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2015年発掘調査情報

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年3月3日更新

〈復興調査について〉

1.基本方針

 東日本大震災から4年が経過しました。宮城県教育委員会としては,復興事業と埋蔵文化財保護を両立し,高台移転・土地区画整理や復興道路などの復興事業に伴う発掘調査を円滑・迅速に実施,早期終了を目指しております。

2.円滑・迅速な発掘調査のための施策

(1)宮城県発掘調査基準の弾力的な運用

 復興事業に限り,遺跡が壊される範囲(平面・深さ)のみを調査対象とします。これにより,盛土施工部分や,下層の調査等を省略することが可能になるため,調査期間の短縮が見込まれます。

(2)調査体制の強化

 宮城県教育委員会では,平成24年度より他県市から発掘調査専門職員の協力を得て,調査体制の強化を図っております。平成27年度は12名の支援を受けております。

【平成27年度の調査体制】

*宮城県職員:文化財保護課21,東北歴史博物館2,多賀城跡調査研究所1

*派遣職員(自治法派遣)

  山形県 群馬県 千葉県 新潟県 長野県 岐阜県 兵庫県

  岡山県 山口県 佐賀県 宮崎県 新潟市

3.主な復興事業に伴う調査

 (1)復興道路建設事業に伴う調査(三陸沿岸道路・県道等)

 (2)沿岸市町復興事業に伴う調査(高台移転・土地区画整理等)

 (3)被災した個人住宅,零細・中小企業の再建事業に伴う調査

 (4)その他復興事業に伴う調査

〈発掘調査成果・進捗状況〉 

 宮城県教育委員会は復興事業に伴う発掘調査を中心に実施または市町に協力しています。平成27年度に実施している遺跡の調査成果・進捗状況は次のとおりです。

A.復興事業に伴う発掘調査

1.犬塚遺跡(山元町)

 【所在地】山元町坂元字窪作

 【調査理由】常磐線復旧工事

 【調査期間】平成27年4月20日~5月11日

 【調査主体】宮城県教育委員会

 【調査担当】宮城県教育庁文化財保護課

 【調査面積】約300平方メートル

 【調査概要】(6月10日)

・常磐線復旧計画地内に8遺跡あり,平成25年度から継続して調査を実施してきました。

・今年度の調査は4月20日に着手し,5月11日に終了しました。調査では奈良時代の竪穴住居跡1軒などが発見されました。

竪穴住居跡

・住居跡は1辺約3mの方形で,北東辺にカマドがあります。カマドの煙出し部分から直径約10cm、長さ約20cmの製鉄炉に風を送る管として使用していたものが出土し,煙突として使用していたものとみられます。近くから製鉄炉も見つかっているので,鉄づくりに携わる工人の住まいだったと考えられます。

2.羽黒下遺跡(石巻市)

 【所在地】石巻市牡鹿給分浜羽黒下

 【調査理由】防災集団移転促進事業

 【調査期間】平成27年4月6日~11月13日

 【調査主体】石巻市教育委員会

 【調査協力】宮城県教育委員会

 【調査面積】約8,500平方メートル

 【調査概要】(11月13日)

・平成26年11月から調査を実施し,平成27年11月13日に調査を終了しました。

調査区全景

・調査では,縄文時代の遺物包含層(前期~中期),柱穴,竪穴状遺構,土坑や,中世の掘立柱建物跡などが発見されました。

縄文土器の出土状況

・縄文時代の遺物包含層からは土器がまとまって出土しており,ほぼ完形の土器も出土しました。

埋設土器

・当時の人が土の中に埋めた土器(埋設土器)も見つかっており,炉として使用したものと考えられます。

羽黒下遺跡の竪穴状遺構

・遺物包含層を掘りきると, 縄文時代の前期初頭(約7,000年前)の竪穴状遺構が14基見つかりました。直径約3mの円形のものが多くみられ, これらは住居跡と考えられます。

羽黒下遺跡現地説明会の様子1

羽黒下遺跡現地説明会の様子2

・10月24日13時に現地説明会を開催し, 約100名の参加がありました。調査成果の詳細については下記の資料を御覧ください。

羽黒下遺跡現地説明会資料 [PDFファイル/1.59MB]

※著作権は石巻市が保有しておりますので,二次配付・無断転載は禁じられています。

3.合戦原遺跡ほか(山元町)

 【所在地】山元町高瀬字合戦原

 【調査理由】防災集団移転促進事業・災害公営住宅整備事業

 【調査期間】平成27年4月6日~

 【調査主体】山元町教育委員会

 【調査協力】宮城県教育委員会

 【調査面積】約10,000平方メートル

 【調査概要】(6月10日)

・平成26年8月から調査を実施しており,多数の横穴墓が発見されています。

・平成27年度は引き続き4月6日から調査に着手しました。

 【調査概要】(7月1日)

・調査の結果,この一帯には54基の横穴墓が発見されました。昨年度に34基の調査を行い,今年度は20基の調査を行っております。

横穴墓群

・今年度から調査を開始した別の調査区では,製鉄炉跡,木炭窯跡,竪穴住居跡,土坑などが発見されています。

C区全景

【現地説明会】

・7月25日13時に現地説明会を開催し,約450名の参加がありました。説明会の様子や配布資料は下記リンク先でご確認ください。

 山元町内発掘調査情報(山元町ホームページ)

4.おたまや遺跡(南三陸町)

 【所在地】南三陸町志津川字竹川原

 【調査理由】県道172号線災害復旧事業

 【調査期間】平成28年2月15日~3月3日

 【調査主体】宮城県教育委員会

 【調査協力】南三陸町教育委員会

 【調査面積】約240平方メートル

 【調査概要】(3月3日)

・遺跡は、志津川湾の海岸線から約800m,水尻川左岸の丘陵上にあります。丘陵裾部にあたる標高2~3mの地点を調査しました。

おたまや遺跡遠景

・発掘調査では古代の竪穴住居跡1棟と多数の柱穴などを発見しました。

竪穴住居跡

・発見した住居跡は,4m×3mほどの長方形で,北側にカマドがつくられました。カマドは一度つくりかえられています。

カマド

・カマドは土師器甕を芯材とし,粘土で固めてつくられていました。

B.通常事業に伴う発掘調査

1.御駒堂遺跡(栗原市)

 【所在地】栗原市築館堀口

 【調査理由】一般国道4号線築館バイパス建設工事

 【調査期間】平成27年4月20日~6月2日

 【調査主体】宮城県教育委員会

 【調査担当】宮城県教育庁文化財保護課

 【調査面積】約600平方メートル

 【調査概要】(6月10日)

・平成24年度から部分的に調査を行っており,今年度は4年目にあたります。

・今年度は4月20日より調査を開始し,6月2日に終了しました。

・調査では,奈良時代の竪穴住居跡,縄文時代のおとし穴などが発見されました。

竪穴住居跡全景

・奈良時代後半(8世紀後半)の住居跡で,一辺が5mほどの方形をしています。床近くから炭化した木材が多く出土したことから、火災に遭っていることがわかりました。

竪穴住居跡土器出土状況

・住居の床からは土器や石製品が10点出土しました。手前の4点は,土師器(はじき)と呼ばれる素焼きの土器で,左側の中が黒い皿は食器,右側は煮炊きなどに使われました。 

2.団子山西遺跡(大崎市)

 【所在地】大崎市田尻大嶺・中目

 【調査理由】ほ場整備(田尻西部地区)

 【調査期間】平成27年6月23日~

 【調査主体】宮城県教育委員会

 【調査担当】宮城県教育庁文化財保護課

 【調査協力】大崎市教育委員会

 【調査面積】1,400平方メートル

 【調査概要】(10月19日)

・遺跡は,奈良・平安時代の役所跡である新田柵跡の南にあります。

・平成23年度から継続して調査を行っており,今年度は5年目にあたります。

・これまでの調査で,奈良・平安時代の道路跡や建物跡・住居跡などが見つかっています。

・今年の調査では、遺跡の東端まで遺構が広がっていることがわかり、当時の町並みがさらに東に延びることがわかりました。

道路跡と倉庫跡

・今年は遺跡の東側の区域を調査し,東西に延びる道路跡の一部や倉庫跡などが見つかっています。

同じ方向で建ち並ぶ建物跡

・見つかった建物跡は、棟方向をそろえて建てられていた様子がわかりました。

方形の区画溝

・10m四方の範囲を囲む溝跡です。何らかの施設を区画したものと考えられます。

古墳時代の廃棄土坑

・古墳時代の食器などを捨てた穴も見つかりました。

【田尻地区ほ場整備関連遺跡発掘調査成果発表会】

・2月20日(土曜日)に大崎市田尻文化センターにおいて,田尻西部地区の団子山西遺跡・北小松遺跡,田尻中央地区の金鋳神遺跡・通木田中前遺跡などの発掘調査成果を報告しました。当日は大崎市民の方など100名以上の参加がありました。

田尻西部地区報告

田尻中央地区報告

遺物展示

田尻西部地区(北小松遺跡・団子山西遺跡)の発掘調査成果発表会資料 [PDFファイル/3.2MB]

田尻中央地区(金鋳神遺跡・通木田中前遺跡など)の発掘調査成果発表会資料 [PDFファイル/3.6MB](大崎市教育委員会提供)

※上記資料の著作権は宮城県・大崎市がそれぞれ保有しておりますので,二次配付・無断転載は禁じられています。


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