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「中央集権型国家」から「真の分権型国家」へ
都道府県に代わって、より広域の単位で新たな地方自治体(道州)を設置し、国から広範な権限と財源を移管する制度です。
現在の都道府県制度は、明治4年(1871年)の廃藩置県から始まり、明治23年(1890年)の府県制にて概ね確立されました。
それ以降、日本は、中央政府に権限や財源を集中させた中央集権型行政システムにより、大きな発展を遂げてきました。しかし、中央集権下における画一的な行政サービスでは、多様化し増大する社会のニーズに対応することが困難になってきています。このような問題に対応していくためには、地方が自らの判断と責任の下で行政サービスを効果的・効率的に提供していける体制を整える必要があります。
一方、約140年前の馬、船、徒歩の時代から、車、新幹線、飛行機、ITの時代に変化した今、交通網の発達による人々の生活圏の拡大等により、防災や環境問題など、都道府県の区域を越えて解決しなければならない行政課題が増えています。また、経済のグローバル化が進み、地域が国境を越えて世界と結びつくようになってきており、これまでの都道府県よりも広く一定の規模を有する圏域が、より自立した経済圏を作っていく必要もあります。
このような課題に的確に対応していくため検討されているのが「道州制」です。
県では、活力のあるブロック圏域(複数の都道府県で構成されるような圏域)の構築や、国から地方への権限と財源の確実な移管、また国と地方の二重行政の解消による効率的な行政システムの実現などに向けて、道州制の導入が必要であると考えています。
「道州制」と聞くと、単に都道府県がいくつか合併するだけと考える方もいるかもしれませんが、そうではありません。
道州制は、まだ議論されている段階であり、さまざまな意見が出されていますが、政府などが公表している基本的な考え方は次のとおりです。
道州が責任を持って地域経営を行うことになり、地域に真に必要な政策を、より迅速で効果的に実施できるようになることが期待されます。
また、現在の都道府県を越えた規模・視点で情報・技術・人材などの集積・配置ができるようになることが期待されます。
【例えば・・・】
社会資本整備
産業振興
市町村では、福祉、教育、まちづくりなど、地域に身近なほとんどのことについて自らが決定し、実施できるようになることが期待されます。
【例えば・・・】
福祉サービスの水準や福祉施設の設備基準を自ら決められるようになるので、地域の実情に合わせた福祉施策を展開できるようになります。
平成23年3月11日(金曜日)、宮城県は東北地方の太平洋沖を震源としたマグニチュード9.0の地震に見舞われ、震度7にも達する激しい揺れにより家屋や道路、橋りょうが多数損壊したうえ、電気、ガス、水道、交通等のライフラインをはじめ教育、医療、福祉など県民生活全般にわたり甚大な被害が発生しました。さらに、想像を絶する大規模な津波によって県内沿岸部の市町は壊滅的な被害を受けました。
県では、震災からの迅速な復旧・復興にあたりましたが、その中には地方の力ではどうにもならない問題(災害廃棄物・原発問題など)があり、国の対応の遅さが指摘されていました。
これは、国の怠慢というよりも、国が平時から過大な権限・財源を持っているため、負担が過大であり、大規模災害が発生した場合に、機敏な対応ができないことがその背景にある要因の一つではないかと考えられます。地方が内政を担い、国の負担を減らす仕組みが必要です。
東日本大震災から得られた教訓からも、国・地方の役割分担を抜本的に見直し、「新しい国のかたち」として、地方分権型道州制の導入が必要だと考えています。
道州制は、これまでの国のかたちを大きく変えていくものであり、真の分権型国家を実現できる仕組みにしていかなければなりません。そのためには、国と地方の役割分担や税源配分の抜本的な見直しのほか、基礎自治体の強化や小規模自治体に対する支援など、解決しなければならない課題も多くあります。また、何よりも、国民の間で幅広く議論が行われ、合意形成されていくことが必要です。
県では、道州制の必要性や課題などについて、県民の皆さんに理解していただけるよう、引き続きさまざまな機会を通じて積極的に情報提供などの取り組みを行っていきます。
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