために努力してきた地方公共団体のこれまでの取組に大きな影響を及ぼすおそれがある。
 バス・タクシー事業者は、新型コロナウイルス感染症の影響などによる収入の減少や燃料高騰等により経営状況が悪化する中で、コロナ禍後の需要の回復への対応が困難となっており、運転者不足を要因とした路線バスの便数削減やタクシーの稼働台数の減少に伴い、地域住民の生活に欠かせないモビリティの確保が課題となっている。こうした現状を改善し、安全・安心に暮らせる地域社会を構築するためには、国による地域公共交通の維持・再生のための新たな財政支援制度が必要である。
 よって、国においては、ライドシェアの導入について利用者の安全・安心が極めて重要であることに鑑み、次の事項を踏まえて慎重に検討し、持続可能な運送サービスの提供の確保に資する諸施策を講ずるよう強く要望する。

1 運行管理や車両整備の責任主体の配置等、利用者の安全・安心に配慮した制度とすること。
2 対象とする地域、時期及び時間帯並びに車両数については、地域公共交通の担い手であるバス・タクシー事業者の経営を圧迫することのないよう、慎重に検討すること。
3 地域公共交通を守るための施策を推進すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和6年3月13日

宮城県議会議長 髙橋 伸二

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
国土交通大臣
デジタル大臣
内閣官房長官
内閣府特命担当大臣(規制改革) 宛て

 巨大災害に備える「防災省(仮称)」の創設等を求める意見書

 平成23年3月11日、我が国に未曽有の被害をもたらした東日本大震災の発災以来、13年が経過した。
 本年1月1日には能登半島で大地震が発生し、多くの方が亡くなり、家屋の倒壊、津波や大規模火災など、甚大な被害をもたらした。被災者は、ライフラインが途絶え、寒波が押し寄せる中、極めて厳しい環境で長期間の避難生活を余儀なくされている。
 また、近年は、地球規模で温暖化が進行し、集中豪雨、豪雪、巨大台風の発生、海面の上昇に伴う高潮被害等、大規模な自然災害が頻発している。
 東日本大震災から本年に至る13年の間で、国による激甚災害の指定は実に25回に達している。我が国は、地勢・自然環境上、巨大災害が多発する国であるという現実を直視し、過去の災害や復興政策から得た教訓、経験等を最大限に生かしていく必要がある。
 さらに、我が国は、南海トラフ地震や首都直下地震など、国難とも言える巨大地震が発生するリスクが年々増大している。加えて少子高齢化・人口減少の進展に伴う共助型地域コミュニティーの衰退は、災害に対して脆弱な社会環境を作り出し、被災した地域そのものが消滅する事態も危惧される。
 今後、巨大災害に対応していくためには、国家レベルの権限と強力な調整力を持った体制の整備が必要である。
 よって、国においては、過去の災害における経験や蓄積された情報を生かし、巨大災害に対応するため、次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 巨大災害に対応するため、指揮命令、制度調整、予算措置等、災害への備えから復旧・復興までを担う「防災省(仮称)」を創設すること。
2 東日本大震災等、過去の災害で得た教訓、経験等を最大限に生かし、次なる災害に備える制度の改善を進めること。
3 地方において、主体的・計画的に復興と事前防災に取り組むことができる財政支援措置を講ずること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和6年3月13日

宮城県議会議長 髙橋 伸二

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
国土交通大臣
内閣官房長官
復興大臣
国土強靭化担当大臣
内閣府特命担当大臣(防災) 宛て

お問い合わせ先

議会事務局 政務調査課政策法令班

仙台市青葉区本町三丁目8番1号

電話番号:022-211-3593

ファックス番号:022-211-3598

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