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一般社団法人とおがったプロジェクト

代表理事

永井 京花さん

1997年生まれ、白石市出身。一般社団法人とおがったプロジェクト代表理事としてアーティスト・イン・レジデンスでの業務に従事する一方、個人事業のLong Nagaiとして、白石和紙を使ったプロダクト製品の開発事業とデザイン業も営む。(白石和紙は強度と耐久性に優れたものとして知られており、宮内庁の重要記録用紙に指定され、文化財の修理等に使用されています。)

地域の人とのコミュニケーションを密にして、アーティスト・イン・レジデンスでの活動や白石和紙の価値を広めていきたい。

現在、とおがったプロジェクトの代表に就いておられますがどのような理由で始められたのか教えて下さい。

大学卒業後、一般の企業に勤めたのですが、途中で「これは私のやりたいものではないな」ということに気づきました。
自分がやりたいことは何だろうかと、俯瞰して考えた時に「人の内面と関わること」「子どもたちに地域のアイデンティティに気づいてもらいたい」ということが分かってきました。そんな時に、大学時代に関わっていたとおがったプロジェクトの佐藤さんに相談したところ「じゃあ、アーティスト・イン・レジデンスの業務を手伝ってみないか」という話になり、そこからアーティスト・イン・レジデンスのスタッフや、デザインの業務のお手伝いをやらせていただいて、勤めていた会社を辞め、この仕事に就きました。

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現在の業務内容を具体的に教えてください。また、仕事をする上で心がけていることはありますか?

アーティスト・イン・レジデンスのスタッフとしての仕事は、国内外からアーティストが入ってきますが、調べたいものが明確な人もいれば、漠然としている人もいます。私はその方たちと話をしながら、例えばこけしについてリサーチしたいのであれば、一緒にこけし館に行き実際に館内や作業を見たり、こけし館の人達との交流を一緒にしたりすることにより理解を深めるサポートをしています。また、作品を展示したいという要望があった場合には、展示の設営やポスターを作っています。こういった仕事をしていく上で、心がけていることは地域の人とのコミュニケーションを密にしていくことだと思っています。例えば、地域の人とすれ違ったら必ず挨拶をするという、小さなコミュニケーションを大事にしています。

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地域の活性化に取り組んでおられるとのことですが、どのような取組をしておられますか。

アーティスト・イン・レジデンスの観点で、地域に外からのお客さんに来てもらうというより、地域の人や子どもたちにアーティストと関わってもらい、こういう生き方もあるんだとか、こういう風にアピールしたらお客さんに来ていただけるということを感じてもらい、地域の人たちに盛り上がってもらうことが重要だと思っています。今、アーティストと地域の人が互いに「こんにちは」と挨拶を交わし合うというところまで来ていますが、もっと地域が明るくなれば、外からのお客さんが増えると考えているので「また来たいな」と思ってもらえるような環境づくりをアーティストとの出会いを通じてやっていければと思っています。

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活動を始めたことで、生活にどのような変化がありましたか。

白石市出身で、現在も在住ですが、会社勤めの頃は家と会社の往復で完結していました。今は地域の人や白石和紙で関わっている方、白石や遠刈田の地域の中で沢山コミュニティの繋がりができました。忘年会があれば「来ないか」と呼ばれたりするようになり、地域の中にどんな人がいて、どのようなことを大切にしているかということが、見え始めてきました。今まで、この地域に住んではいたけれど、知らないことが多かったと思います。まだまだ分からないことは沢山ありますが、ようやく地域の流れが分かった気がします。

今後、思い描いているキャリアデザインについて教えてください。

遠刈田のアーティスト・イン・レジデンスを続ける中で、私自身、アーティストからヒントを得て、勉強をさせてもらっています。それを活かして、白石和紙を使ったデザインを通じて、ここを訪れるアーティストと一緒にプロダクトに落とし込むことをやっています。そうすることにより、伝統工芸品の歴史も守っていけるし、白石和紙の価値を広めていけると考えています。
また、アーティスト・イン・レジデンスへ様々な方が見学しに来てもらいたいと思っております。

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学生インタビュー

アートを仕事にすることとなったきっかけは何ですか。

もともとアートへの興味はありましたが、学生時代には環境や服飾についての勉強をしていました。大学生時代に実行委員会として参加した服飾関係のイベントに参加した時のつながりで、アーティスト・イン・レジデンスで仕事をしてみないかとお誘いを受けたことがきっかけでした。人と人との繋がりが、アートに結びついたと感じています。

今後の目標と課題を教えてください。

今後の目標は、今までアーティストの方から勉強させていただいたことを取り入れ、私の地元である白石市で昔から作られてきた白石和紙を使ったアートをアウトプットしていくことです。その過程で、白石市にもアーティスト・イン・レジデンスの拠点を設けたいと考えています。今後の課題は、白石市のアーティスト・イン・レジデンスのオープンに際して、地域住民の方々にどのように受け入れてもらうか、どのような取り組みが地域に寄り添えるか模索していくことです。

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Interviewer

安達 来実さん 宮城学院女子大学

永井さんはとても気さくな方で、お話しするのが楽しく大変有意義な時間となりました。お仕事をする中で、アーティストの方や地域の方とのコミュニケーションを大事にされている永井さんの思いがとても伝わってきました。以前は、一般の会社に勤務されていたそうですが、自分のやりたいことに気づき、アートを仕事にしたという選択はたくさんの勇気と努力が必要なことだったと思います。私はまだ大学1年生なので、将来のことがはっきり見えているわけではないですが、今後社会人として生きていく中で、永井さんのようなキャリアの歩み方もあるのだと勉強になりました。

MY SCHEDULE

  • 8:00

    起床~身支度

    好きなラジオ番組を聞きながら身支度をしています。

  • 9:00

    移動

    車で軽い朝食をとりながら遠刈田へ。

  • 10:00

    業務

    アーティストの様子を伺いながら打ち合わせをしたり、一緒にリサーチに行ったりしています。

  • 12:00

    昼食

    よく遠刈田温泉の美味しいご飯をいただいています。たくさん食べた分、たくさん動かなければいけませんね・・・!

  • 13:00

    業務

  • 19:00

    夕食

  • 20:00

    デザイン関連のお仕事

  • 22:00

    お風呂

  • 24:00

    就寝

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休日の過ごし方

ラーメンが大好きで、高校生の時から空いている時間があれば様々なラーメン屋さん巡りをしています。醤油ラーメンが特に好きなのですが、醤油の味単体でも味がたくさんあり、中でもあごだしが一番好きです。写真のフォルダにもラーメンフォルダを作り、食べたラーメンを記録しています。今年の「遠刈田温泉仮装盆踊り大会」では、同じラーメンが大好きすぎる友人と醤油ラーメンの仮装をしてしまいました!一から自分たちで衣装の制作をしたので、とっても大変でしたが、間違いなく今年一番の思い出になりました!

※記載内容は取材当時のものです。