女性のためのポータルサイト「ずうっと宮城」 > 宮城で輝く女性発見! > 一般財団法人広南会 広南病院 東北療護センター 看護師 宇佐見 小百合さん

一般財団法人広南会 広南病院

東北療護センター 看護師

宇佐見 小百合さん

福島県相馬市出身。高校を卒業後、医療事務の専門学校で学び、地元の病院で医療事務として3年弱勤務する。24歳で地元の看護学校に社会人枠で入学。2015年、27歳で一般社団法人広南会 広南病院に入職。結婚・出産後、産休・育休期間を経て東北療護センターに異動となり、現在に至る。

医療事務から看護師へ転身。ご家族にも寄り添う看護を目指して

現在の団体を選んだ理由を教えてください。

医療に興味があり、医療事務の仕事に就きましたが、もっと患者さんの役に立ちたい、寄り添いたいという思いが日に日に強くなっていきました。そんな時、地元の看護学校で社会人枠を設けていることを知り、挑戦してみようかなと思ったことが看護師を志した理由です。看護学生の時に受け持った患者さまが脳の疾患を抱えておられたことから、脳の病気に関心が湧き、脳神経疾患の高度専門病院である広南病院を選びました。今は広南病院が独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)から運営を委託されている東北療護センターで勤務しています。

現在の業務内容を教えてください。
また、仕事をする上で心がけていることはありますか?

東北療護センターは、自動車事故による脳損傷で重度の意識障害が残ってしまった患者さまに、適切な治療と看護を行うための専門病院です。私は2名の患者さまを受け持っており、日々のお世話に加え、カンファレンス、定期的な検査のための搬送など、幅広い業務を担当しています。コロナ禍のため、ご家族との対面での面会ができない代わりに、オンライン面談の手配なども行っています。
当院では「プライマリーナーシング方式」といって、同じ看護師が一人の患者さまを入院から退院まで受け持ち、その患者さまの看護に関して責任と成果を明確にするシステムを採用しています。そのため、担当している患者さまの状態を注意深く観察し、変調を見逃さないよう心がけています。毎日接していると患者さまの日々の変化に気づきやすく、良い反応や回復兆候が見えた時には喜びとやりがいを感じます。

仕事と子育てを両立する上で、大切にしていることを教えてください。

独身時代は家でも勉強に励んでいましたが、今は3歳の娘がおり、なかなか家で自分の時間を持つことが難しい状況です。ですので、仕事で全力を出したら、家では仕事のことを忘れて娘のことや家事に専念するようにしています。娘が急に体調を崩し、仕事を休まなければいけない時もあります。そうした時、「お互いさま」と温かく対応してくれる病棟の同僚にはとても感謝しています。

これから活用したい、または活用している・活用したことのある福利厚生や社内制度を教えてください。

産休を数ヶ月と育休を1年取得しました。職場復帰後は、職場が提携する保育園に娘を預けて仕事をしています。復帰前に3週間ほど、慣らし保育をお願いできたのが非常に助かりました。

あなたが思う宮城県の魅力はなんですか? 宮城県で暮らす理由も教えてください。

都会的な場所と田舎が混在しているところや、気候が穏やかで住みやすいところ、食べ物がおいしいところが魅力だと思います。福島県の実家からも車で1時間程度の距離なので、安心感も大きいです。

今後思い描いているキャリアデザインはありますか?
そのために努力していることや、宮城県や企業に期待していることも教えてください。

今は目の前のことで手一杯で、遠い将来のことはまだあまり考えていません。近い将来のことですと、コロナが落ち着いてご家族が対面で面会ができるようになる時期が来ると思うので、今まで以上に患者さまとご家族との橋渡し役になれるように努めたいと思っています。退院が近い患者さまのご家族には、家に帰られてからの日々の生活や接し方を丁寧にレクチャーするなど、患者さまはもちろん、ご家族にも寄り添う看護をしていきたいですね。

学生インタビュー

学生時代と社会人でギャップはありましたか?

たくさんありますが、特にギャップに感じたことは、学生時代とは違い社会人には教科書がないので、自主的に勉強していく必要があるということです。また、看護学生だった頃は一人の患者さんを受け持って勉強していましたが、働き始めると、人とのコミュニケーションが増え、担当している患者さんだけではなく、沢山の人と関わらなければならないという責任により、自分は社会の一員だと実感しました。

今の仕事をしていて嬉しかった出来事はありますか?

意識障害の患者さんを担当しているのですが、入院してきた頃と比べて、患者さんの表情が豊かになった、反応が良くなったなどの大きな変化があったことです。また、患者さんのご家族に症状が良好になったことを伝えると、ご家族の方にも「東北療護センターに入院できて良かった」と喜んでもらえたことも嬉しかったです。

Interviewer

遠藤 愛佳さん 東北学院大学

宇佐見さんのお話から、患者さんと家族の繋がりを大切にし、寄り添える看護がしたいという素敵な思いが伝わりました。意識障害のある患者さんに対し、ご家族とのコミュニケーションを取りやすい環境作りや、本人の好きだった音楽を流すという工夫により、意識の回復を目指しているというお話が印象に残りました。

MY SCHEDULE

  • 5:30

    起床

  • 6:30

    朝食

  • 7:30

    家を出て保育園へ子供を送る

  • 8:00

    出勤

  • 18:30

    保育園お迎え、帰宅

  • 19:00

    夕食

  • 22:00

    就寝

休日の過ごし方

休みの日にはできるだけ子どもと遊んだりお出かけしたりするようにしています。ショッピングモールや公園に出かけることが多いですね。子どもと遊ぶことも趣味と言えば趣味ですが、去年家を買ったので、庭で花を育てたりガーデニングを楽しむことも趣味の一つになりました。料理も好きなので、時間がある時には凝った料理に挑戦することもあります。

※記載内容は取材当時のものです。