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有限会社兵藤種苗商事

営業・事務

兵藤 藍さん

1995年生まれ、宮城県栗原市出身。1915年創業の種苗店の一人娘で後継者。現在、ホームページ更新や会社の広告塔としてSNS等でPR活動を行うほか、地元地域を中心に産地育成・栽培指導・講習会「たねやさんの講習会」、肥料施肥設計・土壌診断、食育指導も行っている。2023年10月からスタートした「たねやさんの講習会」は多くの参加者から好評を得ている。

農業の楽しさを知っていただくため、SNSでの情報発信や講習会を実施中

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事業を継承されるにあたり、どのようなご苦労がありましたか。

大学では、人文学を勉強していましたが、両親から卒業してすぐに家に戻るのではなくて「一回外を見て世間の荒波に揉まれて来い」と言われ、卒業後に携帯電話のショップで4年間働いて、接客とコミュニケーションの楽しさを学び、その後事業を継承することになりました。はじめは農業・農薬のことは何一つわからなかったので、会社の先輩から一から学んで理解していくことに苦労しました。野菜の品種はたくさんあり、例えばナスの品種だけでも50種類以上はありますし、各メーカーさんによってもいろいろな品種があって、一つひとつ特徴が違うので、たくさんの品種と特徴を覚えるのが大変です。また、地域によっても作付けが異なり関東だと順調に育ちますが、東北地方では上手くいかないこともあります。土壌によって野菜の育ち方も変わることなどもいろいろな要因があるので、お客様に聞かれたときに答えられるように、たくさんのことを日々勉強しています。

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現在の業務内容を具体的に教えてください。また、仕事をする上で心がけていることはありますか。

種や苗は、メーカーさんから仕入れて、農協さんなどに卸しています。小売りもやっていて、農家さん向けや家庭菜園用の商品も販売しています。種や苗の扱い以外にも、肥料やビニールハウスのビニールも取り扱っています。私は、電話対応や店頭での接客、販売のほか、メーカーさんへの商品の発注、メーカーさんから届いた種や苗を仕分けする作業もしています。

SNS等でPR活動を行うなど、新しいことに取り組んでおられますが、その原動力はなんですか。

ご来店いただく方は大概がご高齢の方ということもあり、私が継承するまで、SNS等は一切やっていませんでした。若い方の農家・農業離れが非常に多くなっていると感じていたので、そういった方々に農業の楽しさを知ってもらいたいと思い始めました。ピーマンですと、種なしや辛くないピーマン、色もカラフルなものなど、色々な種類があることなどを発信しています。自宅のお庭でお花などの球根を植えて楽しみたいというお客様も少しずつ増えてきて嬉しいです。主に地元の栗原近辺にお住まいのお客様が多いですが、宮城全域のお客様もご来店されており、営業担当者にはSNSのQRコードを持たせ、営業ツールとして活用しています。また、ペーパーレス化も広がっている中、チラシだけでは地域が限定されてしまうため、SNSを活用しています。その他、月に一回当社独自の講習会を行っています。講習室が限られているので20人程度が限度なのですが、大きい農家さんから個人の初心者のお客様まで、幅広く参加していただいて反響も大きいです。講習会担当者も分からない質問をする方や、初めて栽培を行う方などいて、どのようにレベルの違いを埋めていくかなど今後の課題もあり、こちら側としても勉強になります。お客様目線に立って、初心者の方にも分かりやすくお話するということを常に心掛けています。お客様から「種を撒くときにどうすればいいか」などの質問にお答えして、そのやり方で良かった、勧められた種が良かった、美味しかったと言ってもらえるとやりがいを感じます。お客様の喜ぶ声が私の原動力です。

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特に女性社員に望んでいることなどはありますか。

現在、営業事務として働いている女性は3名いますが、この種屋という仕事は自然が相手なので、女性だから、男性だからということではなく、天候や災害に敏感になり、天候に対応できる対策を行うことが求められていることになります。そんな仕事の中でも、同世代の地元の同じ境遇にいる友人や諸先輩方と相談しあったり、励ましあったりしています。仕事終わりにご飯に行ったり、休みの日に予定を合わせるなどして、異業種であっても皆さんと交流を深めています。

あなたが思う宮城の魅力は何ですか。

地元栗原のお話になりますが、高速道路のインターや新幹線のくりこま高原駅もありますので、都会に行きたい時はすぐに行けますし、リラックスしたいと思ったらのんびりできる大自然も目の前にたくさんあります。空気も美味しくて、晴れた日は会社から栗駒山を真正面に見ることができて絶景です。宮城全体では、ほどよく都会と田舎の緑が融合された素晴らしいハイブリッドな街だと思います。東北の人たちはすごく優しくて、親切にしてくれる方が多く住みやすい街なので、そういうところも私はすごく好きです。

学生インタビュー

この仕事の魅力は何ですか。

まず、種苗を通して直接お客様と会話(対話)ができることです。「どうしたら上手く育てられるか」「どの様な工夫が必要か」など、まさに小さな“生命”を育て上げるような感じです。私自身、お客様から学ぶことも沢山あります。次に、フォークリフトの免許を取ったことです。フォークリフトの免許取得者は男性が多いですが、男性が、女性がというのではなく、頑張ってみようという気持ちで取り組みました。今は「シードアドバイザー」という種や苗について正確な知識を持っているという意味の資格を取るために勉強をがんばっています。自分の出来る範囲だけで決めてしまうのではなく、何でも挑戦してみようという心がまえを持って取り組むことで、自信にもつながると思います。

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Interviewer

阿達 初菜さん 宮城教育大学

インタビューを通して、新しいことに挑戦することの大切さを学びました。常に自分の新しいことにチャレンジする姿にとても勇気をもらえましたし、私も新しいスキルや知識を身につけたり、可能性を広げたりするためにこれからいろいろなことにチャレンジしていきたいと思います。また、前向きに様々なことに取り組んでいきたいです。

MY SCHEDULE

  • 7:30

    起床、朝食、愛犬との戯れ

  • 8:30

    出勤、車で出勤

    事務所内や店舗内の掃除

  • 9:00

    事務処理・店舗販売

    電話対応や届いた種子を予約の方への振り分け等を行います。

  • 12:00

    お昼休憩

  • 13:00

    事務処理・店舗販売等

  • 15:00

    お茶っこタイム

  • 15:20

    事務処理・店舗販売等

  • 18:00

    レジ閉め等

  • 18:30

    退勤

  • 19:00

    帰宅、夕食、入浴、愛犬との戯れ、YouTubeで動画を見る等

  • 23:30

    就寝

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休日の過ごし方

休日は愛犬と戯れています。一応女の子なのでお雛様の前で「ハイポーズ!」家族の癒しになっています。

※記載内容は取材当時のものです。