
一般社団法人気仙沼地域戦略
プロモーションリーダー
気仙沼市唐桑出身。大学進学のため上京し、2012年にUターン。三陸新報社に勤務後、現在は一般社団法人気仙沼地域戦略に勤務。観光関連のプロモーション計画、イベント企画等を担う。
私は岩手県との県境の自然豊かな唐桑で生まれ、高校生まで生活しました。大学進学を機に上京して、大学院修了後に都内で就職し3年程、働いていました。東日本大震災の時は、休暇で地元に帰省していたところ被災し、被害を目の当たりにするとともに時間が経過する中で困っていることも変わっていくという状況も分ってきて、地元に帰ろうという思いが募りました。高校生の頃から地元で働きたいという気持ちもあったことから、震災の1年後に地元に帰ってきました。
気仙沼地域戦略に勤務しています。この地域はもともと水産業が基幹産業でしたが、水産業だけでは、また震災があった時にまちが立ち行かなくなるということで、観光業も新たな産業にしていくことになりました。気仙沼市や観光協会、商工会議所など複数の組織で構成されている気仙沼観光推進機構で、その事務局を担っているのが気仙沼地域戦略です。私の仕事は、この地域にあるいろんな資源を、どのようなお客さんにどのようなものが求められているものか、データを収集・分析して、それを基に企画やプロモーションを考えていくマーケティングを行っています。気仙沼地域にどのような人が来ているのか、目的や移動手段などを知るため実際に来ている人にアンケート調査をしたり、お客さんと直接つながるツールとして取り組んでいる「気仙沼クルーシップ」の会員の方に直接聞いたりして、何に興味を持っているのかなどリサーチをしています。
楽しんで頂いているお客さまからの声もあり、一緒に取り組んでいるメンバーとともに「反応良かったね」とか、結果を実感することもあります。一方でまだまだ課題もあり、観光の取り組みは何かやってすぐ結果が出てくるものではないので、色々試行錯誤しながら、息長く頑張っていく必要があると思っています。例えば、気仙沼地域への来訪目的は年間を通して「グルメ」で、気仙沼に来て頂いた方も食事で満足してくれる方が多いです。気仙沼は年間を通して様々な魚種が水揚げされますが、色々聞いていくと夏はカツオ、冬は牡蠣・メカジキが人気となっていることが分かりました。そこでこういった情報から、夏のカツオメニューの紹介や冬の牡蠣・メカジキメニューやお土産品、イベントのまとめ、地酒とのペアリングディナーの紹介をしています。気仙沼の地域を盛り上げようとしている他の団体と協力して気仙沼バルやビアフェスティバル、かつお祭りなどの食にまつわるイベントをしています。複数の団体で一緒に取り組むことで、できることも増えます。
今後どれくらい体力が続くのかと考えたり、休む期間を作らないと新たなことも吸収できないと思ったりするので、余暇をとり、行ったことのない場所や旅行から心が動くものをみつけ、自分の気持ちをフラットに保つことを意識しています。自分がいいなと思う場所に人が集まるようなきっかけづくりや、活用されていなくてもったいないと感じる場所を活用するイベント企画などをやっています。
起業を考えていた際に思ったことですが、行政からの必要な施策や支援制度はありますが、使い方が自分にマッチしているかが分らないことや条件が厳しいところがあるので、希望者にヒアリングなどして柔軟に使えるような制度にしていただければと思います。
東京の建築会社で勤めていた時ですが、誤記などがあった場合は顧客の不利益に直結するので、文言の間違いや個人情報の取り扱いには特に気を付けていました。相手への言葉遣いや、分かりやすく伝えるための表現の工夫も前職で培われたスキルだと思います。また、前職は気仙沼・南三陸地域の情報を取り扱う新聞社だったので、地域の情報を幅広く知ることができた点が、今の仕事につながっているなと思います。
昨年度から始まった『冬の2大食材牡蠣とメカジキの人気投票』では、県内外問わず多くの方がweb投票に参加してくれました。投票して頂いた方から「気仙沼のメカジキが美味しかった!」「牡蠣の味が最高。」などの気仙沼愛にあふれる応援コメントを頂いた時は、とても嬉しかったです。
それらのコメントを、生産者やお店の方にお伝えすると、皆さんすごく喜んだ表情をされることが、自分の励みにもなります。もう一つは、毎年、震災関連のメッセージを企画して出していますが、それに対して日本各地から激励をいただくことも、励みになっています。東日本大震災から年数を経ていくと共に、伝えたいメッセージも変わっていると思いますし、今年も3月11日にどんなメッセージを出そうかと、現在、メンバー全員で意見を出し合っています。
Interviewer
鈴木 茅優さん 宮城学院女子大学
起床
お湯、サプリをのむ、身支度
午前勤務(テレワークも活用)
1日のスケジュール確認、打ち合わせ、企画会議など
昼食
市内飲食店にて食事。旬のグルメなど素材写真の撮影も兼ねる
午後勤務
午前に引き続き業務
退勤
愛犬と遊ぶ、友人と会食、イベントの企画
就寝
休日の過ごし方
基本的に働くときはパーッと働いて休む時もしっかり休みたいので、休日は一日ダラダラしていることもありますが、趣味として個人活動していることもあります。最近は、気仙沼市内にある五十鈴神社の社務所をお借りして仲間と土日限定の茶房を営業しました。
※記載内容は取材当時のものです。