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2013年発掘調査情報

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年7月18日更新

1 復興調査について

1.基本方針

 東日本大震災から2年が経過しました。宮城県教育委員会としては、高台移転などの復興事業に伴う発掘調査を円滑・迅速に実施し、早期復興を推進したいと考えております。

2.円滑・迅速な発掘調査のための施策

(1)宮城県発掘調査基準の弾力的な運用
 
復興事業に限り、発掘調査基準を弾力的に運用し、原則として、遺跡が壊される範囲(平面、深さ)のみを調査対象とします。これにより、盛土施工部分や、湿地部の下層の調査等を省略することが可能になるため、調査期間の短縮が見込まれます。

(2)調査体制の強化
 
宮城県教育委員会では、平成24年度より他県市から発掘調査専門職員の協力を得て、調査体制の強化を図っております。今後も、復興事業の進捗等に応じて調査体制の強化を図ってまいります。

宮城県の調査体制
 宮城県派遣合計
H24(上 半期 ) 20929
H24(下半期)201737
H25202444

*宮城県職員の内訳:文化財保護課17, 東北歴史博物館2,多賀城跡調査研究所1  計20名

 【平成25年度派遣職員(自治法派遣)】

秋田県 山形県 新潟県 群馬県 埼玉県2 神奈川県 山梨県 岐阜県 奈良県 兵庫県  福井県 石川県 岡山県 広島県 島根県 山口県 徳島県 香川県 佐賀県 宮崎県 熊本県  新潟市 京都市 (21県2市から計24名)

主な復興事業について

  (1)復興道路建設(三陸沿岸道路・県道泉塩釜線 他)
  (2)沿岸市町復興事業に伴う発掘調査(集団移転・土地区画整理事業等)
  (3)JR常磐線移設
  (4)被災した個人住宅,零細・中小企業の移転

2 発掘調査成果・進捗状況 

 2013年度(平成25年度)、宮城県教育委員会が実施又は協力する遺跡の調査成果、進捗状況は次のとおりです。

A.復興調査の進捗状況と今後の調査予定について

  沿岸市町の復興事業(高台移転等の復興事業)とかかわりのある遺跡数は82遺跡あり、進捗状況、今後の予定は下記のとおりです(平成25年7月現在)。

 【試掘実績・予定】
  ・H24    試掘終了         30遺跡 (82遺跡中)
  ・H25~  試掘実施中・予定    52遺跡

【本発掘調査実績・予定】
  ・H24~実施中  3遺跡    気仙沼市波怒棄館遺跡,同市台の下館跡・台の下貝塚,南三陸町新井田館跡,石巻市中沢遺跡
  ・H25実施予定 1遺跡  石巻市羽黒下遺跡
   用地交渉等の条件が整った場所から、迅速に調査を実施いたします

B.復興調査の成果

1.山王遺跡(多賀城市)

 【所 在 地】多賀城市山王字南宮(八幡地区 多賀城IC予定地)  JR東北本線陸前山王駅の近くです。 
 【調査理由】三陸沿岸道路仙塩道路の4車線化工事・多賀城IC建設
  ・平成元~6年度に調査に着手しました。震災後、復興事業として事業化されたため発掘調査を再開しています。
 【調査期間】平成24年3月26日~
 【調査主体】宮城県教育委員会
 【調査担当】宮城県教育庁文化財保護課
 【進捗状況】
   ・多賀前地区【4車線化部】     6,000平方メートル H24.12月終了
   ・八幡地区  【多賀城IC部】     22,000平方メートル   対象
                 H24      9,000平方メートル   終了 
                 H25    12,000平方メートル   終了予定
                 H26      1,000平方メートル   完了予定
 【調査成果等】
  ・今年度は八幡地区北側(県道泉-塩釜線側)の調査を実施しています。
  ・道路跡、竪穴住居、掘立柱建物跡、塀跡などが多数発見され、古代の町並みの様子がより明確になりました。
  ・土器や瓦、骨角製品、木製品のほか、鳥形土器など山王遺跡を考える上で貴重な資料が多数出土しています。
 【現地説明会】
  ・平成25年7月21日(日曜日)の10時30分から開催し、152名の参加がありました。ありがとうございました。
 【9月26日現在の進捗状況】
  ・L区・M区(県道泉-塩釜線側)と本線部分の橋脚No.94の発掘調査が終了しました。
  ・J区・N区(多賀城二中側)の表土剥ぎが終了し、遺構確認中です。
  ・J区(多賀城二中正門付近)で西6南北道路跡を発見しました。
  ・A区で新たに南北道路跡を発見しました。道路に囲まれた区画(北2西6区)内部を東西に分割しています。

現地説明会の様子 鳥形土器

 ・現地説明会の様子                 ・鳥形土器

今年度の調査位置

 ・山王遺跡と今年度の調査区(赤色の部分)

2.山王遺跡(多賀城市)

 【所 在 地】多賀城市山王字南宮(八幡地区)  上記1の多賀城IC予定地の北側です。 
 【調査理由】県道泉-塩釜線4車線化工事  多賀城ICへのアクセス道路です。2車線から4車線にします。
 【調査期間】平成25年7月16日~
 【調査主体】宮城県教育委員会
 【調査担当】宮城県教育庁文化財保護課
 【対象面積】約 8,000平方メートル(約10m×約800m)

3.戸花山遺跡 向山遺跡 狐塚遺跡 熊の作遺跡(山元町)

 【所 在 地】山元町坂元ほか
 【調査理由】JR常磐線移設工事
 【調査期間】平成25年4月15日~
 【調査主体】宮城県教育委員会
 【調査担当】宮城県教育庁文化財保護課
 【進捗状況】
   ・用地交渉など条件が整った箇所から調査に着手しています       
   ・狐塚遺跡・向山遺跡では弥生時代中期頃の遺物包含層、古代の住居跡などが確認されています
   ・熊の作遺跡では古代の竪穴住居跡、掘立柱建物跡、溝跡、土坑などが確認されています
   ・まだ部分的な調査ですが、順次、本発掘調査を実施していきます

4.中沢遺跡(石巻市)

 【所 在 地】石巻市給分浜字中沢 
 【調査理由】防災集団移転(高台移転)事業
 【調査期間】平成24年10月29日~平成25年10月中旬(予定)
 【調査主体】石巻市教育委員会
 【調査協力】宮城県教育委員会
 【対象面積】約20.000平方メートル(H24:約10,000平方メートル H25:約10,000平方メートル)
 【調査成果】
  縄文時代前期頃
   ・丘陵上で竪穴住居跡、炉跡、土坑、ピット、斜面で遺物包含層などを発見
   ・縄文土器、石器、土偶、土製品、石製品、獣骨、魚骨、貝などの遺物が多数出
  古墳時代~奈良・平安時代
   ・丘陵南斜面で竪穴住居跡5軒を発見
   ・牡鹿半島では初の本格的な調査です。海浜部の集落の様相を知ることができる貴重な発掘調査となりました
 【現地説明会】
   ・平成25年3月16日に一度開催しました。
   ・今年度は平成25年8月10日(土曜日)に開催しました。参加者は63名です。ありがとうございました。

現地説明会の様子 現地説明会の様子2  

 ・現地説明会の様子                  

 【9月26日現在の進捗状況】
  ・北西斜面のゴミ捨て場の調査が終了しました。
  ・北斜面のゴミ捨て場については、下層で遺構や遺物がないか補足調査を行っています。
  ・丘陵頂部の平坦面では、建物跡を調査中です。併せて発見した遺構の図面を作成しています。
  ・10月9日~11日の間で航空写真を撮る予定です。

現地説明会の様子 北斜面の調査風景    

 ・現地説明会の様子                ・北斜面のゴミ捨て場

5.新井田館跡(南三陸町)

 【所 在 地】南三陸町志津川字新井田  志津川小学校の北側、国道45号線の西側です。
 【調査理由】土地区画整理(高台移転)事業
 【調査期間】平成25年3月7日~平成26年3月末日(予定)
 【調査主体】南三陸町教育委員会
 【調査協力】宮城県教育委員会
 【対象面積】約10.000平方メートル
 【調査成果】
  ・中世(鎌倉~室町時代)の城(館)跡です。
  ・平場、土塁、堀跡が明確に確認でき、館跡の構造がよくわかります。
  ・規模は東西約60m、南北約120m程度で、コンパクトな館跡です。
  ・平場には掘立柱建物跡が数棟確認でき、数回建て替えられています。
  ・土塁、堀跡も1~2回程度改修されています。
  ・陶磁器(青磁、古瀬戸の天目茶碗)、銭貨(洪武通宝)、銅製品、鉄製品、石製品などが出土しています。
 【9月26日現在の進捗状況】
  ・館の中心部となる北側の平場や堀跡、土塁を調査中です。数多く発見した柱穴をもとに建物跡を検討中です。
  ・館跡西側で、遺構の確認調査を行っています。
  ・現地説明会は、11月後半に実施する予定です。

平場2の調査風景 平場2を囲む土塁、空堀    

 ・平場2の調査風景                 ・平場2を囲む土塁と空堀 

6.波怒棄館遺跡(気仙沼市)  

 【所 在 地】気仙沼市唐桑町荒谷前  岩手県との県境付近の国道45号線沿いです。 
 【調査理由】防災集団移転(高台移転)事業
 【調査期間】平成24年10月22日~平成25年6月28日(一部を除き終了)
 【調査主体】気仙沼市教育委員会
 【調査協力】宮城県教育委員会
   【対象面積】約6.000平方メートル
 【調査成果】
  ・縄文時代早期末~中期初頭、晩期後葉頃
  ・丘陵上で竪穴住居跡、炉跡、土坑、ピット、斜面で遺物包含層などを発見
  ・縄文土器、石器、土偶、土製品、石製品、獣骨、魚骨、貝などの遺物が多数出土
      ・気仙沼市唐桑地区では初の本格的な調査です。
  ・縄文時代前期の貝層から多量のマグロの骨が出土したほか、土器、石器、骨角製品が多数出土しました。
  ・海辺の村の生業や食生活を知る上で貴重な資料を得ることができました。
 【現地説明会】
  ・平成25年5月18日に開催し、約350名の方の参加がありました。ありがとうございました。

空撮1 

 ・遺跡全景(南から)

冬

 ・厳冬期の調査風景

・6月28日に発掘調査を終了しました。ご協力ありがとうございました。
・6月5・6日には、唐桑地区の小学5・6年生47名が発掘体験を行いました。

小原木小学校の発掘体験 包含層の調査風景    

 ・小原木小学校の発掘体験            ・ゴミ捨て場の調査の様子

7.台の下貝塚・台の下館跡(気仙沼市)

 【所在地】気仙沼市唐桑町台の下  波怒棄館遺跡の北西にあります。
 【調査理由】防災集団移転(高台移転)事業
 【調査主体】気仙沼市教育委員会
 【調査協力】宮城県教育委員会
 【対象面積】約45,000平方メートル
 【遺跡概要】
  ・台の下貝塚は縄文時代中・後・晩期の集落跡・貝塚です。
  ・台の下館跡は、縄文時代の集落跡と中世(鎌倉・室町時代)の館跡とみられます。
 【9月26日現在の進捗状況】
 台の下館跡
  ・東側の調査が終了しました。縄文時代後期の貯蔵穴群などを発見しています。
  ・貯蔵穴は直径1~2mの円形で、深さは0.2~1.1mあります。木の実などの食料を保存したと考えられます。
  ・南側や西側を調査中です。西側では、縄文時代の竪穴住居跡を発見しました。

遺跡東側の貯蔵穴群 貯蔵穴の調査状況 

 ・遺跡東側の貯蔵穴群              ・貯蔵穴の調査風景

C.通常調査の成果1.団子山西遺跡(大崎市)

 【所 在 地】大崎市田尻中目(田尻小学校の西側) 
 【調査理由】田尻西部地区圃場整備事業
 【調査期間】平成24年5月27日~(平成19年度から継続)
 【調査主体】宮城県教育委員会
 【調査担当】宮城県教育庁文化財保護課
 【概  要】
  ・北小松遺跡の東側、古代城柵官衙遺跡の新田柵跡の南側に位置する遺跡です。田尻川の左岸を調査しています。
  ・道路跡、掘立柱建物跡、河川跡、土坑、柱穴などを確認しました
  ・8~10世紀頃の土師器・須恵器のほか木製品、鉄製品、石器などが出土しています。