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2017年発掘調査情報

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年12月27日更新

〈復興調査について〉

1.基本方針

 東日本大震災から6年が経過し,地域の復興には着実な進展が見られるものの,復興事業は道半ばの状況にあります。宮城県教育委員会としては,復興事業と埋蔵文化財保護を両立し,高台移転や復興道路などの復興事業に伴う発掘調査の円滑・迅速な実施に取り組むこととしています。

2.円滑・迅速な発掘調査のための施策

(1)宮城県発掘調査基準の弾力的な運用

 復興事業に限り,遺跡が壊される範囲(平面・深さ)のみを調査対象とします。これにより,盛土施工部分や,下層の調査等を省略することが可能になるため,調査期間の短縮が見込まれます。

(2)調査体制の強化

 宮城県教育委員会では,平成24年度から平成28年度まで他県市から発掘調査専門職員の協力を得て,調査体制の強化を図ってまいりました。平成29年度は復興事業の進捗状況を踏まえつつ,庁内組織の連携による体制強化を行っています。

【平成29年度の調査体制】

*宮城県職員   文化財保護課20,東北歴史博物館1,多賀城跡調査研究所1

3.主な復興事業に伴う調査

  1. 復興道路建設事業に伴う調査(三陸沿岸道路建設・県市町道建設)
  2. 沿岸市町復興事業に伴う調査(ほ場整備事業・漁業集落防災機能強化事業等)
  3. 被災した個人住宅,零細・中小企業の再建事業に伴う調査
  4. その他復興事業に伴う調査

〈発掘調査予定・進捗状況〉 

 宮城県教育委員会は復興事業に伴う発掘調査を中心に実施または市町に協力しています。平成29年度の遺跡調査予定・進捗状況は次のとおりです。

A.復興事業に伴う発掘調査

1.小屋館城跡(気仙沼市)

 【所在地】気仙沼市松崎中瀬

 【調査理由】三陸沿岸道路建設

 【調査期間】平成29年6月5日~8月31日

 【調査主体】宮城県教育委員会

 【調査担当】宮城県教育庁文化財保護課

 【調査面積】約1,000平方メートル

 【調査概要】

・三陸沿岸道路建設に伴い,6月5日から8月31日まで調査しました。

・城を囲む堀の跡が見つかっています。幅5m,深さ1.5mで,長さは50m以上あります。

調査風景

調査風景

堀跡

見つかった堀跡

現地説明会の様子

8月4日に地元向け説明会を開催し、34名の参加がありました。

現地説明会の様子2

説明会の様子(堀跡)

平成29年度小屋館城跡現地説明会資料 [PDFファイル/1.54MB]

2.忍館(しのぶだて)城跡(気仙沼市)

 【所在地】気仙沼市浪板

 【調査理由】三陸沿岸道路建設

 【調査期間】平成29年8月29日~12月21日

 【調査主体】宮城県教育委員会

 【調査担当】宮城県教育庁文化財保護課

 【調査面積】約3,000平方メートル

 【調査概要】

・三陸沿岸道路の建設に伴い,8月29日から調査しており,土塁跡・堀跡・平場が見つかっています。

忍館城跡調査状況

調査の状況

 

3.山王遺跡・新田遺跡(多賀城市)

 【所在地】多賀城市山王ほか

 【調査理由】多賀城地区土地改良(ほ場整備)事業

 【調査期間】平成29年4月12日~

 【調査主体】多賀城市教育委員会

 【調査協力】宮城県教育委員会

 【調査面積】約4,800平方メートル

 【調査概要】

・ほ場整備事業に伴い,4月12日から山王遺跡と新田(にいだ)遺跡の発掘調査を行っています。

・新田遺跡の調査では,平安時代の溝跡などが見つかっています。

・山王遺跡の調査では,多賀城の南側に広がる平安時代の街並みを調査しており,メインストリートとなる東西大路や,大型の掘立柱建物跡,井戸跡などが見つかりました。

・10月14日に現地説明会を実施し,約110名の参加がありました。

山王遺跡空撮

山王遺跡調査地点の航空写真(南東から)

現地説明会

現地説明会の様子

大型の井戸跡

木枠をともなう井戸跡の調査

(調査情報は平成29年11月現在のもの/提供:多賀城市教育委員会)

  

B.通常事業に伴う発掘調査

1.萱刈場窯跡(大衡村)

 【所在地】大衡村大衡字萱刈場

 【調査理由】太陽光パネル設置

 【調査期間】平成29年4月13日~4月27日

 【調査主体】大衡村教育委員会

 【調査協力】宮城県教育委員会

 【調査面積】約1,000平方メートル

 【調査概要】

・太陽光パネル設置計画に伴い,確認調査を実施しました。

・調査の結果,奈良・平安時代の土坑などが発見され,土師器・須恵器などの遺物が出土しました。

調査状況

調査風景

土坑の調査

奈良・平安時代の遺構調査

 

2.長内(ながうち)遺跡(丸森町)

 【所在地】伊具郡丸森町舘矢間舘山字長内

 【調査理由】町道改良

 【調査期間】平成29年8月6日~10月19日

 【調査主体】丸森町教育委員会

 【調査協力】宮城県教育委員会

 【調査面積】約250平方メートル

 【調査概要】

・町道改良計画に伴い,発掘調査を実施しました。

・調査の結果,古墳時代前期の竪穴建物跡6軒,奈良時代頃の竪穴建物跡2軒が発見され,土師器・須恵器などの遺物が出土しました。

・古墳時代の竪穴建物は火災にあったとみられ,焼けた材とともに多数の土器が出土しました。

長内遺跡竪穴

古墳時代前期の竪穴建物跡

長内見学

地元小学生の見学の様子

  

3.団子山西遺跡(大崎市)

 【所在地】大崎市田尻中目ほか

 【調査理由】県営ほ場整備事業

 【調査期間】平成29年10月30日~12月25日

 【調査主体】宮城県教育委員会

 【調査担当】宮城県教育庁文化財保護課

 【調査面積】約430平方メートル

 【調査概要】

・ほ場整備事業に伴い,発掘調査を実施しました。

・調査の結果,古墳時代中期の竪穴建物跡1棟,古代の掘立柱建物跡3棟などが発見され,土師器・須恵器などの遺物が出土しました。

SI1621

古墳時代の竪穴建物跡(一辺約6.2m)

SI1621ibutsu

竪穴の床面からは多数の土器が出土しました。

SI1621kohaku

竪穴からは琥珀も出土しています。


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